艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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過去を乗り越えるのは並大抵の事ではない
その傷が深ければ深いほどに







『古鷹ーおんぶしてー』

 

 

『ねぇ!古鷹さん今度遊園地行かない?』

 

 

『古鷹さん古鷹さん!聞いてくださいよ!

な、何と!この鎮守府夜にお化けが出るらしいんですよ!』

 

 

(……懐かしい声でも今は好きじゃない

辞めて……その声で私の名前を呼ばないで……)

 

 

『おー古鷹ー料理上手いんだなー

そうだ!今度皆でピクニック行こうぜ?』

 

 

『お!良いね行こっか!ってーーは行っても寝てそうだけど?』

 

 

『もう!古鷹さんにあんまり迷惑かけちゃ駄目だよ!』

 

 

(辞めて……お願い…私の名前を呼ばないで…

忘れたいの……私の事を呼ばないで…)

 

 

『古鷹にはいつも助けられてるな…

提督として頑張らないとな!』

 

 

『あ!古鷹!大丈夫か!

さっきの出撃で怪我したって聞いたけど!?』

 

 

(心配しないで……優しくしないで…)

 

 

『聞いてくれ!古鷹!皆の活躍で大尉になれたんだ!

だから!昇格祝いに皆でご飯でもいかないか!?』

 

 

『なぁ、古鷹俺は君達にどれほど戦わせれば良いんだろうな……

俺も一緒に戦いたいよ…俺も…』

 

 

(辞めて……お願い辞めて…もう私を縛らないで……)

 

 

『逃げろ!古鷹!お前だけでも!』

 

 

『古鷹!!』

 

 

(逃げたいよ……もうやだよ…苦しみたくないよ…)

 

 

『古鷹一番艦古鷹、お前をーーーで連行する』

 

 

『やめろ!!古鷹は違う!!』

 

 

(そうだよ!私じゃない!!私はなにもしてないのに!!)

 

 

『どうだ?吐けば楽になるぞぉ?』

 

 

『あ、そうだこれも試してみようぜ!』

 

 

(辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて辞めて!!!!

来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで!!!)

 

 

『……哀れだな艦娘古鷹

お前がやった罪は重い

私がもう貴様を殺してやろう』

 

 

『ーーさんやっさしー!

犯罪者に情けなんて素晴らしいですね!』

 

 

(違う!!私じゃない!!何で何で何で!!)

 

 

 

『お前がやったんだろ!!嘘をつくな!!』

 

 

『犯罪者め!早く死ね!!』

 

 

『消えろ!!お前は海軍の汚点だ!!』

 

 

(何でよ……私じゃないのに…助けてよ……『提督』!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『彼女が犯人です……』

 

 

 

「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

少女は飛び起きる周りの事なんて気に出来るほどに精神状態が安定しておらず辺りを見渡す

記憶が混濁し自分がどこに居るかも分からないほどに彼女は錯乱していた

 

 

「……どこ……ここ…分からない…」

 

 

彼女が手をつくとそれは柔らかくそれを見ると抱き枕なのに彼女には幻覚症状が現れそれが人間の死体に見えた

 

 

「ひっ!逃げなきゃ……ここから!!」

 

 

ゆっくりと起き上がると汗でぐしゃぐしゃになったシャツ姿で扉まで行くとふらつく足と歪む視界に耐えながら部屋を後にしようとする

そして、頭の中に反響する声に導かれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早く……死ななきゃ…」

 

 

 




次回

異変

ある艦娘を襲う幻覚とその他の症状
この小笠原鎮守府に何もない艦娘何てのは誰一人として居ない



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