その目と雰囲気には叢雲は心当たりがあった
今まで戦ってきた深海棲艦達と同じ純粋な殺意と敵意でありそれが長門から自分に対して発せられており思わず後退りをする
「成る程……今までは手を抜いてたのね…」
「抜いていた訳ではない
お前にはこの戦いを辞退してほしくて力を見せつけていただけだ
だが、それもやめだ
お前を倒す
私の正義の邪魔をし続けるならば容赦はもう無くそう」
先程とは違い長門から感じる殺意がそれを物語り思わずここが戦場で長門が深海棲艦の姫に錯覚するほどではあった
「来ないのか?ならこちらから行こうか?」
長門が主砲を構えると同時に叢雲も動こうとするとこちらに向かい長門が全速力で走ってくる
左足からはその不可に耐えきれず黒煙が上がっているがそんなことを気にせずに
(左足を撃ち抜いて体制を崩させればこちらのペースに持ち込めるはず!)
叢雲は主砲を左足に向け放つとそれは見事に命中し少し表情を曇らせるが体制は崩れずにすぐに叢雲に向け主砲を構える
「こいつ!!」
何とか距離を取ろうとバックステップをしようとするがその瞬間長門の眉間が動いた気がしすぐに横に避けると先程まで立っていた所に水柱が上がる
「勘づいたか、だが逃がさん」
長門の主砲は動いて居ないのに砲撃音がしており避けた叢雲に次は直撃するが主砲程の火力は無く何とか耐えられる
「これって、まさか副砲!」
「万が一の為に一応付けておいたが役に立ったな」
主砲の直ぐ側に副砲が付いており長門はそれを巧みに使い叢雲を捉えており更に叢雲を追い詰めていく
「撃てぇ!!」
「くっ、この!」
叢雲に向け主砲を構え砲撃しそれを避けるのだが更に一段階遅く副砲を放ち叢雲の避けるタイミングをずらし少しずつダメージを稼ぎ更に近接戦闘を仕掛け体力も奪っていく
「貴様の終わりだ
雷撃姫 貴様に勝利はない」
「黙りなさい!あんたのなんかに!」
軽快に動いていた叢雲にも少しずつ疲れと消耗が目立ち追い込まれていき歯を食い縛りながら長門の隙を伺う
(何か…何か無いの!?こいつの隙を突いてこっちのペースに持ち来ないと!)
叢雲は焦ってしまい長門の隙を伺うと左足を少し海面に着けていないことを居ないことに気付きその逆足を狙うことに決めそのタイミングを待つ
「そろそろ終わりにしよう!雷撃姫 叢雲よ!
貴様を倒し私は…正義を全うする!!」
長門が左足に上げると同時に叢雲は踏み込み棒の艤装を右足に突き刺し左足を主砲で撃ち抜くと二人は爆煙に包まれ
その中から叢雲がバックステップをしながら出てくる
「これで少しはーーー」
その瞬間叢雲は油断してしまい爆煙の中から右手が出てきて叢雲の首を捉え苦しみでその手を抑える
「ガ……ハ…うぐぅ…」
「この程度で私が
正義の戦艦を舐めるなよ」
爆煙が晴れると長門の右足には棒の艤装が刺さり左足はほぼ破壊され中の足が見えているがそんなものを気にもせず叢雲を捉えていた
「あ…ん…た……そ…れ」
「足が取れようが砕けようが私は前に進む
それよりも覚悟は出来てるのだろうな?」
その言葉の意味を理解するには時間を用さなかった
長門は叢雲を放すと左手に拳を作ると腹部に一撃いれる
「グハッ……」
「……悪いな、
(不味い!逃げないと!!)
叢雲の頭には嫌な予感が過り直ぐにでも避けようとするが長門はそれに間髪入れず主砲を叢雲に直撃させ次に副砲そして吹き飛ぶ腕を引っ張り逆の手で拳を入れると次に踵落としをすると再び主砲を叢雲に直撃させその腹部に拳を入れまた副砲を砲撃する連続攻撃を繰り出し叢雲は成す術が無かった
そしてボロボロになった叢雲を持ち上げ目の前に投げると主砲をと副砲を空中の叢雲に標準を合わせる
「全砲門斉射撃てぇぇぇぇぇ!!!!」
長門の全砲門から砲撃された砲弾は叢雲を捉え艤装と服がボロボロになりながら爆煙を突っ切り水面を何回か跳ねると力が抜けた人形の様に水面を転がり倒れてしまい艤装からは黒煙が上がりピクリとも動かなくなると会場から歓声が上がる
そして、最後に足に刺さった艤装を引き抜くと叢雲に直ぐ側に投げ水面に刺さる
「正義……執行」
次回
敗北
長門の連続攻撃と砲撃が決まり叢雲はそのダメージで動けなくなってしまう
この章もそろそろ大詰めです!
金剛の新イラストに魚雷があると聞いて楽しみが止まりませんな!!