艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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戦闘中断

「……何故止める大淀」

 

 

「……そうよどうして止めるの?」

 

 

二人は睨み合いながら今すぐにでも戦おうとしているが大淀は冷静に二人を見る

 

 

「誠に申し訳ございません

ですが、この度のルールでして昼戦の時間が終わりましたので試合を中断させて頂きました」

 

 

「何だと?」

 

 

「…時間?」

 

 

二人は主砲を下ろすと会場にある時計を見ると確かに0になっており溜め息をついていると会場全体に恵比寿の声が響く

 

 

「今までより遥かに激熱な試合の中

な、な、何と!昼戦の時間では足らず夜戦の選択時間が来てしまったぁぁぁ!!

ここで夜戦の説明を羽田元帥!お願い致します!!」

 

 

「はい、では御説明させていただきます

今回の大演習会についての夜戦ですがこの会場の全ての電気を落とし上の屋根を開け外と全く同じ光の中で艦娘達には戦って頂きます

尚、途中での補給、艦娘の変更は行われません

そのままで戦って頂きます

夜戦では闇の中での戦闘になりますので皆様は椅子に付いております暗視ゴーグルの着用が必須になります

映像はキチンと処理されていますので映りますのでご安心ください

そして、この夜戦の選択は艦娘

しかも旗艦に決定権があります

さて、現在の状況なら少し小笠原が有利になっていますがどうするのでしょうか?」

 

 

羽田の解説と説明が終わると古鷹はゆっくりと立ち上がり叢雲はそれを支える

 

 

「叢雲、私は大丈夫だからね?」

 

 

「……分かったわ頼むわよ?」

 

 

古鷹を支えている肩をそっと離すと古鷹は左目を押さえながらふらつく

 

         

「では双方このまま夜戦へ移行し戦闘を続行しますか?

それともここで終わりにし判定を待ちますか?」

 

 

大淀の説明を聞くと叢雲と長門はお互いを睨み合いながら口を揃えて大声で叫ぶ

 

 

「「続行!!」」

 

 

 

二人の返事を聞くと大淀がポケットからスイッチを取り出しそれを押すと天井が開きアナウンスが流れる

 

 

『これより夜戦を開始致します

皆様足下にはご注意くださいませ』

 

 

しばらくすると辺りは静寂に包まれながら真っ暗になっているが叢雲と長門は睨み合う

 

 

「何故続行した?

判定勝ちならお前達勝ちなのにな」

 

 

「はっ、決まってるでしょ?

あんたを倒して私達は優勝するのよ

判定勝ちなんて情けないわ」

 

 

「お待たせ致しました!

夜戦の準備が完了致しましたので戦闘を続行してください」

 

 

 

辺りが完全に真っ暗になると周りが見えないほどに暗くなるが未だに古鷹は目を隠し叢雲と長門は睨み合う

 

 

「駆逐艦と重巡の癖に良くもまぁここまで来たものだ

だがここで終わりだお前達は私には勝てない」

 

 

「あら?慢心ね残念だけどあんたは負けるわよ

私達だって勝てる見込みがあるから続行したんだもん」

 

 

 

叢雲が言うと古鷹はゆっくりと左目から手を離すとゆっくりと話し始める

 

 

「…一度失った左目…これはみんなの為に使うって決めたから!

みんなが夜迷わないように!!」

 

 

古鷹が左目を開けると辺りが眩しくなり叢雲は目を伏せながら闇に消え長門は眩しく両手で顔を覆う

 

 

「ぐぅ!何だそれは!

まさか、左目が探照灯(たんしょうとう)になっているのか!?」

 

 

「負けない!皆の為にも!提督の為にも!!」

 

 

古鷹は左目の探照灯で長門を照らしているとあまりの眩しさに目が眩みその瞬間背後から叢雲の砲撃を受ける

 

 

「貴様らぁ!!」

 

 

「悪いけど、どんな手を使ってもあんたを倒すわよ

正義の戦艦長門!!」

 

 

 

 

 

 

 





次回

夜の灯り

古鷹の奇策にたじろう長門
その灯りを頼りに叢雲は長門に立ち向かう

最近やっと誤字の修正方法に気付いた無能がこちら

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