艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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新人 男嫌いの軽巡 六

 

 

「相変わらず自分勝手ですよね、提督は」

 

 

「良いだろー?何か不便な事させたか?」

 

 

「いえ、全く」

 

 

「ほんと、毎回その態度には呆れるわ」

 

 

二人はいつもの事と理解しているが、この時大井には全くといってその命令の意味が分からなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四人は、食事を終え、再び提督室に集まっていた

叢雲もいつもの仕事服(制服)に着替え佐渡の机の前に整列している

 

 

「今日は、古鷹、叢雲は哨戒任務

大井は……とりあえず書類整理を手伝ってくれ」

 

 

「はい!」

 

 

「分かったわ」

 

 

「分かりました!」

 

 

古鷹と叢雲は、二人揃って提督室を後にすると、部屋には佐渡と大井の二人きりになる

だが、ここで大井の変化に気が付いた

 

 

「ん?大井?寒いのか?」

 

 

小刻みに、肩を震わせて顔を下に向けている

佐渡に、呼び掛けらるとハッとして直ぐ様顔を上げ、佐渡を見る

 

 

「い、いえ!何でもありませんよ!!」

 

 

「そうかぁ?そうは見えないんだけどなぁ……」

 

 

佐渡は、椅子から立ち上がり、大井に近付こうとするが、大井は佐渡が近付くと後退り、距離を取ろうとする

 

 

「ほ、本当に大丈夫です!!」

 

 

「……そうは見えんのだが?」

 

 

大井は、提督室の扉まで追い詰められると、佐渡にデコを触られる

その瞬間ビクッと身体を震わせる

そして、そのままうつむき、全身を震わせる

 

 

「おいおい、本当に大丈夫かよ?

何かさっきより、体調悪そうだぞ?変なのでも食べたか?」

 

 

そして、佐渡はデコから肩に触れると、大井の震えが止まり、身体をわなわなと震わせる

 

 

「震えが止まったか、大井大丈夫…」

 

 

「……るな」

 

 

「ん?何か言った…」

 

 

佐渡は大井の顔を覗きこもうとするが、大井が一気に顔を上げる

その瞳は、佐渡を睨んでおり、先程の態度からは考えられない程に怒りに満ちていた

 

 

 

「私に!!触るなぁ!!!」

 

 

瞬間、大井の右ストレートが佐渡の頬に向かって飛んでくる

 

 

「あっぶな!!」

 

 

佐渡は、その瞬間に右ストレートを手で受け止めるが、次は右横腹に鈍い痛みが走る

 

 

「この!!くそったれ!!性欲野獣がぁ!!!」

 

 

「グハァ!!」

 

 

大井の蹴りは中々に強く、流石の佐渡も不意を突かれ、その場に座り込んでしまう

 

 

「おいおい、大井さんやどうし…」

 

 

佐渡が、腹を抱えながら、大井を見上げるが大井は既に脚を振り上げ、踵落としの体制を取っている

 

 

「死ねぇ!!!」

 

 

「わーお、ピンクか

良いもの見たな」

 

 

大井の振り上げた脚で捲れた、スカートの中身を確認しながら、踵落としを左腕で止める

大井は、相変わらず佐渡を睨んでいるが、佐渡は冷静にその状態を楽しんでいる

 

 

「大井さんや、そろそろ下ろさないと俺写真撮っちゃうよ?」

 

 

佐渡は右ポケットから、スマホを取り出し、大井のスカートの中身を撮影しようとすると大井は直ぐ様、振り上げた脚を下ろし、スカートを手で押さえながら、佐渡を睨み付ける

 

 

 

「変態!!!」

 

 

 

「認めよう、俺は変態だっ!!

って、見せてくれたのはそっちじゃないか?」

 

 

大井は睨み付けながらも、顔をほんのりと赤くしており恥ずかしそうだ

一方、佐渡は右横腹を軽く擦りながら、よっこいしょと立ち上がる

 

 

「これだから、男は嫌いなのよ……」

 

 

 

「やっと本性現したなぁ?

男嫌いの猫被りレズ娘?」

 

 

 

大井プロフィールリストの最後欄

彼女の移動理由

 

 

提督兼その他の男性職員に対する過剰な防衛

又、海軍上層部、男性二人への暴行

 

 

この者を小笠原鎮守府へと島流しにする

 

 

 

 


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