叢雲達が本島で戦いを繰り広げる中実は小笠原でも深海棲艦達の戦いが繰り広げられていた
ソラとイーちゃんは留守番を頼まれておりソラが少し外の哨戒をしている間に起きた死闘
イーちゃんは食堂の扉の前でじっと三体の深海棲艦を睨み付けながらその場を守っていた
「退ケ駆逐艦」
その筆頭はソラの艦隊に所属する戦艦ル級であり他にはソラと同じリ級と空母ヲ級がイーちゃんの前に立っており食堂へと入ろうとしているのだがイーちゃんがそれを防いでいた
「おうおう、お前らそんなところで何してやがるんだ?」
「親方様、ドウモデス」
「親方で良いぜめんどくさいしな
んで、何だこの状況は?」
すると親方が新しく開発した小型飛行機にて食堂の入り口廊下で揉めているル級達を目撃し向かってきている
「
「おう?イーちゃんか、何で邪魔してるんだ?」
親方の言葉に気付いたイーちゃんは廊下にある時計と張り紙を交互に見ると再びα達を睨む
「あー……そう言うことか
おい、お前ら後二時間待機したら入れるぞ」
「ドウシテダ?」
「ほら、張り紙に書いてあるだろ?
1200と1800まで入室禁止って多分それだ
それに勝手に食堂入って食べると提督に怒られるぜ?」
「成ル程、α出直ソウ」
親方に理由を説明されヲ級とリ級はその場を去ろうとするのだがαと呼ばれたル級だけは頑なにそこを動かずイーちゃんを見下ろしている
「断ル」
「何?」
「私ハ今食ベタイノ
ダカラ断ル」
「辞メロ、ココデノ争イハ後デ姫様ヤソラ二怒ラレル」
「ソウダヨ!ココデ問題ヲ起コスト怒ラレルンダヨ!!」
二人の静止を聞かないαは食堂の扉に手をかけるとイーちゃんが口を開き中にある主砲を向けると手を止める
「オ前ゴトキガ私ヲ止メル気カ?
怪我シタクナケレバソノ主砲ヲ仕舞エ」
αの忠告を聞かないイーちゃんは主砲を向けたままじっと顔を睨みながら待っており扉を開けようと少し動かした瞬間顔面目掛けて主砲を放ち慌てて避ける
「ホホウ?立テツクノカ?駆逐艦ノ癖二」
イーちゃんの主砲を避けたαは戦闘体制を取ると飛び掛かり捕縛しようとするがそれを避け再び顔面に主砲で模擬弾を当てると顔が墨で真っ黒になる
「コノ!チョコマカト!」
αは捕縛しようとするのだが、それを華麗に避けつつ全身に模擬弾をぶつけていき墨で白い身体が真っ黒に染まりつつある
「辞メロα!ソノ駆逐艦ハ叢雲ノ指南ヲ受ケタ奴ダ!」
「ソウダヨ!辞メヨウヨ!怒ラレタクナインダケド私!!」
「おいおい……やるなら外でやれってんだよ……」
二人の攻防が始まると親方は溜め息を付きながら何処かへ飛び去ってしまい廊下には四人だけになってしまう
「……αト戦ッテルナラ今ノウチ?」
「チョット
親方が居なくなったのを確認するとヲ級がこっそりと食堂の扉を開けようとするがイーちゃんはそれに気付きβと呼ばれたヲ級目掛けて主砲を放ち頭に直撃させる
「良イ……命中率…ダナ…」
βは当たり所が悪く気絶してしまうと廊下に倒れてしまいイーちゃんも誇らしくしているとその後ろからαに捕まる
「ヤット捕マエタゾ!ハハハ!!」
αに捕まったイーちゃんは慌てふためき暴れて脱出しようとするがガッチリと掴み横腹に抱えながら食堂を開けようとする
「フフフ……コレデ佐渡様ノ料理ヲ一人占メ……
誰モ私ハ止メラレナイ!!」
すると不意にαの肩を誰かが掴み先程の戦闘で疲れているαは苛つきながら振り返る
「何ダ!
「誰も止められない?何を言ってるですかね貴女は?」
哨戒に出ているはずのソラがαの肩を掴み笑顔なのだがかなり恐く顔を青ざめ冷や汗をかき慌てるとイーちゃんを離す
「ア、エット、ソノー……
食堂二忘レ物ヲシテデスネ!!」
「嘘つくなお前は」
「チョット!親方様!?」
「ほーう?嘘ですか?
ではα、お前は何をしようとしていたのですか?」
親方がいつの間にか戻ってきておりαは慌てて誤魔化そうとするがソラは足下で主砲を向けていることに気付きαを睨む
「……勝手に食堂入って佐渡様の作ったカレーを盗み食いしようとしましたね?」
その言葉にビクンッと身体を震わせるとソラは直ぐ様αの襟を掴むと
「成敗!!」
「グフッ!!」
そのまま廊下に背負い投げをすると投げられたαは伸びてしまい溜め息をつくと指を指す
「γ!貴女は規則を破っていないので多目に見ましょう!
ただし!ここを綺麗にしておきなさい!良いですね!!」
「ハイ!ソラ様!!」
γと呼ばれたリ級は直ぐ様廊下を走っていくとソラはイーちゃんと親方に頭を下げる
「申し訳ありません不出来な部下で後でキツイお仕置きを致しますので」
「まぁ、うんお前も大変なんだな」
「えぇ……中々にですよ…
イーちゃん様も申し訳ありません
番人をするのでしたらどうぞ毛布です」
ソラに渡されたイーちゃんは毛布に乗ると身体を動かし見事にくるまりそれを見ると二人の首根っこを掴みズルズルと廊下を引きずる
「あ、親方様
明日辺り工厰を少しお借りできませんか?」
「構わねぇけど、何するんだ?」
「ちょっとこの馬鹿二人のお仕置きとして使わせて頂きたいのですよ
やるときになったらまた言わせて頂きますので」
「お、おう?分かった」
ソラは親方と共に廊下を歩いて行くとイーちゃんは安心して毛布の中にくるまりながらアクビと共にぐっすりと寝てしまう
次回
優勝候補
最近、艦隊を動かしまくるせいで資材がどんどん無くなっていく……
明石来ないなぁ……