「まさか、こうなるとは思わなかったわ
正直私がやられて阿武隈と貴女が戦うと思ってたもの」
「あら?そうなの?
私は最初からこうなると思ってたわよ?」
二人は睨み合いながら艤装を少し動かし動作を確認する状況的には叢雲の方が不利でもある
相手は正規空母に対して叢雲は駆逐艦そもそも戦いのスタイルが真逆だからである
「
「……プッ、アハハハ!!」
だが、叢雲はその瑞鶴の言葉に笑いを隠せず腹を抱えて笑っていると瑞鶴が苛ついたのか更に叢雲を睨み付ける
「何が可笑しいのよ!?」
「
「……ぇ?」
瑞鶴は叢雲の言葉に驚きを隠せず撃破した小笠原メンバーを見ると確かに大井、金剛、グラーフ、古鷹の四人と無事の叢雲
一人足りない
(でも水上には誰も……
しまった!!)
次の瞬間瑞鶴の足下に雷撃が命中し体制を崩すと水中を良く見るとそこにはイムヤが雷撃を構え瑞鶴を狙っていた
「忘れていた……イムヤさん!!」
「悪いわね!瑞鶴!あんた達の負けよ!!」
水中ではイムヤが次の魚雷を艤装から取り出し静かに瑞鶴を狙い水上では叢雲が瑞鶴に近付く為距離を詰めてくる
「くっ!このぉ!!」
(やらせないわ!)
瑞鶴が弓を引こうとするタイミングでイムヤも魚雷を発射させると直撃し瑞鶴の体制を崩させる
「くそっ!厄介ね!
まずはイムヤさんをーー」
「水中ばっかり気にしてたら私にやられるわよ!!」
その隙に近付いていた叢雲は主砲を瑞鶴へ向けると瑞鶴は慌ててそれを避けようとするがイムヤがそれを逃がさずまさに水中と水上の挟み撃ちになっていた
「私は……負けないんだからぁ!!」
瑞鶴は何とか弓を引き矢を放ち叢雲に艦載機を当てるのだが叢雲はそれを全て撃ち落とすと瑞鶴の懐に入り込む
「さてと、覚悟しておきなさい
瑞鶴!!」
「っ!駆逐艦の癖に!生意気よ!!」
叢雲はその瞬間に主砲を瑞鶴の腹部に押し当てると砲撃を直撃させると瑞鶴の腹部に鈍い痛みが走るが無理矢理それを抑えて弓を引き絞り空へ艦載機を飛ばす
「今更遅いわよ!!」
「どう…かしら…ね!!」
瑞鶴は苦し紛れに放った様に思えるが空に放った艦載機は古鷹の時と同じ様に叢雲の真上を捉えると急降下してくる
「先に倒す!!」
「耐えて見せるわ!!」
叢雲はその瞬間に主砲二門を瑞鶴に押し当てながら砲撃すると瑞鶴は鈍い痛みを耐えながら何とか飛行甲板を守るが全身痛みが走り身体はボロボロになっていく
「あんた、やるじゃない!」
「負けないんだから……絶対に!!」
叢雲は焦りを感じながら主砲を当てていくが瑞鶴はギリギリの所で耐えており瑞鶴の艦載機が射程範囲を捉えてしまう
「時間切れよ!叢雲!!」
「くっ!不味い!」
空を見上げると艦載機が直ぐ側まで来ており叢雲は逃げようと瑞鶴から距離を取ろうとするのだが艦載機はしっかりと叢雲を捉えている
「これで!終わりよ!
急降下爆撃!」
「やば、これ耐えられるかしら…」
半分叢雲は諦めていると水中から魚雷が三本飛び出してきており慌ててしゃがむと艦載機の爆撃に直撃し誘爆を引き起こす何とか瑞鶴の攻撃を防ぐ
「嘘でしょ!そんなことできるの!?」
「ふふ、流石は魚雷の扱いには馴れてきたみたいね
良い命中率よ」
叢雲は水中を見るとイムヤが親指を立てており叢雲もそれを返すと指で指示をするとイムヤと叢雲が動き始める
「さてと、終わりよ!
瑞鶴!!」
「まだ、弓は残っているだから!!」
弓を引き絞る瑞鶴の目の前に水中から魚雷が飛び出し叢雲はそれを撃ち抜き誘爆させると瑞鶴の弓が損傷すると同時にイムヤは水中で艤装に入ってる魚雷を全弾瑞鶴に向けて放つ
(終わりよ!瑞鶴さん!!)
「くっ、まだまだ!!」
「いや、終わりよ貴女の」
瑞鶴が諦めずに弓を引こうとするが叢雲は既にその爆煙に紛れ瑞鶴の懐に入り込み主砲を瑞鶴へと当てると体制を崩すと同時に自分の魚雷を瑞鶴へむけ放つ
(「沈めぇ!!」)
「くそぉぉぉ!!!」
体制を崩した瑞鶴は立て直そうとするが間に合わず叢雲とイムヤの挟撃雷撃が当たり水柱を上げ爆発する
しばらくすると水柱が無くなりイムヤが叢雲の側に浮上すると瑞鶴の弓と飛行甲板は破壊されており本人は水上に倒れていた
「瑞鶴!戦闘不能!!
勝者、小笠原鎮守府!!」
大淀の判定が入ると会場中が歓声と拍手に包まれ叢雲とイムヤはハイタッチを交わす
「流石ね、イムヤ」
「まぁね、イーちゃん達に鍛え上げられたから当然よ!」
次回
殺人鬼の気紛れ
これで、Aブロックでの死闘が終わり次はある鎮守府達との決戦になります!
やっとこの章も半分終わった…