艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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VS 長門 五

「決まったぁぁぁぁ!!長門の連続攻撃!

今まで多くの深海棲艦を撃破してきた最強とも言われる連撃が当たり叢雲は最早虫の息かぁ!?」

 

 

「えぇ……これは流石に決まりましたね…

長門の主砲と副砲には駆逐艦は耐えられないですからね……

少し残念です…」

 

 

実況では二人が盛り上がり会場も暗闇の中長門のコールが響き渡りその様子を別室にて東雲と他の元帥達も見ていた

 

 

「決まったな

あんな連続攻撃なんて受けたのなら立てるわけがない」

 

 

「やはり駆逐艦では戦艦には勝てんか

だがあそこまで善戦したなら良かったのでは?」

 

 

「どうせ、駆逐艦なんて消耗品

いくらでも代わりは居るからな」

 

 

元帥達が立ち上がりその部屋を後にしようとする中東雲だけは会場を見下ろしておりその様子に疑問を抱いた元帥達が東雲に催促してくる

 

 

「東雲大元帥?まだ何かあるのですか?」

 

 

「……お前ら座れ

まだ試合は終わってないぞ?」

 

 

「何を仰いますか?もうこの戦いは終わりですよ

長門の勝利、小笠原鎮守府は解体

艦娘達も解体じゃないですか?」

 

 

「相変わらずお前らの眼は節穴見たいだな

まぁ良い、帰りたい奴から帰りな

俺はアイツが育てた右腕があそこでくたばるとは思わないけどな」

 

 

「馬鹿馬鹿しい、所詮駆逐艦なのですよ?」

 

 

 

東雲はそれを最後に何も話さなくなり他の元帥達も混乱するが仕方無く元の席に戻り大淀の判定を待つ

(俺にあれほどの大口を開いた貴様がここで終わりか?

見せてみろ雷撃姫、貴様の真の実力を……

戦艦棲姫と戦艦ル級戦の時に見せたその不屈を)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、ねぇあれヤバイんじゃないの?」

 

 

「……うん間違いなく長門の砲弾をもろに受けたから叢雲の負け…だね」

 

 

「そ、そんな……大丈夫よ!

あいつがあんなので負けるわけーーー」

 

 

「いや、無理だろうな

間違いなく叢雲の負けだ」

 

 

阿武隈達が心配する中叢雲の立ち上がる可能性を猿橋は真っ向から否定し瑞鶴が猿橋に詰め寄る

 

 

「……何でそう言うことを言うの?」

 

 

「…長門の主砲は普通の艦娘が扱うそれじゃない

あれは明石によって手が加えられた特殊な主砲と副砲だ

通常の奴より遥かに高い火力を備えてはいるがその反動と重さを犠牲にしている

一発でも、当たれば戦艦でも軽々と落とすそれを連続で受けたんだ

いくら叢雲でもあれでは立ち上がるのは不可能だ」

 

 

「そんな……」

 

 

猿橋の説明に全員が絶句し倒れている叢雲を心配そうに見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「叢雲ー!!」

 

 

「ストップ金剛!駄目よ!私達が手を出したら反則!!」

 

 

「で、でも!!」

 

 

「良いから落ち着きなさいよ!」

 

 

高速修復材をかけられ叢雲以外のメンバーは全員会場に戻ってきており叢雲と長門の戦いを観戦していたのだが動かない叢雲を見ると金剛が駆け寄ろうとしており大井とイムヤが止めていた

 

 

「だが、あの砲撃では……叢雲は……」

 

 

「叢雲は戦闘不能ネー!早く大淀に話してーー」

 

 

「駄目だよ」

 

 

金剛が騒いでいると端で見ていた古鷹が金剛に一声かけると四人とも古鷹に視線が集中する

 

 

「な、何でデースか!?

これじゃ叢雲がーー」

 

 

「そんなことしたら叢雲に怒られるよ?」

 

 

「……古鷹さん、どうして?」

 

 

イムヤが質問すると古鷹はイムヤ達に微笑みながらぎゅっと服を握り締める

 

 

「叢雲は絶対に負けないから

だから信じて待とう?あの子が再び立ち上がって戦うのを」

 

 

古鷹の様子を見た四人は顔を見合わせると渋々落ち着きを取り戻し倒れている叢雲を見る

(そう……叢雲は負けない…

だから、お願い…叢雲立ち上がって…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと佐渡あれ……」

 

 

「あぁ、ヤバイな

完全に直撃してやがる

あいつ焦りやがって…全く」

 

 

「そうじゃないわよ!

あんなの受けたら高速修復材でも治りきらないわよ!?

早く降伏しなさいよ!!」

 

 

「それはない

俺はあいつの戦いに口を出さないって決めてるからな」

 

 

その言葉と同時にエアは佐渡の首元を持ち上げながら睨み付ける

 

 

「あんたねぇ!あの子は駆逐艦なのよ!?

あんなの受けたらどうやっても立ち上がらないしこれ以上戦えるわけがないわ!!

早く降伏しなさいよ!!」

 

 

エアが睨み付ける中佐渡は顔色一つ変えずにエアの手を払い除ける

 

 

「駄目だ

それはあいつの戦いを侮辱する行為だ」

 

 

「あんたねぇ!!」

 

 

「だが、まぁしょうがねぇ

少し渇を入れに行くとしようかな?」

 

 

エアが再び怒鳴ろうとした時佐渡の顔がエアの向かい側の鏡に映りその姿を見ると唇を噛んでおり手を見ると拳を握り締めている

(……そっかこいつも提督なんだ…

焦ればそれは艦娘にも影響するから…)

佐渡の態度の理由を理解したエアは黙って佐渡の後を着いていくが明らかに足が速足になっておりそれに合わせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと……倒れたか…」

 

 

先程まで戦っていた長門は息を切らし倒れている叢雲を見下ろしており不意に緊張と集中が切れ片膝を水面に着くと両足から激痛が走る

(ぐぬぅ……金剛と古鷹、そして叢雲の攻撃に流石に限界を迎えていたか……

危なかった…これ以上長引いたらこちらが負けていたのかもしれない……)

 

 

無茶がたたり脚からはかなりの流血と艤装が直ぐにでも爆発しそうな程ボロボロになっているが今にでも動きそうな叢雲を見るが一向に動く気配がない

 

 

「貴様の負けだ叢雲」

 

 

 

 

 





次回

信念

ボロボロになり指一つ動かせない叢雲は不意に昔の光景を夢に思い出す

金剛改二両実装されましたね!!
早くしたいけど、色々足らなくてつらい…



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