艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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戦艦姉妹 二

叢雲達が対峙する中それを心配するように北上達はその姿を見ていた

 

 

「……不味いね、あれ

多分負けるよ雷撃姫達」

 

 

「…え?そんなになの?北上ちゃん?」

 

 

北上が眉間にシワを寄せながら叢雲達の状態を見ていると葛城達は北上に視線が集中する

 

 

「大井っちから聞いてるけど長門は戦艦の中でもかなり強いらしいんだ

それこそ一人で艦隊を壊滅させるほどに

そんなのがタッグを組んでるとなるとね…

いくら雷撃姫と古鷹さんが強くても勝つ見込みは少ないかな」

 

 

「だ、だが!あの二人は戦艦棲姫を相手に出来たんだ!

簡単にはーーー」

 

 

「いや、そこの北上さんの言う通りだぜ

多分あいつら負けるぜ」

 

 

突然の声に驚き北上以外が振り返るとそこには猿橋がゆっくりとした足取りで秘書艦の大和と共に歩いてきていた

 

 

「猿橋さん!」

 

 

「ヤッホー、葛城さん石澤さん

いやーラストバトルには間に合ったかな?」

 

 

猿橋は歩いていくと北上の隣に立ちながら戦いを始めようとしている叢雲達を見る

 

 

「どう言うことですか?猿橋さん?

叢雲さん達が負けるかもって」

 

 

「そのまんまだ

あの二人相手だと流石に荷が重い」

 

 

「でも!一人は中破してるし長門はほとんど動いていないけど脚を負傷してるわよ?

あの二人なら行けるんじゃーー」

 

 

「嫌、今の状態なら無理だな」

 

 

「……どうしてですか?猿橋提督?」

 

 

瑞鶴が少し睨みを効かせながら猿橋を見上げると溜め息をつきながら長門の説明をする

 

 

「戦艦の長門

別名正義の戦艦

数々の実績と武勲を持ち幾つもの海域解放と姫級の最大撃破数を誇る実質現在海軍での最強と呼ばれる戦艦

その戦い方は近接砲雷激戦を得意とし物理的にも相手を殴り付けたり恐れを知らぬ戦場を駆ける修羅

正しく化け物だ

そんなのが妹の陸奥とコンビとなるとな……」

 

 

その話を聞いた一同は再び叢雲達の戦っている会場へ向き直ると心配する

 

 

「……大丈夫かな…古鷹さん…叢雲…」

 

 

「大丈夫よ!あいつらは私達に勝ったのよ!

勝ってくれるはずよ!」

 

 

阿武隈が心配していると瑞鶴がそれを励ますが拳を握りしめながら歯を食い縛る

 

 

「そうよ……あの二人なら勝てるはずよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叢雲達は猿橋の予想通りかなり苦戦を強いられていた

長門一人か陸奥一人なら何とかなるのかも知れないがそれが二人タッグを組んでおり隙がない

 

 

「どうした!その程度か!!」

 

 

「うっるさいわね!!」

 

 

しかも長門の戦闘スタイルは叢雲と瓜二つではあるが拳や肉体的な戦闘術も覚えており何とか艤装等でカバーしながら戦っていた

(不味いわね…このままだとジリ貧ね……)

叢雲は少し下がり古鷹を見ると合図をだし静かに頷く

 

 

「何をやってるのよ!!」

 

 

陸奥の援護砲撃が来ると叢雲と古鷹は同時に走りだし長門へ向けて主砲を構える

 

 

「二人同時にかおもしろい!」

 

 

長門は主砲を構え叢雲と古鷹に放つとそれを二人は避け長門へ主砲を放つが長門に交わされてしまうが叢雲は古鷹の背後に回り込む

 

 

「ごめんね!古鷹!」

 

 

それと同時に古鷹が少し屈むと叢雲はそれを足蹴にすると宙を舞い長門に空中から主砲を構える

 

 

「相変わらずの連携だな…

だが空中では避けられまい!!」

 

 

長門が主砲を構えるがその動きに合わせて古鷹が長門の左足を正確に撃ち抜きその痛みで体制を崩してしまう

 

 

「ぐ、凄い命中精度だな……

惜しいな」

 

 

「食らいなさい!!」

 

 

体制を崩した長門に対して主砲を直撃させると爆煙が起こりそれにダメ押しで更に追撃をしようとするが空中で首を掴まれ長門に捕まってしまう

 

 

「ぐぅ…あ…んた!!」

 

 

「良い連携攻撃だ

私でなければ致命傷だろう」

 

 

叢雲は捕まりながら右手の雷撃を長門に向けると瞬間的に叢雲を放し拳を握り締め正拳突きを当て吹き飛ばされ水上を何回か跳ねる苦しそうに腹部を押さえる

 

 

「ガハッ!ゴホッゴホ!」

 

 

「叢雲!」

 

 

まともに長門の攻撃を受け咳き込みそれと同時に右手の雷撃を水中に付けると静かに放つ

 

 

「行くぞ!陸奥ダメ押しだ!」

 

 

「分かったわ!!」

 

 

叢雲が苦しんでいると陸奥と長門が同時に仕掛けてきており急いで古鷹が主砲を構えるが叢雲は水面に主砲の当てると自らの姿を隠す

 

 

「古鷹、行くわよ」

 

 

「うん!分かったよ!」

 

 

水柱の中から叢雲が飛び出すと陸奥が一瞬躊躇うが長門は突っ込んでくる

 

 

「叢雲ぉ!!」

 

 

「悪いけどあんたはやっぱり後回しね!」

 

 

長門が主砲を放つが叢雲はそれを交わし長門の艤装に飛び乗ると思い切り蹴飛ばし陸奥へ向かっていく

 

 

「しまった!陸奥!!」

 

 

ターゲットが陸奥になったことを理解し急いで主砲を構えるが後ろから脚を崩され更に首根っこを掴まれ背中から倒されてしまう

 

 

「なっ!貴様古鷹!!」

 

 

「私だってこれぐらいは出来るんだから!!」

 

 

古鷹はそれと同時に主砲を向けると長門もそれに対する様に主砲を構えるがそれを理解していたように古鷹は倒れている長門に張り付き長門の主砲を避ける

 

 

「貴様っ!退け!!」

 

 

張り付いた古鷹を殴ろうとするがそれを受け止めると同時に肩の主砲を長門へ直撃させ爆煙に包まれたのを確認するとその場を離れる

 

 

「長門!!」

 

 

「姉の心配をしてる場合!?」

 

 

陸奥が一瞬油断してしまいその瞬間叢雲が陸奥の脚を蹴り飛ばすと体制を崩しその場に背中から倒れてしまう

 

 

 

「く、この!!」

 

 

「沈め!」

 

 

叢雲はそれと同時に主砲を両方放つと陸奥は爆煙に巻き込まれ少し離れると陸奥が爆煙を切り裂きながら立ち上がる

 

 

「…機関部は…まだ平気よ!

爪が甘いのね!!」

 

 

「どうかしらね?」

 

 

叢雲の表情は少し微笑んでおりそれを見た陸奥は背筋を凍らせると水面下を見るとすぐそばまで魚雷が迫っていた

 

 

「しまっーーー」

 

 

急いで避けようとするが間に合わず脚に直撃し水柱を上げ脚の艤装が爆発を起こし激痛が走る

(痛い……でもまだ!!)

だがそれと同時に前方から叢雲ではない砲撃が迫り陸奥に直撃し後ろに吹き飛ばされる

 

 

「なっ……嘘…でしょ…!?」

 

 

そこには叢雲の影に隠れるように古鷹が砲撃しており見事陸奥に当てていた

その隙に叢雲が突っ込んできており急いで主砲を構えるが間に合わず叢雲は蹴飛ばしながら陸奥に主砲を構える

 

 

「終わりよ、戦艦陸奥

貴女の負けよ」

 

 

「……ごめんなさい長門」

 

 

陸奥が謝った瞬間叢雲がゼロ距離で主砲を二門当てると艤装の耐久が限界を迎え陸奥が爆発を起こしながら水面を転がり倒れると気絶し叢雲が水面に着地する

 

 

「陸奥!!戦闘不能!!」

 

 

陸奥を倒した瞬間疲れからか叢雲から溜め息が出るが古鷹を見ると微笑んでいるのを見ると安堵していると

 

 

「私を忘れるなよ犯罪者共」

 

 

 

その瞬間古鷹が真後ろから砲撃を受け叢雲の方角へと吹き飛ばされ水面を転がる

 

 

「古鷹!!」

 

 

叢雲は古鷹に駆け寄ろうとするが次に叢雲目掛けて何発か砲撃が飛んできておりそれを避ける長門が爆煙を切り裂きながら深く息を吐く

 

 

「やってくれたな貴様ら……

良くも陸奥を……」

 

 

長門は陸奥がやられたことがかなり頭に来ているらしく叢雲達を睨み付ける

叢雲は古鷹に駆け寄ると幸い右腕の主砲だけが破壊されており左の主砲と他の艤装は無事だった

 

 

「ごめん…叢雲……油断しちゃった……」

 

 

「平気よ!後は任せなさい!」

 

 

叢雲は古鷹の前に立ち塞がると長門を睨み付ける

実質叢雲と長門のタイマンが始まろうとしている瞬間大淀から突如判定が入る

 

 

「双方!そこまで!

戦闘を中断してください!!」

 

 

 

 

 





次回

負けない

陸奥を何とか倒したが古鷹が中破そして残る主砲は一門だけそして大淀による判定の意味とは?
長くなってごめんなさい……
切るところわからなかった…




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