艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

275 / 594
大演習会 VS北上編

「お次の対戦カードは!

どちらも圧倒的な実力で一回戦を突破した二つの鎮守府!

小笠原VS佐伯だぁ!!」

 

 

恵比寿が叫ぶと会場は歓声が響き渡り叢雲達と北上達がお互い入場口から出撃し整列する

 

 

「やっほー叢雲ー

おっひさー」

 

 

「えぇ、久しぶりね

北上さん

かなり腕を上げたようね?」

 

 

「あはは、そんなことないよー

でも負けるつもりはないからねー」

 

 

叢雲と北上は握手をするとお互い離れていくが北上がチラッと大井を見ると微笑み口パクで

(負けないからね)

と言っており大井も気合いを入れ直す

 

 

「では!対戦カードの編成を発表しちゃうぞぉ!!

まず小笠原鎮守府!

 

旗艦 駆逐艦 叢雲

重巡 古鷹

軽巡 大井

戦艦 金剛

潜水艦 伊168

正規空母 グラーフツェッペリン」

 

 

「次に佐伯鎮守府!

旗艦 軽巡 北上

戦艦 比叡

重巡 足柄

正規空母 蒼龍(そうりゅう)

駆逐艦 霞

駆逐艦 吹雪

 

の以上になります!」

 

 

恵比寿がテンションを上げながら説明すると両者ともに緊張しているが叢雲と北上は睨み合いながら艤装の確認をしている

 

 

「負けないよ、雷撃姫」

 

 

「悪いわね潰させて貰うわよ」

 

 

二人が挨拶を終えると大淀が挨拶の砲撃をしようと準備していると全員身構える

 

 

「対戦………開始!!!」

 

 

大淀が空砲を撃つと同時にイムヤは潜水し蒼龍とグラーフが艦載機を発艦させる

 

 

「攻撃隊出撃!!」

 

 

「やっちゃって!!」

 

 

蒼龍とグラーフの航空戦が始まる最中初戦と同じように金剛と大井が北上の艦隊に二人だけで突っ込んでいく

 

 

「行くデースよ!大井!!」

 

 

「分かってるわよ!!」

 

 

「さってとこっちも行こっかー?」

 

 

「「「「了解!」」」」

 

 

突っ込んでくる金剛と大井を避けるように足柄、吹雪、霞が離れ北上と比叡が二人に対峙する

 

 

「んじゃ、大井っち行くよー?」

 

 

「お姉さま!行きますよ!!」

 

 

突っ込んでくる二人を対峙している中離れた足柄達は叢雲と古鷹に向かっていく

 

 

「いっくわよー!二人共!」

 

 

「はい!」

 

 

「やってやるわよ!」

 

 

叢雲と古鷹に突っ込んでくる三人を見ているの古鷹が前に出る

 

 

「叢雲は下がってて一人でやるよ」

 

 

「大丈夫、古鷹?」

 

 

「へーきだよ!それに大将は最後でしょ?」

 

 

古鷹はハニカミながら言うと主砲を展開すると深く溜め息をつくと目を閉じる

 

 

「一人!?舐められた物ね!!」

 

 

霞が古鷹一人が相手をしようとするのが気に食わないのか足柄より先に突っ込んで来ており左手に付けた単装砲を構えている

 

 

「ちょっと霞!気を付けなさい!

相手はあの叢雲の相棒よ!」

 

 

「目を閉じてるし一人よ!!

大したことないわ!!」

 

 

霞が主砲を砲撃するとその砲撃は放物線を描くように古鷹に吸い込まれていくが古鷹は動かず一人言を呟くように静かにしている

「相手の行動を読め、言葉を理解しろ、そして私ならどう動くかを予測せよ……」

呟くと古鷹は静かに目を開けると目の前に霞の砲撃が迫って居るが焦らずに落ち着いている

 

 

「敵は三人、一人は固いけど二人は行ける……」

 

 

すると古鷹は少し横にずれると霞の砲撃を避け肩に回っている主砲をゆっくりと足柄に向ける

 

 

「避けられた!?

くそっ!それなら……」

 

 

「っ!霞!気を付けなさい!」

 

 

足柄が叫ぶと古鷹は再び深く息を吐くと目の前の三人を睨み付ける

 

 

「………これぐらい出来ないとね

行くよ!!!」

 

 

瞬間古鷹は一気に加速すると迫ってくる三人に距離を詰める主砲を足柄に集中させる

 

 

「嘘!近接戦!?

霞、吹雪気を付けーー」

 

 

と足柄が注意をしようとするがその瞬間古鷹は足柄に向け主砲を二つ同時に砲撃するとその反動で足柄は後ろに倒れると霞と吹雪が古鷹を睨み付ける

 

 

「…まず一人

次」

 

 

「こんのぉ!!」

 

 

「良くも足柄さんを!!」

 

 

二人は近付いてきた古鷹に主砲を向けるが古鷹は落ち着きながら水面を蹴ると水が二人をかかり二人とも咄嗟にそれを避けようとするが古鷹はその瞬間を逃さず吹雪に主砲を押し当て0距離で砲撃を当てる

 

 

「グフッ!!」

 

 

当てられた吹雪は飛ばされていくがそれと同時に足に付けた魚雷を撃ち更に追撃すると吹雪は避けられずに全弾命中し艤装と身体がボロボロになってしまい立ち上がろうとするも艤装が爆発を起こし動けなくなる

 

 

「吹雪!戦闘不能!」

 

 

大淀の合図と共に歓声が上がる中残された霞は古鷹を睨み付けるがそんなことを気にしていない古鷹は呟く

 

 

「残り一人」

 

 

「こんのぉ!!」

 

 

霞はここでやけになってしまい何も考えずに近くに居る古鷹目掛け砲撃をするが全て避けられてしまいそのまま古鷹はゆっくりと主砲を霞へと向ける

 

 

「ごめんなさい、倒させて貰いますね」

 

 

「随分と余裕ね!」

 

 

古鷹の言葉に更に怒りを隠せずに霞は魚雷を放とうとするがその瞬間に古鷹は左右に動きだし霞を翻弄すると足下に主砲を当て水柱で自らを隠す

 

 

「またか!………ってあれ?」

 

 

水柱が晴れた後そこに古鷹の姿はなく思わず周りを見渡すが頭に冷たいものを押し付けられると背筋を凍らせる

 

 

「チェックメイトです霞さん」

 

 

「……あはは

私のミスね……

後で皆に謝らないと…

降参です」

 

 

「霞!戦闘続行不能!」

 

 

その瞬間歓声が上がり古鷹は溜め息を付くとゆっくりと足柄が立ち上がる

 

 

「まだ……終わって…無いわよ!!」

 

 

「いえ、終わりですよ

ね、イムヤさん」

 

 

足柄が主砲を古鷹に向けた瞬間下から来た雷撃に巻き込まれ足柄の艤装が爆発を起こす

 

 

「なっ……一体どこから!?」

 

 

驚きながら水中を覗くとそこにはイムヤが魚雷を構えており確実に足柄を狙っていた

 

 

「しまっ…た…潜水艦…」

 

 

 

その事を忘れていた足柄はそのまま倒れ気絶してしまうと大淀が再び判定する

 

 

「足柄、戦闘不能!!」

 

 

大淀の判定後会場が沸き立っていると古鷹は叢雲に近付くとハイタッチを交わす

 

 

「流石ね古鷹」

 

 

「叢雲程じゃないけどね」

 

 

「さてと、グラーフはどうかしら?」

 

 

叢雲がグラーフと蒼龍を見ると蒼龍の飛行甲板が全て破壊されておりこちらに親指を立てているのを確認する

 

 

「蒼龍!戦闘続行不能!」

 

 

「うぅ……ごめんなさい皆……」

 

 

「我々も負けてられないからな」

 

 

グラーフはその言葉と共に叢雲の元へ向かっていくと二人とハイタッチをする

 

 

「流石ねグラーフ」

 

 

「すごいです!グラーフさん!」

 

 

「まだまださ、後でエアに何か言われそうだがな」

 

 

「さてと、後はあの二人ね……」

 

 

叢雲達が金剛と大井を見るとかなり苦戦を強いられている様子だ

 

 

 

 

 




次回

二人の連携

次回、佐伯最強の北上と激戦を繰り広げます



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。