「………まだやるのか?
叢雲、貴様に勝ち目は無いぞ?」
「はっ……言ってなさい…あんたには絶対負けないわよ…」
叢雲は虚勢を張っているが全身はボロボロになっており立っているのがやっとであるが戦う意思だけは全く衰えていない
「……前言撤回しよう
貴様はただの犯罪者ではないな
お前は誇り高い、
敬意を払うよ」
「そりゃどうも……あんたに認められても嬉しくないけどね……」
「だからもう少し聞かせろ
何故だ、何故あんな男何だ?お前に頼っているだけのあんな惨めな男をそこまで信じられる戦える?」
「……あいつは私の全てよ
弱くて、情けなくて、虚勢ばかり張って、プライドだけ高い私を変えてくれた
戦い方をその意味を、私の存在全てを認めてくれて共に歩んでくれている
あんたはどうなのよ?戦艦長門
貴女は今何を信じて何で戦っているの?」
長門は直ぐにでも正義のためにと話そうとするが確かに自分が信じてるのは正義ではあるが何かこの叢雲とは違うと感じ口籠る
「それが貴女と私の違い
それにあいつはいつも仲間を動かしてくれる」
「古鷹ぁぁぁぁ!!!てめぇも我慢してんじゃねぇぞ!!」
再び佐渡の怒号が響き渡ると次は唇を噛み締めている古鷹に矛先が行くと古鷹は佐渡を見上げる
「俺は言ったよな!?我慢するなって!!
お前も俺の艦娘だ!!我慢は許さねぇ!!
叢雲に言いたいことがあるならきちんと伝えろ!!
アイツを信じろ!必ずお前の思いを成してくれる!!!
だから願え!!てめぇの願いを叢雲に伝えろ!!!」
佐渡の怒号は再び会場に響き渡ると古鷹は恐る恐る口を開こうとするが再び閉じてしまう
「
叢雲の言葉にハッとすると顔だけを古鷹に向けており頭だけを頷くと古鷹は涙をこらえ唇を震わせながら自らの願いを叢雲に伝える
「…お願い……叢雲…
皆を…提督を…私を…助けて!!」
古鷹の言葉を皮切りに金剛達も叢雲へエールを送る
「叢雲ー!長門なんかぶっ倒しちゃってくだサーイ!!」
「叢雲!お願い!長門を倒して!
信じてるからね!!貴女が勝つのを!」
「頼む!叢雲!長門を倒してくれ!!
お前なら倒せると信じてる!!」
「もう!貴女達は!!叢雲!負けるのは私も許さないからね!」
「任せておきなさい!!」
叢雲は空に拳を掲げると古鷹は微笑み金剛達も応援を始めると艤装を握り直し再び長門を睨み付ける
「……貴女確か正義がどうのこうの言ってたわね?」
「……あぁ、私は貴様ら深海と繋がる者達を深海棲艦を殲滅する
それが正義だ」
長門の言葉を聞くと叢雲はニヤリと笑いながら艤装を向けると言い放つ
「あんたのそれが正義なら
私の正義は仲間と共に歩みそれを助ける事こそが私の正義よ!!」
次回
限界
何とか傷を堪えながらも仲間の為に戦おうとする叢雲
古鷹達の願いを叶えることが出来るのか?