先程の潮と少し雰囲気が変わったことに気付いた叢雲は少し警戒はするが潮に突っ込み主砲を構えるのだか先程より潮はかなり落ち着いており
(……妙ね、突然変わった?)
少し違和感を覚えながら主砲を向ける
「瑞鶴さんの為にも…皆の為にも…負けない!!」
「っ!!」
突然逃げてばかりだった潮は叢雲目掛けて突っ込んできており連装砲を向け砲撃してくる
何とかそれを避けると次は脚の魚雷発射管を叢雲に向ける
「えーい!!」
「やば」
叢雲は先程の潮の攻撃で体制を崩しておりふらついているため雷撃を避ける術が無い
だがその顔は微笑んでおり潮を睨む
「へぇ?さっきとは別人ね」
「当たれぇぇぇ!!」
潮が雷撃を放つと叢雲は持っている艤装を水上に突き刺し体制を立て直すと宙を舞い主砲を潮へと向ける
「でも、悪いわね
貴女に負けているわけには行かないのよ!!」
「それはこちらも同じです!!」
対する潮も宙に舞っている叢雲目掛けて連装砲を構えお互い同時に砲撃をすると弾同士がぶつかり爆煙が上がり二人を包む
(阿武隈さんに言われた雷撃姫、叢雲さんの得意とするのは近接砲撃戦闘それに加えその自らの身体を生かした連続攻撃
なら恐らくこの爆煙が晴れた瞬間にーーー)
と潮が考察していると腹部に鈍い痛み熱が走る
「ぐぅ!!」
「悪いわね、煙に巻かれていようとも貴女の居場所は分かるのよ」
叢雲は爆煙の中で正確に潮の居場所を捉え腹部へ0距離の砲撃を放ち爆発と共に水上を転がり爆煙の外へと放り出される
「まだ……まだ!」
腹部の痛みを堪えながら連装砲を構えると叢雲が爆煙の中から走り抜けてきており主砲で潮を捉えている
(これを外したらやられる!!)
「当たってぇぇ!!」
潮は叫びながら連装砲を叢雲の右主砲に当てるように撃つが叢雲はその射線に気付き右主砲から砲撃し潮の砲撃を相殺し爆煙に包まれる
「良し!当たっーー」
そこで潮は油断し連装砲を離しその瞬間叢雲が爆煙から左主砲を突きだし潮を捉えるとニヤリと笑う
「油断したわね、貴女の負けよ」
「しまっーー」
気付き応戦しようとするが連装砲を離しておりそのまま叢雲の主砲が直撃したのだが当たったのは胸に下げていた連装砲であり潮には当たっていなかった
「良かったこれなら……」
潮は慌てて連装砲を構えるのだがその目の前には既に叢雲が腰の主砲で潮を捉えていた
「ぁ」
「少しは楽しめたわよ」
それと同時に両方の主砲から砲撃されると潮は吹き飛ばされ水上を何回かバウンドしそれと同時に潮の艤装が爆発を起こし意識が途絶えてしまう
「潮!戦闘不能!!」
「潮ちゃん!?」
倒された潮を心配し阿武隈が駆け寄ろうとするがその背後で古鷹が二つの主砲を阿武隈へ向ける
「阿武隈さん、油断は駄目ですよ?」
「しまっ!!」
阿武隈は油断しており古鷹の砲撃を避けきれずに直撃してしまうがまだ艤装は動かせており古鷹へ向き直るのだが
「馬鹿ね、相手は一人じゃないわよ?」
その声と同時に背中に激痛が走り頭だけ後ろへ向けるとそこには叢雲が近くまで接近しており主砲が煙を上げている
「いつの…間に…」
「悪いわね、貴女を早めに倒さないと私達に勝機がないからね」
その言葉と同時に叢雲は阿武隈を足払いし体制を崩すと後ろへ飛ぶと右手に魚雷発射管から雷撃を放ち阿武隈へ直撃させると阿武隈は水柱に包まれそれと同時に艤装が爆発を起こす
(ごめん……瑞鶴…提督…)
それと同時に倒れ気絶してしまう
「阿武隈!戦闘不能!!」
「ナイス、叢雲」
「そっちこそ、相変わらずね
さてと向こうもーーー」
と叢雲が他の三人に目を向けようとした瞬間大淀から判定が入る
「大井!金剛!妙高!戦闘不能!
龍驤!グラーフツェッペリン!行動不能!!」
「え!?」
古鷹が驚き他の三人を見ると大井と金剛の艤装が破壊されておりグラーフは飛行甲板を破壊され動けなくなっていた
「ごめん…二人とも…」
「ごめんなさーい!叢雲ー!」
「くっ……すまない…」
三人を戦闘不能にし沖縄側は残り霧島と瑞鶴を残すのみとなっているが瑞鶴に関してはほとんど傷を負って居なかった
「叢雲ぉぉぉぉ!!」
「……やっぱり残ったわね、瑞鶴」
次回
鶴の一撃
次回残された沖縄組と叢雲達が激突します
戦闘シーンになると書くのが捗り過ぎて困る……