艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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今回二人の艦娘と叢雲のお話になります
前編と後編に別れてます!




大演習会 前日 五

「あー楽しかったわ!!」

 

 

「夜ご飯も美味しかったな」

 

 

「あぁ……北上さんにあーん出来て満足したわ……」

 

 

夜、全員は東雲が用意した会場近くのホテルに泊まっている

艦娘と提督達は別けられておりこのホテルには艦娘とホテルの従業員と憲兵だけになっており廊下には憲兵が見張っている

憲兵が居るのは艦娘の誘拐を防ぐためである

食事を終えお風呂に入ろうとする為全員で移動していると目の前の廊下に背を預けながらある艦娘が叢雲達を待っていた

 

 

「ん?誰か居まーす?」

 

 

金剛がそれに気付くとその艦娘は小笠原メンバーの前に立ち塞がる様に廊下に立つ

 

 

「………何の用

『正義の戦艦』」

 

 

「久しぶりだな雷撃姫

お前に用がある少し時間を頂きたい」

 

 

立っていたのは長門だった

舞鶴鎮守府所属最強と言われる正義の戦艦圧倒的な戦績と志を持ち一体足りとも深海棲艦を逃がさない事から正義の戦艦と呼ばれ他の艦娘達の憧れと目標になっている

 

 

「嫌よ、あんたと話す事は無いわ」

 

 

叢雲達は長門を通り過ぎようとすると肩を捕まれ耳元で囁きかける

 

 

「今回の解体に関しての話だ」

 

 

「っ!!」

 

 

長門の話を聞くと叢雲は飛び退き長門を睨み付けると舌打ちをする

一方長門は古鷹を睨み付けるとそのまま叢雲達とは反対側に歩いていく

 

 

「……先に行ってて話してくるわ」

 

 

「…分かったわ

叢雲、気を付けてね?」

 

 

大井に言われると叢雲は長門に付いていくと金剛達は心配そうに叢雲の背中を見送る

 

 

「叢雲……何で長門の事あんなに嫌ってるんデース?」

 

 

「さぁ?私は知らないけど

あの二人かなり仲が悪いのよ

それこそ、水と油 犬猿の仲って感じでね

良く大本営では意見がぶつかり合うとかとあるらしいわ」

 

 

「でも、何でさっき古鷹さんを睨んでたの?長門さん」

 

 

「そうだな、叢雲なら兎も角何故古鷹何だ?」

 

 

「そうですね……いつか皆さんにお話しますよ

長門さんと叢雲が仲悪い原因は私ですから」

 

 

「「「「え?」」」」

 

 

古鷹に言われると全員は唖然としているが古鷹は静かにその場を後にしながら左目を押さえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪かったな、風呂の邪魔をしてしまって」

 

 

「そう思うなら早く用件を言って

私があんたを嫌ってるのは知ってるでしょ?」

 

 

長門と叢雲はホテルの外にあるテラスに出てきており周りには憲兵が居るのだが長門が指示を出すと憲兵は頭を下げホテル内に歩いていく

 

 

「今回のお前達の事は聞いている

負ければグラーフツェッペリン、大井、金剛、イムヤの解体

そして鎮守府の解体もな」

 

 

「それがなに?」

 

 

「あくまで気丈だな

そのルールが変更されたのは知っているか?」

 

 

「何ですって?」

 

 

叢雲が長門の言葉に驚いていると長門はテラスの端に行くと背中を預け腕組みをする

 

 

「どうやら、猿橋提督がその話を聞き付けてな

金剛、大井、イムヤの三人は別の鎮守府が引き受けるらしい

だから、実際に負ければ解体されるのはグラーフツェッペリンだけだ」

 

 

「……嘘ねそれだけな訳がない」

 

 

「察しが良いな

ここで大元帥は一つのルールを追加させた

それは三人の代わりに古鷹を解体すると言う条件だ」

 

 

「なんですって!?」

 

 

叢雲はその条件に怒りを隠せずに長門を睨み付け詰め寄る

 

 

「どう言う事よ!古鷹は今回の件には関係ない!!」

 

 

「藤谷元帥がな小笠原を解体するなら古鷹の解体を進めてきていてな

それを大元帥は承諾したらしい

それに彼女は『大罪人』だ

仕方ないだろう」

 

 

「ふざけないでよ!古鷹は何の罪も犯してない!!」

 

 

「だが、彼女は自らの罪を認めている

だから小笠原に居るのだろう?」

 

 

長門に言われると歯を食い縛りながら必死に手を押さえていると長門はため息を付く

 

 

「正直、この話をしたのは次の話を理解してもらう為だ

 

 

「……何よ?」

 

 

「私はお前の実力を志を全てを認めている

戦艦棲姫戦と歴戦のル級戦の時私は確信した

お前なら私の右腕に

嫌、相棒として相応しい

だから」

 

 

長門はそこまで言うと叢雲に手を差し出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が鎮守府に来い叢雲

私にはお前が必要だ」

 

 

 

 




次回

ヘッドハンティング

長門が叢雲を勧誘する理由そして叢雲はそれを受け入れるのか……
犬猿の仲である二人が激突し続ける理由とは?


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