佐渡は一人シャワーを浴びながら悩んでいた壁に拳を突き立て何度も自分を痛め付けながら
「クソ!クソ!何してやがるんだ!俺は!!」
仕舞いには頭を壁にぶつけると頭から血を流しているのにも関わらず悔しそうに歯を食い縛っていた
「古鷹を助けるつもりが何苦しめてんだよ……
これじゃ
クソ!!」
自分が焦り古鷹を無理に過去と向き合わせようとしそれが失敗に終わり自らを痛め付けていた
「………だが何とかしないとな…」
「全く、何してるのよあんたは」
ふとそんな声が聞こえ振り返るとそこには浴場の扉を開けながらため息混じりに佐渡を見ているエアが居た
「え、エア!?お前!何で男風呂にってその前に腕の傷はどうした!?」
「別に男の裸なんて見慣れてるわよ
何人も殺してきたし、後高速修復剤貰ったわよ
どうせあんまり使わないでしょ?」
「いや!そうじゃなくて!」
「平気よ、水着着てるし」
そう言われるとエアを凝視すると、真っ黒なビキニを着ており佐渡の後ろを通り過ぎるとそのまま湯船に浸かる
「あれが、あの娘がここに来た理由?」
「……あぁ、ここに来た時からある発作でな
今までほとんど起こさなかったのにな…」
エアが聞くと素直に答え「ふーん」と答えると佐渡に背を向ける
「まぁ、ある意味
「そうだな……すまないエア助かったよ
怪我までさせて……本当にすまない」
「別にあの程度怪我に入らないわよ
少しビリッと来た位だしね」
エアは軽く流すがやはり佐渡が浮かない顔をしているのを見ると湯船からお湯をかける
「………何すんだよ?」
「その顔がムカつくだけよ
で、どうするの古鷹は」
「……様子見しかないな
アイツの過去は簡単に言える代物じゃない」
「ふーん、でもそうは行かないんじゃないかしら?」
ここは場所変わり工廠
金剛達は無言でエアとイーちゃんが破壊したスクラップマシンの破片を掃除し妖精達は直すものを直していた
「………やっぱり気になりマース」
「……だな」
金剛とグラーフはあらかた片付けると親方に詰め寄る
「親方、話がありマース」
「………言っとくが俺は知らないぞ」
「だが、貴方はここに長く居るではないか?
何かアトミラールから聞いてないのか?」
「………あぁ、奴からは何も聞いてない
ただ、初めてここに来た古鷹は今とは別人だった
暗く、何かに怯え、恐れ、疲れきっていた
ああいうのを何度か見たことあるがそう言うのじゃ無かった
提督に聞こうとしても「ごめんなさい」で通されてたからな
あそこまで酷かったのは初めてだ」
親方は振り返らずとも落ち込んでいるのが分かった
自らの工廠を荒らされたよりも佐渡が隠している彼女の真実を知れていなかったことに
「………何で、提督は話してくれないんデース」
「あいつは言ってた
『親方さんまで彼女を背負わせる訳にはいかない』ってな
多分あるんだろ
あの娘の過去を知ると言うことはそれなりの覚悟がいるってな」
するとそこで金剛が思い出すもしかしたらここに一人だけその過去を知り得ているかも知れない人物がいると
「そう言えば、長門
私達と古鷹を犯罪者って呼んでましたネ?
貴女知ってるんじゃないデースか?」
「いや、すまない私が知っているのは
それとそれに関しても私は佐渡提督に口止めされているんだ」
その言葉を聞いた瞬間に金剛が長門の首元を持ち上げ睨み付けるが長門は申し訳なさそうな顔をしており舌打ちをする
「もう良いデース
提督に直に聞きマース!」
金剛は全員をおいていこうとすると後ろから親方の声が聞こえる
「金剛ちゃん!あの娘の過去を聞くって事はあの娘を背負い傷を大きくするって事だ!!
それでも知りたいのか!?」
その言葉にピタッと金剛は止まるが振り返り親方を睨む
「私はあの人達に救われました
だから次は古鷹を助けたいの
あの人が傷付いても私は癒してあげたい共に居たい
一人で苦しむのは辛い事だから私達を頼ってほしいのよ
それを誰よりも私は理解してるから
あの人達の力になりたいのだから私は真実を知りたい」
そう言うと工廠の扉を勢い良く開け一人出ていってしまうとグラーフも笑いながら歩き始める
「グラーフちゃんもかい?」
「あぁ、私は一人で誰も仲間も知り合いも居ないこの地に来て売られそうな所をあの人達に救われた
だから次は私も力になりたいんだ
親方は違うのか?」
「俺は……」
「私は行く、誰よりも優しい彼女をもっと知りたいのだ
そして仲間として助けたいんだ」
するとグラーフも工廠を出ていき親方はしばらく唸ると「あーーー!!!」と叫び近くの艦載機に乗ると航行を開始する
「全く!知らない事があるってのもムカつくなぁ!!畜生!!」
親方も工廠を出ていくと一人長門が工廠に残されており全員の意思を見ているとエアの言葉を思い出す
無知は罪よ正義の戦艦
お前がやったことは正義でも何でもない
ただの自己満足よ
「……私の知らない真実があると言うのか
ここには」
そして長門も立ち上がりその真実を確かめるために佐渡へと向かい歩き始める
次回
教えて!!
金剛達は自らの思いと共に佐渡に詰め寄る
彼女の真実を確かめるために