時は再び遡り現在は大演習会終了後
表彰式に向かう最中に唐澤に呼び止められ佐渡は唐澤、陸奥、磯風に連れられある部屋に招かれていた
「唐澤大将、俺をここに連れてきて平気なんですか?」
「あぁ、ここでしか話せない事だからな」
そこは大本営の人間でしかも限られた人間のみが入れるシークレットルームと言うな飲食店
その内装はそこそこ暗くテーブルが四つほどしかない
「座ってくれ佐渡」
「ほいほい」
佐渡が座ると他の唐澤、陸奥、磯風も席に座るとテーブルの上の鐘を鳴らすと後ろからウェイターが出てくる
「はい、何になさいますか?」
「いつものを頼む」
「分かりました」
するとウェイターは下がると佐渡は何を注文したかも分からないが待っていると奥から色々とメニューが出てくる
「………わーお」
「お待たせ致しました
こちらフォアグラのステーキにフカヒレスープ
新鮮野菜のサラダ、松阪牛のハンバーグ、フグの刺身になります」
運ばれてきた料理はどれも高そうではあるが佐渡の手持ちにはそれに見合う金を持ち合わせていない
「私の奢りだ
半分は君達の勝利祝いと半分はちょっとした前払いだ」
「ほほう?そりゃまた
では遠慮なく頂きますよ?」
佐渡と唐澤達は共に食事を楽しみながら黙々と食べていき最後のデザートが運ばれてきたときに佐渡が本題に聞きにかかる
「それで、俺に何の用ですか?
唐澤大将ともあろうお方がこの底辺の俺に」
「辞めてくれ、私はそこまで君を見下してなんていない
むしろ羨ましいよ君が」
「羨ましい?俺が?」
すると唐澤は手を止め佐渡を見ると羨ましそうな目を向ける
「あぁ、陸軍特殊部隊現場 指揮官 元 元帥
佐渡 満通り名を死神又の名を戦闘の天才よ」
「……………………………誰から聞いた貴様?」
唐澤がそう言った瞬間その場に凍りつく佐渡は一瞬で今までの温厚な態度と違い冷たく殺気だけを向けている
その殺気に陸奥も磯風もその場に凍り付き唐澤も恐れを抱くが何とか話を続ける
「聞いたのは東雲大元帥からだ
……すまない、これは話さなくても良かったな
私が知っているのは君が陸軍の時にどこに所属していた位だだからーーー」
その瞬間唐澤の目の前にナイフが突き付けられるあまりの早さとしなやかな動きに陸奥も磯風も動けずに唐澤も驚きのあまり動けなかった
「そんな話をするためなら私はここを去る
お前達全員殺してな
死にたくなければこれ以上私の過去を語るな」
「わ、わかった…」
「………まぁいい、それで俺に何の用なんすか?」
先程の冷たい刺すような殺気を消すと佐渡は再び目の前にある珈琲に口をつけると唐澤も本題に入る
「……実は長門に関してなんだ」
その言葉に佐渡はピクッと反応するがすぐにまた珈琲に口をつけていると唐澤が続ける
「彼女を小笠原に置いてくれないか?」
「…………はい?」
唐澤の予想外過ぎる発言に佐渡はすっとんきょうな声をあげてしまい唖然とする
次回
長門を小笠原に置いてほしい
それは唐澤が下した最後の決断にして決意だった
後数話でこの章は終わりになります!