艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大演習会 後日談 七

「ーーと言うわけで今回の大演習会で優勝を果たした俺達には全ての罪などが無くなったわけだ!!」

 

 

次の日佐渡は全員を叢雲の病室に集まると東雲との取引がきちんと果たしてもらったことを伝える

 

 

「えぇ、昨日あんたからの依頼で海軍のデータベースを覗いたけどあんた達の罪は全て消され戦果だけになってたわ」

 

 

エアがその隣に立つとそれが事実であることを証明すると大井達はもう一つの疑問を聞く

 

 

「では、私達の異動は?」

 

 

「それもない、じじいが無くしたらしい」

 

 

「じゃあ、解体はどうなったんだ

アトミラール?」

 

 

「そいつもじじいが目の前で燃やしたよ

奴に実力を証明できたからな」

 

 

「なら私達は!!」

 

 

「そうだ、お前達は『普通』の艦娘に戻った訳だ!」

 

 

「「「「やったー!!」」」」

 

 

全ての罪等が消され金剛達は叢雲を囲みながら喜ぶと叢雲も微笑みながらその快挙に喜んでいると佐渡は人数分の紙を手渡す

 

 

「提督?これは?」

 

 

「転属願いだ」

 

 

突然渡された転属願いに一同焦っていると佐渡は溜め息混じりに話し出す

 

 

「お前達はもう自由だ

どの鎮守府に行こうがやっていけるだろう

だからあの何にもない鎮守府より他の鎮守府が良いと思ってな

あそこには娯楽も姉妹も居ないし大変な事が多いからな」

 

 

全員は顔を見合わせていくと叢雲は笑いながらその紙をぐしゃぐしゃにすると佐渡に投げ付ける

 

 

「悪いんだけど、私はあんたの側を離れる気は無いわよ?」

 

 

「……まぁ叢雲はこうなるよな…

知ってたけどさ…

他の鎮守府行きたいとか思わないのか?」

 

 

「ないわね」

 

 

「即答かよ」

 

 

叢雲の返答が終わると大井はゴミ箱にその紙を持っていくと再び初めて会ったときの様にビリビリに破いて捨てる

 

 

「えっと……大井さんや?

北上さんの居る佐伯には行かないの?」

 

 

「そうですね、行きたいですが

やはり叢雲と古鷹さんを放置して他の鎮守府に行く気は無いです

貴方と言う変態に任せておけませんし私が見てないと貴方二人に迷惑かけるじゃないですか?」

 

 

「まだ信用ないの!俺!?」

 

 

大井はそう言いながらも微笑んでおり金剛はその書類をそのままゴミ箱に捨てると佐渡に抱き付く

 

 

「提督ー!私は小笠原が良いヨー!

他の所なんて行きたくないデース!」

 

 

「いやあのね金剛さん?

実は君にもかなりの勧誘来てるんだよ?」

 

 

「んー、それでもやっぱり私の提督は貴方だけデース!

佐渡さん以外あり得ないから私は小笠原に居たい!!」

 

 

金剛が抱き付いているとイムヤもその紙を畳むと佐渡に返す

 

 

「私も小笠原が良いかな

確かにゴーヤとかイクの所にも行きたいけど私を助けてくれたのはやっぱり司令官だし」

 

 

「だからなイムヤ

俺は別にお前を助けたくてじゃなくて頼まれて仕方なくーー」

 

 

「でも、もし私が助けを求めてたら助けてたでしょ?」

 

 

「勿論当たり前だろ?」

 

 

「ほら、そう言うところ

他の司令官だと信用できないからね

そーれーに、司令官のご飯じゃないと満足出来ない程に胃袋掴まれちゃってるしね!!」

 

 

皆の答えを聞きながらグラーフは一人悩んでいるとその紙をエアが横取りする

 

 

「エア!返してくれ!!」

 

 

「あんたの考えてること当ててあげる

私は皆の迷惑になると思ってるでしょ」

 

 

「!?」

 

 

「正解みたいね

私の洞察力舐めないでよ?

あんたの考えなんて簡単に分かるわよ」

 

 

グラーフは見事エアに考えを見抜かれると黙ってしまいゆっくりと佐渡に近付く

 

 

「………アトミラール

私は、どうすれば良いと思う?

私が造られた目的は提督達の慰安の為だ

だから分からない

今私はどう進めば良いのか…」

 

 

するとグラーフの頭にリンゴがぶつけられ痛みでその投げた人を見ると叢雲が呆れた顔をしていた

 

 

「あのね、前に言ったわよね?

あんたの好きにしなさい

どんな物を選んでも私達は攻めないわ

あんたの道はあんたが決めるのよ」

 

 

「そうだぞ、グラーフ

お前がどんな選択をしようが俺はお前を止めない

だからお前が選べ

道は自分で決めるもんだ」

 

 

グラーフは叢雲や皆を見ると微笑んでおり胸に手を当てると決心がつき佐渡に話す

 

 

「……私は小笠原に居たい

皆と共に歩んでいきたい!

だから居させてくれ!」

 

 

「ほらきた、それならこいつはいらないわよね!」

 

 

エアは紙をぐしゃぐしゃにするとそれをゴミ箱に捨てる

そして、佐渡は全員の顔を見る

 

 

 

「これで良いんだなお前達

俺の元に残るって選択で」

 

 

「当然よ」

 

 

「これから更にキツイトレーニングもやってもらうぞ?」

 

 

「バッチコイデース!!」

 

 

「もしかしたら他の深海棲艦からの強襲もあるかも知れない」

 

 

「その時は海の底に引きずり込んで上げるわよ!!」

 

 

「選択に悔いはないな?」

 

 

「あぁ!私達はアトミラールと共にある!!」

 

 

全員の答えに笑みを浮かべる

 

 

「では、改めて皆!

これからもよろしく頼むぞ!!」

 

 

「「「「はい!!」」」」

 

 

 

大演習会での取引が終わり全員が小笠原に残ると決まり全ての問題が無くなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、佐渡は最後の転属届けを一枚だけを隠す

最後の一人の為に

 

 

 

 

 





次回

記憶 

時は少し戻りある鎮守府の提督と艦娘達の決断の話になります
提督は一人の艦娘の為に苦渋の選択をする

やっと古鷹さんがレベ99になりますわぁ……
これでイベントも大丈夫かな?



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