「……え?」
「じゃ、good-bye!大井!!」
「ちょっとまっ……!!!」
アイオワに、詳しく尋ねようとしたが、アイワナの行く手に別の戦艦が見えてしまい慌てて頭を下げる
「アイオワ、あれと何を話していたんだ?」
「んー?ちょっとしたアドバイスですよ?」
そうかともう一人の戦艦は、アイオワと歩き始めるが、アイオワは歩みを止め、大井の事をチラッと見る
「そう、アドバイスよ…
ふふふ」
アイオワは、口元を不気味に吊り上げながら、目の前を歩く戦艦に悟らせない程に上手く隠しながら、再び笑顔になり戦艦に付いていく
大井は二人が居なくなったのを確認すると、頭を上げ先程までのアイオワの言葉を思い出す
二一○○……
その時間は、確か海軍のお偉いさんが二人執務室に来るはずだけどなんなのだろうか…
と思っているが近くの時計が八時を知らせるとそんなことより執務をしないと行けないのを思い出し、早歩きで食堂に向かう
食堂につくと、いつもの朝食セットを食券を購入し、食堂のおばさんに持っていく
「あら?大井ちゃんおはよう!」
「おはようございます」
食券を持っていくと、この食堂のおばさんが出てきて挨拶をしてくれる
この鎮守府の、数少ない『普通』の人間だ
おばさんは、テーブルに両手を付き食券を切り、他の方に渡すと「ちょっと待って」と大井を引き留める
「これ!うちで作ってきた佃煮何だけどさ、味見がてら貰ってくれない?」
「い、いえ!悪いですよ!!」
「いーのいーの!!いつも提督の世話してるんだから頑張ってね!」
おばさんは、無理矢理大井にタッパーに入った佃煮を押し付けると、ヒラヒラと手をふり、朝食セットの準備をする
大井は、申し訳なさそうにお辞儀をすると、その佃煮を直ぐ様艤装の中に隠す
しばらくして、朝食セットが出来上がり、それを取りに行き、そのまま提督室へと持っていく
その最中に、何度か空母達とすれ違うが、先程までの様に端には避けない
空母達も、大井を避けていく
下手に手をだすとこちらが木原に何をされるのか分からないからである
前に邪魔だと殴った戦艦が、『不慮の事故』で轟沈したと言う話を聞いたが空母達は、大井とすれ違う途中に舌打ちをする
提督室に着くと、扉を叩き部屋を開ける
「提督、朝食です」
提督室では、木原が電気も付けずにゲームに集中しており、大井に気付かない
大井は、木原が終わりそうなタイミングを待ち、そのまま立っている
少しすると、木原がゲームのコントローラーを置き煙草吸おうとしたところ再び声をかける
「お食事です、提督」
「んー」