艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

324 / 594
謀略

時は少し遡り叢雲達の出撃前の時間に戻る

 

 

 

「さて、そんじゃ今回の作戦をお前らには伝える良いな?」

 

 

「良いわよ」

 

 

試合が始まる前佐渡は叢雲達を集め全員が艤装を付けた状態で佐渡を囲むように指示を待っている

 

 

「取り敢えず、まず最初に伝えておく

今回の作戦には全員の連携と全員の力が不可欠だ

良いな?」

 

 

「力?連携だけではないのか?」

 

 

グラーフが疑問に思い佐渡に問いかけると頷き今回の作戦の概要を話していく

 

 

「そうだ、今回は各自の役割分担を果たしてもらう

取り敢えず全員が対峙する者達を話す

まず、グラーフお前は赤城を一人で倒せ

何としてでも制空権を取らないといけない

出来るな?」

 

 

「……中々無茶を言ってくれるなアトミラール?

赤城とはかなり強力な空母なのだろ?

だが良いだろう任せておけ

何とかするさ」

 

 

「次に大井お前は磯風を倒せ」

 

 

「ちょっと……それ私一人に任せるんですか?

叢雲とほぼ似たような駆逐艦相手とか嫌ですよ?」

 

 

「まぁ、そこは金剛とコンビで頼む

多分一人だと勝てないだろうし」

 

 

「ちょっと待ってください何で一人だと無理だと決めつけるんですか?えぇ?」

 

 

「さっき嫌とか言ってませんでしたかぁ!?」

 

 

大井は眉間にシワを避けながら怒り佐渡の首を閉めており隣でエアがごほんと咳を鳴らすと首から手を離す

 

 

「次にイムヤ、お前にはかなり重要な物を持たせる」

 

 

「え?私?何を持たせるの?」

 

 

「これだ」

 

 

佐渡が木箱から取り出してイムヤ達に見せたのは大量の魚雷しかもそれには使用禁止の札が貼られており全員が何かを理解する

 

 

「こ、これって!?」

 

 

「まさか!あの魚雷!?」

 

 

「そうだ、特殊魚雷名付けて誘爆型単装魚雷(ゆうばくがたたんそうぎょらい)

悪いんだかこれを持ってもらう」

 

 

イムヤは生唾を飲むとゆっくりとその魚雷を持ち上げる異様に重いそしてかなり装甲が薄く中にある弾薬が傾けるだけで手に感覚として分かる

 

 

「イムヤ、こいつをお前預けるのはお前を信用してるからだ良いな?

嫌なら良い他の作戦にーー」

 

 

「いや、やるわ

やってみせる!任せて司令官!!」

 

 

イムヤの返事と表情は自信に満ち溢れており佐渡は微笑みながら頭を撫でる

 

 

「良し!それなら任せるぞ?

お前は綾波を相手してもらう

くれぐれも油断はするか相手は潜水艦を何度も相手している強者だ

そして、こいつを負ける寸前にばら蒔いて欲しいんだ」

 

 

「ばら蒔く?でもそんなことをしたらーー」

 

 

「そこは大丈夫だ、信じておけ」

 

 

佐渡の言葉を信じイムヤは佐渡から渡された誘爆型単装魚雷を艤装にしまうと改めてその重さを実感する

 

 

「次に金剛、お前にも重要な役割を任せる」

 

 

「ハーイ!何でしょうか?」

 

 

「お前には長門と対峙してもらう」

 

 

佐渡の言葉に一度ざわめくが叢雲だけは目を閉じ聞いていた

 

 

「て、提督…」

 

 

「頼む、お前にしか任せられないんだ」

 

 

金剛は声を出そうとするが佐渡の真っ直ぐな目を見ると本気で信頼してくれていると理解し頷く

 

 

「分かりました、やりましょう」

 

 

「すまん、任せる

やることは二つ

一つは長門の脚部艤装の破壊と奴の耐久を出来るだけ削れ

二つ目のは出来なくても構わない

奴に不幸を伝染させろ」

 

 

「不幸を……デースか?」

 

 

「あぁ、出来ればで構わん頼めるか?」

 

 

「良いデースよ!任せてくださーい!!」

 

 

金剛が元気良く返事を返すと次に古鷹と叢雲に向き直ると最後の作戦を二人に告げる

 

 

「そして、古鷹叢雲は利根、陸奥、長門の三人を相手してもらう」

 

 

「分かりました」

 

 

「任せなさい」

 

 

「恐らく利根と陸奥はそこまで障害にはならないが長門には気を付けろ

奴が陸奥を傷つけられれば黙ってるわけがないからな

まずは二人の撃破、そして長門だ」

 

 

「了解です」

 

 

「分かったわ」

 

 

「二人を撃破した後恐らく夜戦に突入する

そしたら、古鷹頼むぞ

お前の光が頼りだ」

 

 

佐渡はそう言うと古鷹の左頬を撫でると嬉しそうに微笑むと胸を叩く

 

 

「任せてください!夜戦は得意ですから!!」

 

 

古鷹の言葉を聞くと佐渡は微笑み叢雲の目の前に立つと叢雲はゆっくりと瞳を開ける

 

 

「……作戦は理解したな?

相棒(バディ)

 

 

「イムヤのばらまいた魚雷にアイツを誘導し完全に動けなくなったら私の雷撃でトドメでしょ」

 

 

「流石だな相棒(バディ)

行けそうか?」

 

 

「私を誰だと思ってるの?

任せておきなさい

必ず勝って見せるわ」

 

 

佐渡が拳を出すと叢雲もそれに合わせて拳を合わせると二人ともニヤリと微笑む

 

 

「長門はまともな相手ではない

ならこちらもそれ相応の攻撃を仕掛ける

グラーフ、大井は赤城、磯風の撃破

イムヤ、綾波を倒し誘爆型を仕掛け

金剛、古鷹で長門の耐久を削り足の艤装を破壊し

叢雲が、ラストの雷撃で奴を完全に破壊する!

頼むぞ!!お前達!!

誰一人としてミスは許されない!」

 

 

佐渡の作戦と気迫に少し押されているが叢雲は毅然としており微笑んでいると佐渡も微笑む

 

 

 

「と言うわけだ、今回は全員連携が大事になる

各々の役割を忘れるなよ?」

 

 

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 




次回

孤高の一匹狼

佐渡の作戦が発動し叢雲の雷撃が長門に食らいつく!
VS長門編クライマックスです!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。