艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大演習会 後日談 五

「ふぅ……やっと終わった気がするぜ…」

 

 

佐渡は自らのやることを全て終わらせ現在最後の仕事に取りかかる

(『彼女』とは話を付けた

唐澤大将との話も…何とかしないとか

後はこれだけか)

 

 

佐渡が来ていたのは呼び出されていた東雲の部屋の前に来ておりノックをすると中から東雲の声が聞こえる

 

 

『入れ、佐渡』

 

 

「失礼します」

 

 

部屋の扉を開けるとそこには東雲が目の前に座りその隣に秘書艦矢矧と羽田、大淀の姿があり椅子が一つだけ設けられていた

 

 

「まぁ、座れ佐渡大尉」

 

 

「はい」

 

 

席に座るとドアを閉められる

酒匂(さかわ)がドアに立っておりそのまま佐渡の横を通り抜け東雲の隣に立つ

 

 

 

「さてと、では今回の取引の内容を再確認しようか?

佐渡大尉?」

 

 

すると東雲は資料を取り出すと全てを読むと佐渡はそれに頷きそれが正しいと言うことを認める

 

 

「ーーと言うわけだ、異論は無いな?」

 

 

「ありません」

 

 

「なら良し、では約束通りお前達の罪を全て消すことにしよう」

 

 

東雲はパソコンのキーボードを叩き今まで小笠原鎮守府に居る艦娘達の罪や履歴を全て削除するとその削除したパソコンを佐渡に見せる

 

 

「これで、お前達の罪は消えた

良かったなこれで晴れてお前達は『普通の海兵に戻れた』わけだ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

佐渡はそのパソコンを確認すると頭を下げ羽田が拍手をする

 

 

「おめでとう佐渡提督

これで君達は普通に戻れたわけだね

本当に良かったよ…」

 

 

「ありがとうございます

羽田元帥」

 

 

どこか浮かない顔の佐渡に東雲はニヤニヤしながらその次の話をし始める

 

 

「それでこれな

お前の鎮守府に所属する艦娘達の解体申請書だ」

 

 

東雲はその解体申請書にライターで火を付けると灰皿に起きゆっくりと燃えていく様を見ながら佐渡に笑いかける

 

 

「これで貴様らの解体は無しだ

解体申請書は一度作ると再度発行するのに時間がかかるからなぁ?」

 

 

「……へぇ、あんたが本当に約束を守るとはね

正直思わなかったよ」

 

 

「は、これでも大元帥だからな

約束は守るとしようじゃないか?

お前達は幾つもの強豪を撃破した

今成長しつつある軽巡北上率いる佐伯鎮守府

戦艦棲姫襲撃後再び強くなりつつ阿武隈率いる沖縄鎮守府

そして、最強が集まるとされる長門率いる舞鶴鎮守府

 

これだけの奴等を撃破してお前達は優勝した

お前達を認めざるを得ないだろう?

 

流石は俺が見込んだ男だ」

 

 

「そりゃどうも」

 

 

すると東雲が酒匂に合図を出すと酒匂は引き出しからある封書を取り出すと佐渡に手渡す

 

 

「それとそいつは俺からの選別だ」

 

 

「何だこりゃ?」

 

 

佐渡は封書の中身を開けるとそれは転属願いと報酬願いが入っていたのだが転属願いはわかるのだが

 

 

「……何だこの報酬願いって?」

 

 

「そいつは、戦果を上げた者に渡されるもんだ

簡単に言えばどんなものでも海軍が報酬として用意するって物だ」

 

 

「………何が目的だ?」

 

 

流石の大盤振る舞いに佐渡は疑り深くなるが東雲は笑いながら佐渡の隣に歩いていく

 

 

「ハハハ!なぁにただの報酬さ

それとその転属願いはすぐに受理されるようになっている

出せば必ずどこにでも行けるぞ?」

 

 

そして、佐渡の肩に手を置くと耳元で小さな声で呟く

 

 

「お前の所に艦娘を送る

そいつの前払い見たいなもんさ」

 

 

(やっぱりか……)

 

 

佐渡はため息を付くと椅子から立ち上がるとその二つの書類を貰っていくと東雲の部屋を後にする

 

 

「ではありがたく貰っていきます

失礼します」

 

 

佐渡は東雲の部屋から出ると書類を睨みながら今後の事に関して深いため息を付くと歩いていく

 

 

 

佐渡が去った後東雲はパソコンを弄りながら海軍のデータベースにアクセスすると小笠原の者達のデータを消していく

 

 

「東雲大元帥、よろしかったのですか?」

 

 

「なにがだ?」

 

 

「いえ……古鷹の罪まで消してしまって」

 

 

「なぁに構わねぇさ

それにその話は既に俺が政府に話は通してある問題ないさ」

 

 

東雲はアクセスしていると重要機密書類と記入してあるファイルを開くと古鷹の証明写真と共に右に罪状が書かれている

 

 

「………消去(デリート)

 

 

古鷹の罪状を全て削除するとそれを保存しパソコンの電源を落とす

 

 

 

 

 




次回

深海棲艦として

大演習会を最後まで見ていたエアは決断をしようとする
それは自らの使命の為かそれとも


イベントに向けてレベリングしてますが99の壁が厚い()



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