大井は、発言を思い出すが、それでも立ち上がる佐渡にくってかかる
「だ、だって!!」
「うるせぇ!!お前は黙ってそこでお茶してろ!!」
機嫌が悪そうにしながら、佐渡は机に座り、執務を開始する
その時大井が、立ち上がり、佐渡に自ら近付いていく
「……何だ?お茶してろと言ったよな?」
「えぇ、そんなことより執務は私がやりますから提督はなにもしないでください」
大井は、机の上にある書類をとろうとするが、佐渡は持っていたボールペンで大井の手を叩く
「いたっ!何するんですか!?」
「うっせ、お前は休んでろ
後で、鎮守府内案内してやるから」
佐渡は、そう言うと書類に眼を通していく、だがそれでも大井は書類を持っていく
「戻さないとその胸部装甲揉むぞ?」
「良いですよ、馴れてますし」
「良いのかよ………何だと?」
流石の佐渡もそれだけは聞き捨てならずに、動かしている手を止め、大井の肩を掴む
「待て、何て言った?」
「だから、命令ならどうぞ何でもお使いください
性的な事は馴れてますと言ったのです
あ、でも私暴れますのでキチンと手錠をしてくださいね」
「……成る程?」
大井の発言を聞いた佐渡は、静かに答え書類を置くと、お茶を飲み一息つくが大井に確認を取る
「それはなんだ、お前前提督と身体の関係があったのか?」
「えぇ、北上さんに手を出さないと言う理由でね
ただし、おさわりだけよ
それ以上は許してないけどね」
「それで、あれか、戦艦や空母の盾になってたのか?」
「っ!そ、そうよ」
「ついでに言うと、提督の執務もやってたのか」
「えぇ」
確認しおわり、佐渡はお茶を飲みきりふぅとため息を付くと、怒りの余り壁を思い切り殴る
木造の壁はバキッと鈍い音をたて、佐渡の拳サイズの穴を開ける
大井は、突然の事に驚き持っていた書類を床に落とす
「ちょっと!何してるのよ!!」
「あぁ?ああ、気にすんな……
大井、じゃあ命令なら聞くんだな
命令だ」
佐渡は拳を引き抜くと、木片等が刺さり、血だらけになっているが佐渡は気付いておらず、拳を開くと血が滴り落ちる
「な、何?」
大井は、先程までの佐渡と明らかに様子が可笑しいことに気付きながら恐る恐る聞く
「今日一日何もするな」
佐渡の意味がわからない命令に、大井は困惑していると佐渡はフラフラと大井に近付くが大井は後退りをする
だが佐渡は歩みを止めない
「な、なんですか!一体何がしたっ!」
大井の声は再び、遮られる
佐渡の血まみれになった片腕の抱擁によって
「は、放せ!!私に寄るな!!」
大井は、佐渡の横腹や脚に蹴りを入れているが、佐渡は動じず、全身を震わせる
しばらく、蹴っていると妙な安心感に襲われ、大井は攻撃を辞める
夢中になりながら、蹴っていたから佐渡の状態に気付かなかった
頭の上から冷たい何かが降ってきているのにもその時気付いた
「何をして………え?」
大井は、佐渡の胸から顔を除き混むと、突然のことに驚く
ありえないと思っていた、だって私は兵器だから、見た目だけは人間の兵器だから
こいつもどんな事を言っていても、上部だけだと
だから……何故貴方は
泣いてるのか分からない
「ごめん……
ごめんな……
でも、今だけこうさせてくれ……」
佐渡は血まみれではない、手で顔を抑え必死に涙を大井にかけまいとしているが当然そんなこと出来ない
「な、何で……」
あり得ない、何故この男は泣いてるの?
眼にゴミが?それとも私に対して…?
嘘よ、嘘よ!!!
あり得ない!!
だってこいつは男で提督なのだから……
そう思っていると、佐渡は大井抱き寄せ、顔を埋めさせる
血に濡れた手を払い、頭を優しく撫でながらずっとごめんと呟きながら