「何だと!?」
「あの長門の艤装が!?」
元帥達は驚き慌てながらも東雲だけはそれを理解していたかの様に頬をつり上げながらニヤリと笑っていた
「ほう?あの戦艦を壊したか、駆逐艦叢雲」
「嘘!?」
「長門の艤装が爆発した!?」
阿武隈達がその結果に驚いていると猿橋は口笛を吹くと笑いが止まらない
「はは!やべぇな、あの駆逐艦
やるじゃねぇかよ!!」
「な、何だと!?」
「嘘……長門の艤装が…?」
「ぶっ壊れたデース!」
勝利を確信していた磯風は唖然とした表情をしながら金剛達は嬉しさに跳び跳ねたりしていると古鷹が微笑むと涙を流す
「流石だね……叢雲…」
観客も全員ざわめきながら倒れる長門を見ると既に偽装は全て破壊されており最早動ける状態ではない
「馬鹿な!
長門があの駆逐艦に負けたのか!?」
インカム越しに聞こえる唐澤の声は明らかに動揺しており目の前でも手すりに掴まりながれ前に身体を前に乗り出していた
「佐渡!」
「あぁ、計算通りだ
良くやったぞ叢雲」
長門が水面に倒れると判定を寸前までしていた大淀は混乱しながらも唖然としており実況をしている羽田を見ると頷いているのが見えると大淀も頷きマイクを取り出す
「えー、長門の艤装爆発を確認!
二人が二分以上立ち上がらない場合この試合は延長戦に持ち込まれます
その場合、最後まで残っていた叢雲と長門の一騎討ちになります
なので申し訳ございませんがお客様方今しばらくーー」
「おい!あの女の子動いてるぞ!!」
と大淀が説明している中観客の声が響き渡り全員の目が倒れているもう一人に集中する
「嘘……叢雲…さん?」
先程長門の主砲を受け倒れ全く動いていなかった叢雲が片手で艤装を握り締めておりゆっくりとその身体を動かしながら何とか立ち上がろうとしている
全身の傷口からは出血をしており身体は既に動かないほどにボロボロなのに
「おいおい……アイツ大丈夫かよ……」
「あんなにボロボロになっても動くなんて……」
「おい!無理すんなよ!休んでろって!!」
観客席からはそんな声が聞こえるが叢雲は気にせず起き上がろうとするが血で艤装が滑り立ち上がる寸前で再び倒れてしまう
「叢雲……」
「駄目…見ていられない!!」
大井が叢雲を助けようと動くと古鷹がそれを止める
「古鷹さん退いて!叢雲が!」
「駄目だよ!これは叢雲の戦いなの!私達は手を出しては行けないの!」
「でもーーー」
「耐えろ!耐えるんだ!大井!!」
グラーフが大井の肩を掴み何とか止めようとするが大井はその静止を振り切り叢雲に向かおうとすると会場全体に声が響き渡る
「立ち上がれ!叢雲!!
まだ戦いは終わってない!!
見せつけてやれ!!お前が勝ったと言う真実をな!!」
佐渡の言葉が響き渡ると倒れていた叢雲が再び艤装を水面に突き刺し何とか立ち上がろうと必死に足掻いていると会場からも声援が響き渡る
「頑張れー!叢雲ー!」
「もう少しよ!立ち上げれば貴女の勝ちよ!!」
「見せてくれ!駆逐艦でも戦艦を倒せるってことを!!」
会場からの声援を聞いてるのか聞いてないのかは分からないが叢雲は何とかして立ち上がろうとする
(グラグラする……力が入らない……
全身が痛い……出血も傷口も酷い……
それでも立ち上がれば良いんだ……
もう少しだけ動いて…私の身体!!)
最後の気力を振り絞り何とか叢雲は艤装を杖にしながら立ち上がる
全身は傷だらけで艤装も黒煙を上げいつ爆発しても可笑しくない位に損傷しボロボロになりながらも何とか
「あり得ない……嘘…叢雲さん…」
叢雲は虚ろな目をしながら艤装を片手で支えると真っ直ぐ空に向けて拳と共に空になった四連装魚雷を掲げると大淀は喜びながら最後の判定を言い渡す
「長門!戦闘不能!!
勝者!雷撃姫駆逐艦叢雲!!
優勝は!小笠原鎮守府!!!」
「試合終了ぉぉぉ!!
勝者は小笠原鎮守府所属!
雷撃姫!駆逐艦叢雲だぁぁぁぁぁ!!!」
その判定と共に会場の盛り上がりは一気に最高潮まで達しクラッカーが鳴り響き叢雲は力無く笑うと佐渡も笑う
「勝っ…た……わよ…佐…渡……!!」
「良くやったぞ、俺の
ありがとう、俺のわがままを叶えてくれて」
次回
最強の駆逐艦叢雲
遂に大演習決着!
幾度と無く危険な状態から何とか立ち上がり勝利を勝ち取った叢雲
これで終わりのはずが?