艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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会議 三

「東雲大元帥!突然の発砲とは気でも狂いましたか!?」

 

 

「狂ってねぇよ

お前らが人の話も聞かずに勝手に進めるしやかましいから空砲を撃ったんだよ

それで、羽田元帥

グラーフツェッペリンはどうなんだ?」

 

 

東雲に言われると羽田は資料を取り出し読み上げる

 

 

「グラーフツェッペリンはドイツのスパイではありません

むしろドイツに帰国してほしいと言う要請も来ております」

 

 

「何だと!?」

 

 

「え?何でだ?」

 

 

 

その言葉に場がざわめくが東雲が再び空砲を撃ち無理矢理黙らせる

 

 

「黙れ、羽田が話してるんだ

話くらい聞け」

 

 

「……では続けます

今からお配りする資料をご覧ください」

 

 

羽田は大淀に合図をすると全員にある資料を配らせると全員の顔が引きつる

 

 

「おい!!羽田元帥これはなんだ!?」

 

 

「こいつは……欧州棲姫か?」

 

 

その資料には一つの写真が付属されておりその写真には巨体な剣を持ち左目に傷を負った欧州棲姫の写真があり佐渡は驚き羽田を見る

 

 

「この資料は、ドイツの大元帥から頂いた資料になります

彼女は、欧州棲姫ではありますが昔の個体とは違い実力が桁違いに上がった歴戦種だと報告が上がっています」

 

 

 

「アトミラール!これは本当なのか!?」

 

 

佐渡はグラーフに詰め寄られると静かに頷くとグラーフは佐渡の襟を掴む

 

 

「何故だ!何故言わなかったんだ!!」

 

 

「実はな、ビスマルクさんに言うなって口止めされてたんだよ

これを見せたらグラーフを戻せるってね」

 

 

「そうだ!こんなのが我が祖国の海に居るなら帰るに決まっている!

ドイツは!ビスマルク達は無事何だろうな!?」

 

 

「静粛に!!」

 

 

羽田が、木のハンマーで机を叩き騒いでいる佐渡とグラーフを黙らせると続けて先程の話を続ける

 

 

「現在、この欧州棲姫 歴戦種は行動を起こしておらず西方の海を支配しています

これが彼女を取り戻したい理由だそうです

如何ですか?大元帥」

 

 

東雲は資料をパラパラとめくるとその情報を見ていると佐藤が再び騒ぎ始める

 

 

「嘘だ!そんなのは有り得ない!

西方は我々が昔に行って攻略したはずだ!

そんな化け物が居るわけ無いだろう!

羽田元帥も佐渡大尉達にーーー」

 

 

「佐藤元帥、やけにグラーフツェッペリンを解体したいようだな?

グラーフツェッペリンは貴様とって何かあるのか?」

 

 

東雲が佐藤に言うと資料を机に置き東雲が座る机に向き直り反論し始める

 

 

 

「そんな事はありません!!

私は彼女が我々大本営に害を為す存在だとーーー」

 

 

「あぁ、すまなかった

それもそうかグラーフツェッペリンを購入しようとしたのはお前と村山だったもんな?」

 

 

「ーーえ?」

 

東雲の発言に他の元帥や大将達が顔を見合わせながらヒソヒソと話始め

東雲はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら机に肘を付き佐藤を見下げていると佐渡は冷や汗をダラダラとたらしながら焦っている

 

 

「東雲大元帥何を……?

私は…そんなこと!!」

 

 

「ほう?しらばっくれるか?

実はな私もグラーフツェッペリンの取引に関して調べたんだよ

そしたら、興味深い事が分かってな

グラーフツェッペリンの取引時にかかった金額は手数料含めて約十万ユーロ

日本円で約一千万だ

だが、村山の口座からは七百万しか引き落とされていなかった

後三百万足りなくてな、お前達全員の口座の動きを調べたよ」

 

 

東雲が話していくと佐藤は汗を更に掻き始め口の中が乾燥しているのか近くの飲み物を一気に飲み干す

 

 

「そしたら何となぁ?お前の口座からドイツへ三百万振り込まれてるんだよ?

確か村山とお前は同期でいつか艦娘をペットにしたいとか言ってたみたいだな?」

 

 

「そ、そんなこと!私は言ってない!!

知らないぞ!」

 

 

「ほほう?まだ言うか?

おい矢矧(やはぎ)

 

 

東雲がそう言うと後ろから矢矧が静かに出てくると東雲に資料を手渡しそれを下段に居るもの達にばら蒔き渡していく

佐渡もそれを見るためにばら蒔かれた資料を取りに行き中身を見ると

 

 

「何だこれは!?」

 

 

「艦娘の解剖に薬漬け…他にもあるぞ

この男大麻や密売もやってるぞ!!」

 

 

それには佐藤がやってきた全ての悪事が書かれていた

それを急いで佐藤は広い集めようとするが他の元帥達に取り押さえられる

 

 

「は、放せ!!」

 

 

「黙れ!この恥さらし!!」

 

 

「こんな奴の言うことを聞いていたとは恥ずかしい!!」

 

 

東雲はニヤリと笑い指をならすと佐渡の後ろから五~六人の憲兵が出てくると直ぐ様佐藤を取り押さえ連行しようとする

 

 

「連れていけ」

 

 

「ま、待ってくれ!!

俺はやってない!!」

 

 

「黙れ!来い!」

 

 

「辞めろ!放せ!!

くそがぁ!このクソッタレ大元帥が!!」

 

 

佐藤は終始暴れていたが憲兵達が無理矢理連れていくと最後の一人が敬礼とお辞儀をすると会議室の扉が閉められ静かになる

 

 

「あー、楽しかった

ロシアに居たからああいうの出来なくてつまらなかったんだよねぇ」

 

 

東雲はそう言うと煙草に火を付けようと差し出すと矢矧がジッポで火を付ける

それと同時に後ろから灰皿を取り出し東雲の机に置く

 

 

 

 

 

 





次回

東雲と言う男

最近誤字報告をしてくださるのが本当に助かってます…(読み返してないから分からない)


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