初めて着任したのこの鎮守府正直全く分からないことだらけだった
その日は私の着任パーティーを開いてもらい不知火さん、五月雨さん、藤谷さんの三人で思い切り楽しみはしゃいでいた
「古鷹さんは重巡何ですよね!」
「う、うん
ごめんね?そんなに大きくなさそうだしよ弱そうで……」
「そんなことありません
この鎮守府には全く戦力がありませんからね
ね?司令?」
不知火さんの言葉にびくんと藤谷さんが震えると「あはは」と言いながら目をそらす
「ま、まぁ!そんなことより今日は楽しもうよ!
これから増えていくとは思うからさ!!」
すると藤谷さんは飲み物を片手にこちらに来ると五月雨さんと私の肩に腕を回し楽しもうとしている
「全く、仕方無いですね
本日だけは多目にみましょう」
「やったぜ!!よっしゃ!じゃあ今日は楽しもう!!」
不知火さんも微笑みながらも藤谷さんの事を許し五月雨さんも楽しんでいる
あぁ……これが鎮守府何だ…仲間なんだ…楽しいな…
と観賞に浸っていると藤谷さんが手を取り私もそれに付いていくように歩いていく
「今日からよろしくな!古鷹さん!」
「はい!提督!!」
そして、楽しい夜は過ぎていき私は次の日から哨戒任務に付こうと…思ったのだが
「わぁ!」
艤装で海を歩くと言うとのはかなり難しく何度か練習を重ねているが上手く歩けそうになかった
「大丈夫ですか?古鷹さん」
「だ、大丈夫……おっとと!」
「大丈夫と言いながら何回も転んでますよ?」
「うぅ……ごめん…」
『まぁ、下手に気にするな!
今日はとりあえず古鷹を海の上で歩かせるのが目標だな!』
全く海上を歩くと言うことが出来ず五月雨さんや不知火さんの手助けを受けながら結局一日が経過してしまいやっと夜になった頃に私は海上を歩けるようになっていた
「やった!出来た!!」
「流石古鷹さんですね!」
「ぬい、普通は二日間位なのに良く出来ますね
流石です」
二人に褒められ悪い気がせずに少し照れているとインカムから藤谷さんの声が聞こえる
『どうだ?古鷹は動けるようになったか?』
「はい、完璧です」
『何だと!それ本当!?』
「はい!やっぱり古鷹さんは凄いですね!!」
インカムからは喜んでいる藤谷さんの声が聞こえると同時に少し涙ぐむような声も聞こえる
『そうかそうか……また五月雨みたいに一週間とかはかからなかったのか…良かった良かった…』
「一週…間?」
「ちょちょ!提督!!」
『不知火の時は五日間ほどかかったよなぁ……いい思い出だ……』
「……司令、帰ったら覚えといてくださいね?」
『あ!やべ通信切り忘れてた!
サラバだ!!』
その声と同時にブツンと通信が切れると五月雨さんと不知火さんが私に詰め寄ってくる
「わ、私は元々こう言うの苦手だっただけだからね!!
違うからね!!」
「う、うん?そうなんだ?」
「司令の言葉を真に受けないでくださいね?
古鷹さん?私も一日でマスターしましたからね?」
「へ、へぇ…流石だね!」
と言うと二人は顔を見合わせると同時に
「提督!!!!!(司令!!!!!)」
と叫びながら鎮守府へ走っていくのを見ると流石に苦笑いが漏れるのだが
「あ、ちょ、ちょっと!待ってよ!二人とも!!」
まだ馴れたての艤装でゆっくりと走っていくと自分の左目が光っているのに気付き何気なしに触ると目の前がいきなり明るくなる
「わ!何これ?」
顔を動かすと左目の所がどうやら探照灯になってるらしくもう一度触ると電気が落ちる
「こんなのあったんだ……これなら!夜でも動けるね!ってそれよりも待ってよ!二人とも!!」
新しい発見をしつつゆっくりと鎮守府に帰投すると不知火さんにプロレス技を掛けられながら五月雨さんに殴られている藤谷さんを発見した
「いででででででで!!!!
許して!許して!!」
「馬鹿!馬鹿提督!!」
「絶対に許しませんからね!!」
「あはは……仲良いなぁ…」
次回
平和
藤谷が仕切る佐世保鎮守府は平和で皆が仲良く暮らしている
正しく平和そのものであった