艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

368 / 594
重巡(古鷹)の記憶 三

あれからしばらくたった私達の鎮守府は少しずつだけど大きくなりながらどんどん戦果を上げていった

藤谷さんも最初は少尉だったけど今では大尉まで昇進しておりそろそろ少将へと昇進するらしい話を聞きながら私は鼻歌混じりに洗濯物を乾かしていた

 

 

「古鷹ー、これはこっちかー?」

 

 

「うん!お願いねー!」

 

 

「古鷹さーん、これで最後みたいー」

 

 

「分かったー!」

 

 

あれから大分人も増えてきており仕事も多くなり

それに加え海域の攻略もあるため忙しくはなりつつあるが私はそれに生き甲斐を感じていた

 

 

「お、古鷹ー!洗濯物乾かしてるのか!

手伝うぞ!!」

 

 

「ちょっと!提督!女性物の下着を見ないでよね!!」

 

 

「ん?あ、ごめんごめん」

 

 

「司令官は女性の下着を観察するのが趣味の変態さんっと」

 

 

「待て待て待て待て!!青葉何書こうとしてるんですかねぇ!?」

 

 

「次回の青葉新聞をお楽しみに!!」

 

 

「ちょっとやめて!!また不知火にプロレス技かけられたくないんだけどぉ!?」

 

 

あれから私の妹艦の加古、仲の良い衣笠、青葉といつも一緒に行動をしており充実していたのだが一つだけ懸念があった

 

 

「と言うか提督洗濯物だけが目的だったのか?」

 

 

「ん?あぁ!そうだ!全員に召集かけてるんだった!!

全員ホールに集まってくれ!大事な話があるんだ!」

 

 

加古に言われると思い出すように話再び走っていってしまう提督に私達は不思議に思いながらホールに向かうとそこには全ての艦娘が集められていた

 

 

「お!古鷹もよばれたのか??」

 

 

「うん、木曾さんも?」

 

 

「あぁ、刀の錆を確認してたときにな」

 

 

すると提督が入ってきており突然机を叩く

 

 

「遠征に行ってる人以外は全員揃ったな?」

 

 

「提督~?何のお話~?

全員集めて、誰かと結婚でもするのぉ?」

 

 

「悪い、愛宕今回は真面目な話になる

ちょっと待っててくれ」

 

 

いつも以上に真面目な面持ちの提督に全員不思議がるとその話の全容を話していく

 

 

「ここ最近、深海棲艦の活動が活発化しているのは分かるな?

そこで夜の哨戒任務と昼の哨戒任務を少し増やすことにしようと思う」

 

 

提督の言葉に場はざわめいているが分かっている

そう私の懸念はここ最近の深海棲艦達だ

ついこの間、横須賀鎮守府を南方棲戦姫が襲い壊滅させたと言う時期からやけに増えている

しかもその南方棲戦姫はたった一人で壊滅させそして新たな姫級の類いとして記録された

 

 

「歴戦種……」

 

 

「そうだ、古鷹

姫や鬼級の中でも特出した化け物達の誕生を我々は確認した

大本宮の発表では奴等を歴戦種と別の種類に分別し警戒にあたってほしい

まだ一人しか確認されてはいないが奴の戦力は正に一騎当千

この前別の鎮守府がそれと遭遇し壊滅させられたらしい

しかも二つの艦隊が同時にだ」

 

 

その言葉で更に場はざわめく

確かにとんでもない化け物ではあると聞いている

それでも倒さないといけない敵ではある

……誰も失いたくはないから最悪私が特効しても…

 

 

「まぁでもこの鎮守府は大丈夫なんじゃないか?

古鷹も居るし!」

 

 

「…え?」

 

 

「そうですよ司令官!今は居ませんが五月雨さんも不知火さんも日向さんも居ます!」

 

 

「だな、私達が居れば大丈夫だ」

 

 

皆が私達を持ち上げているのには理由がある

確かに古参である私達三人はこの鎮守府でエースと呼ばれる程に強くなっていた

 

 

「……うん!皆は私達が守るよ!任せておいて!」

 

 

「古鷹……日向……すまない力を貸してくれ!

まぁそう言うわけだ!これから皆に負担をかけてしまうが頼む!

絶対にこの戦争に勝って平和な世界で遊ぼう!!」

 

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この当時私は絶対にこの人なら戦争を終わらせてくれると信じていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、何も疑わず私達を他の鎮守府の様に捨てないと本気で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回



もう少しだけ古鷹の楽しい記憶は続きます
彼女はこの鎮守府で見てきた夢はそんな簡単には覚めないのだから


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。