「……おいこら提督
こいつはどう言うことだ?んん?」
「いや、そのですね?親方
これにはふっかーいそれこそ深海並みの理由があるんですよ、ね?」
現在、佐渡は食堂にて親方に正座をさせられておりソラとエアを横目で見ながら佐渡に説教している
厨房には古鷹が立ちソラからのお土産を切り分けている
「あのな?うちは鎮守府だよな?海軍だよな?
そしてこいつらは敵だよな?何でいるんだよええ?」
「いや、ほらね?
エアは言ったじゃないですか?そのソラさんは……ね?」
「ねじゃねぇよ!!いつからうちは深海棲艦の溜まり場になったんだえぇ!?」
「まーまー親方そろそろーー」
「黙ってろ深海棲艦!
大人しく梨でも食ってろ!!
溶鉱炉で溶かされたいのか!!」
「うふふ、怖い」
エアが止めようとすると思い切り反論されてしまい流石のエアも黙りながらソラに泣きつく
「あのー、親方?そろそろ提督がーー」
「黙ってろ!エセ海外艦!!
工厰に吊るすぞ!!」
「で、デース……」
金剛が止めようとするが親方は怒っており周りが見えていないのか怒鳴り散らすと金剛は叢雲の膝の上でしくしくと泣いている
「アホねあんた達、今の親方に何言っても無駄よ」
「まぁ、そりゃそうですよ……
深海棲艦を倒すための鎮守府なのに、深海棲艦が居るんですし……」
「すみません皆様……私達のせいで…」
「まぁ、ソラ?さんが悪い訳じゃないと思うわよ?
ねーイーちゃん?」
イムヤが意気消沈しているソラを慰めると足に抱いているイーちゃんも同意するようにこくこくと頷く
「それに今回はソラは悪くないからな
エアがきちんとしてないのが悪いんだ」
「何それ!私のせい!?」
「うっるせぇぞ!!外野!!ちと黙っとれや!!」
「「「「「「ごめんなさい」」」」」」
親方の気迫に押され叢雲以外全員縮こまっていると厨房から古鷹が切り終えた梨を持ってくる
「あれ?何で皆縮こまってるの?」
「あれよ」
「あれ?」
古鷹は叢雲に指差された方角を向くとそこには佐渡が親方に怒られているのを見え微笑むと梨を更に小さく切り分けつまようじに刺す
「大体お前はなぁ!」
「親方さん」
「何だぁ!!ちょっと…むぐっ!」
「美味しいですよ?皆で食べましょ?」
古鷹が親方に無理矢理切った梨を食べさせると口に含みながらしっかりと噛み締めると飲み込む
「ほう!!こいつは旨いじゃないか!!」
親方の一言にエアと金剛は泣くのを止め古鷹が切った梨を食べると二人顔を見合わせる
「美味しいじゃない!これ!!」
「凄いジューシーデース!!」
それから、全員でのんびりとした梨の試食会が始まり皆美味しそうにかなり高い梨を堪能していた
「ほう?これはそこの重巡リ級が?」
「は、はい!ソラと言います!」
「良いもの買ってくるじゃねぇか!!
ありがとよ!!」
親方に言われるとソラは喜び全員で楽しく食事をしているのだが古鷹が居ないことに佐渡は気付き厨房の外に向かう
すると空を見上げながら古鷹が梨を食べていた
「なぁにしてんだ?古鷹」
「あ、佐渡提督……間違えた提督
どうしましたか?」
「いやお前がどうしたんだよ皆で食べないのか?」
「あ……ごめんなさい
今日は良いです」
「そうかい」
佐渡はそう言うと厨房の扉を締めその場に座り込むと古鷹も隣に座る
「……そろそろお前の季節だな」
「…そうですね、私が『ここに来た季節』ですね」
次回
変わらないもの
親方さん怒ると恐いんですよこれが
平気で溶鉱炉ぶちこむとねぇ…