艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大演習会 VS北上編 決着

「悔しいな……まだ大井っちに追い付けないんだ…… あはは…」

 

 

北上は悔しそうに震えながら乾いた笑いをしていると大井はその北上の肩を叩くと手を取る

 

 

「そうですよ、まだ追い付かせませんからね

北上さんは私が守るんです

先程北上さんは私だけって言ってましたけど

今の北上さんには私以外にもあるんじゃないですか?」

 

「え?」

 

 

北上が立ち上がると後ろから吹雪と霞が突っ込み二人に挟まれながら抱き締められると苦しそうにしておりその後ろから足柄がこちらに向かってきている

 

 

「北上さーん!大丈夫ですか!?」

 

 

「ごめんなさい!私達が油断したからやられてしまって!!」

 

 

「おうふ、分かったから引っ付くなー

うざいうざいー」

 

 

北上はうざそうに二人を引き剥がそうとしていると落ち込みながら足柄が北上へ頭を下げる

 

 

「ごめんなさい……油断してしまったわ…

それよりも北上さん大丈夫?」

 

 

「ううん、仕方無いよ

相手がやっぱり悪かったねー

大丈夫だよー」

 

 

北上が全員を宥めているとその光景を見ながら大井は微笑みながら笑っている

 

 

「貴女には既に素晴らしい仲間が居るじゃないですか?

あの頃と違って自分だけじゃなくて他の艦娘をしんぱいしてくれる素晴らしい仲間が」

 

 

「……うん、そうだねあの頃とは違うね

今は二人だけじゃないんだね…」

 

 

北上は大井と再び手を取ると握手を交わす

 

 

「次は負けないからね大井っち」

 

 

「次も勝たせて貰いますよ、北上さん」

 

 

二人が握手を交わすと再び歓声が上がりお互い微笑むと大井は叢雲達へ戻っていく

 

 

「お疲れ様、流石ね大井」

 

 

「貴女ほどではないけどね…

ありがと」

 

 

「疲れたデース……」

 

 

「お疲れ様です、金剛さん」

 

 

大井と金剛が三人と合流すると水中からイムヤが顔を出すと周りを警戒する

 

 

「あれ?終わった?」

 

 

「あぁ、ナイスファイトだったぞイムヤ」

 

 

「そっちもねグラーフ!

水中からだけど蒼龍の飛行甲板破壊されたのは見えたからね」

 

 

グラーフとイムヤはハイタッチをすると古鷹がイムヤに近付きハイタッチを交わす

 

 

「援護お見事ですイムヤさん」

 

 

「あれぐらい余裕よ!水中のスナイパーだからね!!」

 

 

沸き上がる歓声の中へ全員は各々来た出入口に戻っていくとその光景を観客席である二人組が見ていた

 

 

「古鷹……あんなに強くなってたのか……」

 

 

「古鷹さん…凄い…

あの頃何かより遥かに強くなっている…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆お疲れ様!残念だったわね!」

 

 

佐伯の艦娘達が戻ったとき艤装置き場に堂々と葛城が入ってくると満面の笑みを浮かべていた

 

 

「ごめんなさい、提督……」

 

 

「……ごめん」

 

 

「ごめんなさい提督…最高の勝利をあげられなかったわ……」

 

 

吹雪、足柄、霞が反省しながら葛城に謝っていると葛城は吹雪と霞の頭を撫でながら優しく笑う

 

 

「仕方無いわ、相手が強すぎるのよ

本当、あそこの鎮守府可笑しいわよね……

ほら皆で甘いもの食べに行きましょ?」

 

 

三人は落ち込みながら艤装置き場を後にするとそれを目で追いながら葛城は溜め息をつく

 

 

「提督、ごめんなさい比叡が……」

 

 

「ひぇ~……」

 

 

比叡は未だに眼を回しており蒼龍に抱えられており蒼龍も困った顔をしていると比叡の頭を撫でながら微笑む

 

 

「全く困った娘ね……

仕方無いわ蒼龍、比叡を医務室へお願いね」

 

 

「ごめんなさい…ほら比叡行くよ?」

 

 

「ひぇ~……お姉様容赦無さすぎです~…」

 

 

蒼龍が溜め息を付きながら比叡を運んでいくと北上だけは一人艤装置き場に座りながらぼーっとしている

 

 

「北上さん?行くわよ?」

 

 

「え!?あ、ごめん提督ー

先いっててー

ちょっち疲れちゃってさー…あははー」

 

 

北上はへらへらしていると葛城が北上の前に立つと両手を広げるも北上は首をかしげる

 

 

「どしたの?提督?」

 

 

「今なら私しか居ないわよ?北上さん?」

 

 

「…………ごめん」

 

 

すると北上は葛城の胸に抱き付くと葛城も抱き付いてきた北上の頭をゆっくりと撫でる

 

 

「お疲れ様、北上さん」

 

 

「うん、ごめん提督勝てなかった

提督の為に私の為に大井っち勧誘したけど駄目だった」

 

 

「うん、知ってるよ

大丈夫貴女は嫌われてないわよ

彼女も何かあるのよ」

 

 

「悔しいよ、提督

勝ちたいよ…小笠原に大井っちに」

 

 

「そうね、次は絶対倒しましょう?」

 

 

「ごめんね……私のワガママ聞いてもらってそれを達成できない役立たずで」

 

 

「そんなことないわ

貴女はうちのエースなんだからもっと胸を張って?」

 

 

葛城が慰めていると北上は胸の中で声を押し殺しながら泣き始め葛城は眼を閉じながらゆっくりと頭を撫でる

 

 

「ごめんね……ごめんね…

私エースなのに……一番強いのに……

私のせいで……負けちゃった…」

 

 

「そんなことないわよ

大丈夫よ」

 

 

「でも、動かせなかった……雷撃姫を…

ごめんなさい…」

 

 

「そうね…動かなかったね……

次はアイツを動かして倒しましょ?」

 

 

艤装置き場に北上の泣き声が木霊すると葛城は強く北上を抱き締めていた

その廊下で足柄達も密かにその話を聞いていながら唇を噛み締めながら悔しがっていた

 

 

「次は勝ちましょ、皆

小笠原に」

 

 

足柄が小さな声で言うと全員こくんと力強く頷き打倒小笠原を密かに誓うのであった

 

 

 

 

 





次回

小笠原VS沖縄

次回阿武隈と瑞鶴が所属する沖縄と小笠原が激突します

何で瑞鶴と翔鶴出ないのよぉ!
空母レシピで資材溶かしたアホ提督がこちら




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