提督室、ソファーに向かい合う様に二人は座っていた
一人はそっぽを向きながらお茶をすすり
一人は煎餅を食べながら、その女の子を見ていた
「なぁ、それ疲れないか?」
「貴方に心配される必要はありません
とりあえず口を開かないでください
空気が汚れます」
こりゃ、叢雲より手厳しなと佐渡は感じながらスマホを取り出す
さっきとうって変わった性格をしている大井
いつもは、猫を被り良い子のふりをしており、怒りだすとこう中身の性格を出すらしい
彼女が、ここに飛ばされた理由の大きな要因はこの男嫌いだ
どうやら、後から大淀さんから聞いて話によると、大井とは男嫌いの傾向があるらしいのだが、彼女は歴代の大井より別格と言うほどに男嫌いらしい
提督は基本的に男であることが多く、彼女はどこに移動になっても触られた提督を殴る蹴る等の暴行をしてしまい正直手に余るらしい
だからと言って、解体するわけにも行かずここに飛ばされた訳だ
「そっか、じゃあピンク色の下着をSNSに流すわ」
「撮ったんですか!?
寄越しなさい!!」
大井は、佐渡からスマホを取り上げようとするが、ひらりと交わしスマホをズボンにしまう
「それが嫌なら質問に答えてもらおうか?
猫被りの大井さん」
「……良いわよ
その代わり、消しなさいよそれ
あと、猫かぶりって呼ばないで」
呆れと言うよりは悪態を付きながら、ソファーに座り直し、再びお茶をすする、大井を余所に佐渡は先程の大井の下着写真を消す
「あーあ、もったいねぇなぁ
もう少し見ていたかったぜ」
「貴方……本当にここの提督なのですか?
ただの、下着写真趣味の変態野郎にしか見えないのですが」
「ところがどっこい、提督なんだよなぁ」
大井は深くため息付くと、佐渡を睨み付け、煎餅をかじる
スマホをしまい、お茶をすすると佐渡は本題を話始める為に資料を取り出す
「見たければ命令すれば良いのに……」
小さく佐渡に聞こえないように呟くと佐渡から質問される
「なぁ、この提督を半殺しって本当なのか?」
「えぇ、やりましたよ?
北上さんに手を出そうとしましたから」
「北上さん?」
「貴方……北上さんを知らないの?」
「あー、悪いな知らん」
「はぁ?あのですね北上さんはですね……」
それから、大井の話は止まらなかった
北上さんの可愛さや、美しさ、戦闘の功績等
さっきとはうって代わり、楽しそうにさも自分様に話ししている姿に佐渡は微笑みながら相づちをうちながら聞いていた
「……なんですよ!!北上さんは凄いんですよ!!」
「はは、大井は北上さんが大好き何だな?」
佐渡が笑いながら、お茶を飲んでいると大井は気付いたのかふぃっとそっぽを向きお茶を飲みだす
「と、とりあえず私はやったことに後悔はしていません。
北上さんをあのクズから守れましたからね」
大井の話を聞きながら、資料を見ると、確かに前任者の提督は下半身不随で提督業を出来なくなったらしく、提督を辞めている
「成る程?大井の話を聞くに、前提督は北上さんに無理矢理身体関係を持ち出し、それを大井が止めたか
はっ、良い気味だな」
「ええ、ざまぁみろって感じです……
って、え?」