叢雲は主砲を構えると長門へ向かっていくと先に長門が主砲を放ち目の前に水柱が二人の間に上がり眼を眩ませるがその水柱から長門の手が叢雲を捕まえようとするがそれを避け主砲を放つと長門に当たったのか爆煙が上がる
「やはり簡単には捕まらんか!」
叢雲の主砲が当たったにも関わらず長門はピンピンしており再び主砲を構えるがその隙に叢雲が距離を詰める
「喰らいなさい!!」
「ほう?近接戦か面白い!」
艤装から棒を取り出すと長門に向け振り下ろすがそれを軽々と弾き次に長門の鉄拳が飛んでくるがそれわ避け主砲を長門に押し当て主砲を放ち距離を取るが
「……あんたどんだけタフなのよ」
「ふん、この程度馴れてるわ」
対する長門は叢雲の主砲を受けているにも関わらずほとんど傷を負っていなかった
「数多くの深海棲艦と艦娘と対峙してきたが貴様の様に強すぎる駆逐艦は見たこと無い
あの大元帥が認めた程はある」
長門がここまで叢雲を認めているのには訳がある
実は叢雲が倒したとされる歴戦の戦艦ル級は長門が取り逃し本土に強襲したのを撃破しており間近でその戦いの一部を見ていた
「実力は折り紙付きに加え貴様はまだ余力を残している
正直戦いたくは無かったぞ」
「そう、私もあんたとは戦いたくは無かったわ
めんどくさいもん」
「……何故だ」
「何がよ?」
「貴様ら程の実力があれば更に上を目指せるなのに何故堕ちる?
古鷹と言う重巡一人を庇う為に何故貴様も犯罪者となる
アイツは我々の人類の裏切り者だ
あんな奴の為に貴様があの島に行くのはやはり分からん」
「別にあんたに関係ないでしょ?
それに『あんたも昔なら同じことをしたでしょ』
臆病者」
叢雲の言葉にピクッと眉間を動かし明らかに機嫌が悪くなり睨み付ける
「……………誰から聞いた貴様」
「『ある親切な情報通』からね
あんたが強さと海軍の正義に執着するのが何故か気になってね
あんたの過去を聞いたわ
道理で私を欲するわけよね」
「………そうかそれなら尚更貴様を手に入れなくてはいけないな!!」
長門は主砲を叢雲に向けて放ち距離を詰めようと走り出すが叢雲もそれを避け主砲を構え長門の左足に向けて砲撃を放つ
「あんた!昔はそんな通り名無かったんでしょ!?
何でそんなに正義へこだわるのよ!!」
叢雲の砲撃を交わし自らの主砲を放つが叢雲はそれを簡単に避け棒で殴ろうとしてくる
「知れたことを!我々は兵器であり人間に海軍に尽くすのが当然の義務だ!!
貴様こそ!何故あの仲間と男にこだわる!
貴様、昔言い寄られた時に大将に艤装を構えたと聞いたぞ!!」
振り下ろされた棒を腕で弾き回り蹴りを叢雲に当てるがそれを受け止め叢雲は宙を舞いながら主砲を長門へ当て二人は爆煙に包まれる
「私はね!アイツ以外に従う気はないのよ!!
そもそも海軍自体好きじゃないし!
あんたの『妹を見捨てたのは海軍じゃないの』!?」
「黙れぇぇぇぇぇぇ!!!!」
爆煙の中長門は叢雲を捕まえると降り回し水面に叩き付けると同時に足で思い切り踏みつけようとするが何とかそれを転がりながら避ける
「見捨ててなんかいない!!あれが最良の選択だ!!」
「なら!何であんたは今正義を振りかざし深海棲艦を根絶やしにしようと死にかけてでも戦うのよ!!」
「決まっているだろ!
奴等は我等の…私の仇だ!!
全員誰一人残らず皆殺しにして『妹の弔い』にしてくれるわ!!」
長門はほぼ近距離で叢雲に主砲を放つが何とか避け体制を整えようとするが長門の鉄拳が叢雲の腹部を捉えそのまま吹き飛ばされる
「ゲホッゲホ……あんたの正義って何よ!
復讐があんたの正義なの!?」
「違う!!私は全ての深海棲艦を殲滅することだ!!
そして、それに繋がる危険性の有るものは全て排除してくれる!!!
貴様らも例外ではない!!
『深海と繋がっている』貴様らを倒し!私は正義を全うする!!」
叢雲と対峙しながら過去を刺激された長門の脳裏に今とは違う過去の自分を思い出す
今とは違い同じ艦娘に寄り添い海軍の正義と共に戦い仲間と戦場を駆け抜けそして
全てそれが意味がなかったと思い知らされた昔の話
次回
正義
次回は長門の過去編になります
大本営襲撃事件の長門目線で書いていきたいと思います!