艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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今回はグラーフとエアのお話になります






空母の教え

五人が各々の舞鶴とぶつかる中グラーフは赤城相手に苦戦していた

相手は赤城一人ではあるがグラーフはそもそも戦闘経験が浅く向こうは手練れ勝つことはかなり難しい

 

 

「まだ…まだぁ!!」

 

 

「貴女方には悪いですが、私達も負けられない理由があるんです!!

大人しく負けてください!!」

 

 

グラーフは元々搭載出来る艦載機が少なくしかも航空戦はエアとしかやったことがなく赤城がかなり驚異に見える

(このままでは負ける!だが私が負ければ……)

考えていると瞬間的に空を見上げる

スタジアムの空は夕暮れに染まっておりエアの教えを思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ……

まだ、まだぁ!!」

 

 

「いやアウトよ

ほら飛行甲板見なさいよ」

 

 

小笠原の正面海域にてエアは自分に纏う艤装だけを展開させて居ながら水面に倒れているグラーフを見下ろす

グラーフの飛行甲板は真っ黒に染まり実際なら恐らく破壊されている

それとは対象的にエアは全く汚れておらずノンビリとしている

 

 

 

「く……だが!まだ動ける!」

 

 

「そりゃそうよ実弾使ってないし?

とりあえずここまでよお馬鹿

はい、休憩休憩」

 

 

エアはグラーフの頭を掴むと髪をグシャグシャにすると艦載機をしまいどこからかアイスを取り出し食べ始める

 

 

「………なぁ、エア」

 

 

「んー!美味しい!

…なぁによ?」

 

 

「私は……あの二人みたいになれるか?」

 

 

グラーフ水上に座りながら近接戦闘訓練を受ける叢雲と古鷹を見ておりエアもその方角へ目を向ける

 

 

「無理に決まってるでしょバーカ」

 

 

「……私はどうなんだ?エア

お前から見て」

 

 

エアはアイスを食べながら顎に手を当てると考え込むがバッサリと言い捨てる

 

 

「そうね、センス無いわねあんた」

 

 

「ヴッ」

 

 

「艦載機の扱いがまるで素人、動きも単純、考え方もお堅い真面目スタイル、戦い方も真っ正面だけ

ぶっちゃけ、そんな状態ならうちのβ……いやそこら辺の軽空母にも負けるんじゃない?」

 

 

「そこまで言うか!?

………私はやっぱりお荷物何だな…」

 

 

エアにボロクソ言われ落ち込むグラーフの頭にまだ食べていないアイスを乗せると隣に座る

 

 

「でも、あんたの真っ直ぐな気持ちだけは伝わったわ」

 

 

「………え?」

 

 

グラーフは驚きながらエアを見ると微笑みながらアイスを頬張っており更に続ける

 

 

「戦いってねその人間の覚悟やその信念が分かるの

あんたと航空戦をやってハッキリと分かったわ

自分の為ではなく仲間の為に、信じてくれた仲間の期待を裏切らない為に真っ直ぐ私に立ち向かうその姿勢だけは誉めてあげる」

 

 

「………」

 

 

「でも、それだけじゃ勝てないわよ

相手だってあんた以上の覚悟と力を付けてきている

それならあんたはそれ以上の物を見せつけ勝たなくてはいけない

ねぇ、グラーフあんたは何ができる?」

 

 

「何……とは?」

 

 

「あんたは、いや空母は何をすべきか分かる?」

 

 

エアに質問されるとグラーフは悩み唸りながら答えを探していると一つの答えを導く

 

 

「………敵の艦載機を倒す?」

 

 

「他には?」

 

 

「………すまない分からない」

 

 

「そう、まぁ半分正解

半分外れよ

じゃあ答え合わせと行きましょ?」

 

 

エアはアイスを全て食べきると空に向けて手を伸ばすとグラーフもその手を見る

 

 

「正解はね、『空を支配する』ってことよ」

 

 

「空を支配する……だと?」

 

 

「そう、私達空母に出来るのはそれだけ

でもそれは他の艦娘や深海棲艦にも出来ない

『私達空母だけの特権』なのよ」

 

 

エアに言われるとグラーフは空を見上げると眩しいその太陽と海の様に真っ青な空と白い雲が目に写る

 

 

「…私達の特権か…」

 

 

「そうよ、だからあんたには私の戦いかたを全て教えるわ

今のあんたは真面目すぎる

もっと狡猾に、確実に相手を仕留める方法をね?

それにどう思う?あの広く美しい空を自分だけの物に出来るとしたら」

 

 

エアに言われると空を見上げながら目を閉じ空を支配する自分を思い浮かべる

 

 

「……最高…だな」

 

 

「でしょ?まずはあんたは敵を倒す術を覚えなさい

あんたが目指すのはまずは『相手を無力化』することよ

あんたの相手は赤城、間違いなくあんたより錬度も上

正に格上よ

あんたにそれが出来る?」

 

 

「……やってやるさ!!

叢雲達も格上に挑み戦うんだ!私が怖じ気つくわけには行かないさ!!」

 

 

「その粋よ、じゃあ私も本気を出そうかしら?」

 

 

「……………え?」

 

 

 

エアはアイスを食べ終わるとグラーフから離れると思い切り水面を踏みつけると水面が揺れそして真下からエアの艤装が飛び出しそれに乗る

 

 

「うふふ……現役の深海棲艦

しかも、歴戦が相手してあげるのよ?

光栄に思いなさい?」

 

 

エアの艤装は通常の空母棲姫と少し違い四つの飛行甲板に四つの主砲が兼ね備えられしかもその内二本はかなり大きくグラーフを捉える

 

 

「………何だ…それは?」

 

 

「私が海を横断するときに使う艤装よ

基本的には戦闘で使わないんだけど今回は特別よ

あんたの覚悟とその意気込みに免じて相手してあげる

さぁてと、覚悟しなさい?

休憩終わりよ!叩きのめしてあげる!!

今日は私に一発でも当てたら勝ちにしてあげる!!」

 

 

「…っ、やってやるさ!

艦載機発艦!!」

 

 

グラーフが艦載機を発艦させるとエアも艤装を動かし海上を縦横無尽に動きながら艦載機を発艦させる

 

 

「ふふ、教えるのも案外楽しいわね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




次回

私だけに出来ること


エアに教えられたグラーフ
錬度の高い赤城にどこまで奮闘出来るのでしょうか?


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