長門と叢雲が対峙すると恵比寿が興奮気味に実況を再び開始する
「さぁて!この戦いも大詰め!
互いのエース同士の戦いまで追い込まれた!!
だが、舞鶴のエースは我等海軍が誇る最強の戦艦長門!!
対するは先程からアクロバッティックな戦いを見せる駆逐艦叢雲だぁ!
では羽田元帥これはどちらが勝つと思われますか?
私的にはやはり長門の方が有利だと思うですがーーー」
「分かりませんね」
「何と!それはどういう意味でしょうか?」
「正直耐久や火力なら長門が有利かも知れません
ですが、叢雲もかなりの実力者ではあります
彼女は今まで長門には劣りますが戦果を上げています
それに普通なら海軍は艦娘に通り名を付けません
彼女は海軍に実力を認められているのです
だからこそ、どうなるかは私にも分かりませんね」
恵比寿達が実況している中猿橋達も心配そうに叢雲の事を見ていた
「ねぇ、叢雲は勝てるよね?」
「……分からない確かに一体一まで持ち込み長門にはかなりのダメージが蓄積しているが…
相手があの長門だ
正直厳しいとは思うよ」
「そう言えばさ提督さん?通り名って何か意味があるの?」
「そう言えば……何なんだろうね?
俺もよく知らないや…」
「おいおい、石澤さん
通り名の意味も知らないのかい?」
瑞鶴が質問すると石澤は首をかしげ頭を悩ませていると会場を見ていた猿橋が振り返る
「え?猿橋さんは知ってるの?」
「知ってるも何も……んまぁ良いか通り名ってのは海軍がその艦娘を『強力な切り札』として認めたってことだよ」
「切り札?」
その言葉に猿橋と大和以外が首をかしげていると猿橋は会場で睨み合う叢雲達を見下ろす
「通常、現海軍の上層部はある程度の艦娘なら見捨てても構わないと言われている
俺もその思考は嫌いだがな
その中にも極一部手を出してはいけない艦娘が居る
それが通り名持ちの艦娘だ
実力が海軍に認められ大型作戦への強制参加を条件に解体、雷撃処分を出来ないとされている
普通それは熟練の戦艦や空母位しかそんなものは付かないんだが叢雲は着任してたった二ヶ月で『雷撃姫』と言う通り名がある
今まで、駆逐艦は使い捨ての道具としか見られていなかったのに叢雲にはそれが付いている
歴代駆逐艦の中でも通り名が付いたのはアイツだけだ」
「確か叢雲は歴戦の戦艦ル級を撃破したって……」
「あぁ、普通着任二ヶ月で撃破出来る敵じゃない
だからこそイレギュラー、異質、異常
叢雲は通常の駆逐艦と考える事自体間違ってるのさ
……さぁて、雷撃姫叢雲はあれに勝てるのかな?
『過去に囚われ臆病になった正義の戦艦に』」
辺りが暗くなった水上で叢雲と長門は睨み合いお互いに動いていない
叢雲の艤装はまだほとんど傷付いて居ないものの長門の艤装は左足の艤装が黒煙を上げていた
だがその静寂を長門が破る
「まさか私がここまで追い込まれるとはな
今までの中で初めてだ」
左足と自らの艤装を触ると砲門を少し動かし動作を確認する
「あらそれなら私達はいい線行ってるのかしら?
……まぁ倒すけどね」
お互いそれ以上は話さずに再び静寂が訪れ二人とも無言になっているがしばらくすると長門の左足から電気の様な光が発せられた瞬間叢雲が動く
「あんたを倒すわ!長門!!」
「来い!最強の駆逐艦よ!その力見せてみろ!!」
次回
駆逐艦VS戦艦
次回より長門と叢雲が激突しお互いの気持ちと覚悟を持って戦います