艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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不幸の使い方

金剛は先制を取り主砲を長門向け砲撃するが長門は動かず少しだけ艤装を動かすとその砲撃を交わし金剛との距離を詰める

 

 

「確か貴様は不幸持ちの高速戦艦だったか

お前の存在が海軍にどれほど迷惑か考えた事はないのか?」

 

 

長門は至近距離まで近付くと艤装をぶつけ金剛を吹き飛ばすと同時に主砲を構え砲撃する

 

 

「ありますよ!と言うよりは正直私は解体を望んでたんデース!」

 

 

主砲を構えられた金剛は吹き飛ばされながら水面に砲撃し姿を眩ますが長門の砲撃が艤装に直撃し爆発を起こすが幸い破壊までは行かず何とか無事ではあった

 

 

「なら、何故戦う?あの男そしてあの鎮守府の為に?」

 

 

「それは!私が生きたい願ったからです!!」

 

 

金剛は長門と距離を詰めながら戦いほぼ近距離での砲撃戦なのだが長門はそれを軽々と避けながら金剛と話を続ける

 

 

「私は不幸です!

しかも皆に迷惑ばかりかけてます!

正直前向きに捉えることが出来ません!

今も私は拒絶されると泣いてしまいます!

人が艦娘が怖いです!

それでも!提督は!叢雲は!皆は!私に居場所をくれました!

優しくしてくれました!

だから!私は戦います!皆を守るために私に出来る事があるなら!

この不幸でどうしようもない戦艦に暖かい言葉をかけてくれているあの人達の為なら!

私を孤独から救ってくれたあの人達の為なら何も怖くない!

だから!貴女を倒します!長門!!」

 

 

自らの胸の内に秘めた言葉を発しながら長門と対峙するが長門は艤装をぶつけ金剛と距離を取ると

 

 

「そうか、貴様の覚悟とお前達の事は分かった

だがなお前達は所詮犯罪者共だ

私はそう言う奴等には容赦しない」

 

 

「くっ、相変わらず無理矢理な戦い方ですね!」

 

 

金剛が体制を立て直そうとするが次の瞬間長門が急に距離を詰め金剛の腹部に拳を殴り付ける

 

 

「グハッ……な…」

 

 

「言い忘れていたな

私の得意とするのは

近接格闘と砲撃戦だ」

 

 

長門はその言葉と共に主砲を金剛へ向けると砲撃しそれを避けられずに直撃しガードしていたもののかなり吹き飛ばされてしまう

 

 

「これが長門の砲撃…ですか

かなり効きますね…」

 

 

「この程度か?」

 

 

金剛が砲撃を受け痛みに耐えていると目の前から長門が迫り主砲をこちらに向けており金剛も主砲を構えるのだが長門は水面を蹴るとそのまま金剛へかかと落としをする

 

 

「お、重いっ!」

 

 

「全砲門撃てぇぇぇぇ!!!」

 

 

かかと落としを受け止めて居るとそのままの体制で長門は主砲を砲撃するが何とか金剛は避けるがその反動で翻した長門は金剛の腹部へ拳を入れ続けて腕を引っ張り水面に叩き付ける

 

 

「ガハッ!」

 

 

「これで逃げられまい」

 

 

叩き付けられた金剛に主砲をゼロ距離で構えると金剛も主砲を長門へと押し当て二人同時に主砲を放つ

 

 

「fire!」

 

 

「撃てぇぇぇぇ!!!」

 

 

二人が爆煙に包まれるとその中から金剛が投げ飛ばされて来ており水面を転がると左半分の艤装が破壊されていた

 

 

「ば、化け物ですか……貴女は…」

 

 

「貴様の所にも居るだろ私みたいのが」

 

 

爆煙を切り裂くように腕を振るうと長門は金剛に当てられた腹部をさするがほとんど傷がなく余裕そうにしている

(確かに叢雲と似ては居ますが…何ですか…あの無理矢理な戦い方は…

しかも、叢雲より遅いですが火力と攻撃力は桁違いです……)

 

 

「来ないのか?なら私から行かせてもらうぞ!!」

 

 

「ぐ、動いてください私の身体!まだやることは終わってません!!」

 

 

金剛は痛む身体を無理矢理に動かすと右半分の主砲を長門へ狙いを定めると左半分を狙うように主砲を放つ

 

 

「fire!」

 

 

「当たらんぞ!!」

 

 

金剛の主砲は意図も容易く避けられ長門が迫ってくる

(私に出来ること……『私にしか出来ないこと…』大井が出来たんです、私にも出来ます!!)

金剛は覚悟を決めると迫ってくる長門に突っ込んで行くと主砲を長門へと向ける

 

 

「fire!」

 

 

「下手くそめ!何度撃っても!」

 

 

金剛の砲撃を長門は避けると金剛はその瞬間長門の避けた方向へと飛び出し長門へと抱き付く

 

 

「なっ!貴様何のつもりだ!!」

 

 

「知って…ますか?

私の不幸は他の人達とは一味違うんですよ?」

 

 

ニヤリと頬を吊り上げながら右の主砲で長門の左脚を狙いを定め砲撃すると左脚の艤装が一撃で損傷を起こす

 

 

「な、何!?」

 

 

「私の不幸はですね……

自分だけではなく自ら触れた相手にも不幸を伝染させるんですよ!!」

 

 

「は、離れろぉ!!」

 

 

長門が艤装を動かそうとすると脚の痛みと艤装が思うように動かず金剛に押し倒される様に水面へ転んでしまい馬乗りの状態になってしまう

 

 

「はは……『ついてない』ですね長門!」

 

 

「く、貴様!!」

 

 

長門は金剛の腹部を突き飛ばすと金剛は突き飛ばされ何とか立ち上がるがどうやら先程の砲撃が悪いところに当たったらしく左脚に痛みが走る

 

 

「あ、相変わらずの…バカ力ですね…

でも役割は果たしました…」

 

 

ふらつきながら長門へ主砲を構え砲撃しようとするが重心がズレ砲撃が外れてしまう

 

 

「……お前も『ついてないな』金剛

終わりだ!!」

 

 

長門は痛む脚を耐えながら金剛へ近づき主砲を向けると金剛は膝をついてしまう

(やることはやれました……

叢雲…後は任せましたよ…皆を助けてください

…私の大好きな憧れの最強の駆逐艦)

次の瞬間長門は全砲門を金剛へ向け砲撃し金剛は避けられずに全弾直撃し吹き飛ばされるが口元は微笑んでおり水上を何回か跳ね艤装が爆発を起こし気絶する

 

 

「金剛!戦闘不能!!」

 

 

「ぐっ……」

 

 

長門はかなり余力を残しながら勝ちはしたが金剛に当てられた脚が少し痛むがいつもの戦闘よりは大したことが無いと思いながら陸奥達の方へと向き直る

 

 

「……陸奥、今行く」

 

 

 





次回

海の狙撃手(スナイパー)

次回、イムヤと綾波の戦いを書いていきます

今回本当に長くなりそう…


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