またそれからしばらく時が流れ私はすっかりこの鎮守府では頼れるお姉さんの様になっていた
「古鷹ー!五月雨はどこにいるか分かるか?」
「先程資材庫に行ってましたよ?」
「ありがと!」
「おーい、古鷹さーんごめんちょっと手伝ってくれない~?」
「はーい!ちょっと待っててー!」
皆に頼まれ事を断れなくなっており若干流されるようにもなって少し疲れたりもするけど
「古鷹さんー!スイーツでもいかがですかー?」
「うん!これ終わったら行きたいなー!」
「なら手伝いますよー!」
他の娘達からも助けてもらったりしておりこの鎮守府を気に入っていた
それにこの頃から良く秘書艦をお願いされることが多かったのだけれども
「ふ、古鷹!」
「はい?どうかされましたか?提督?」
「あー……その何だ
今度買い物に行かないか?」
「何か備品が足りなくなりましたか?」
「あ!う、うん!
ちょっとな!付き合ってくれないか?」
「分かりました!でしたら青葉とかも誘って行きませんか!?」
「え!あ……あぁそうしようか…」
「はい!では三人に言ってきますね!」
提督が良く私を外出に連れていってくれたり何か余所余所しかったりもしているけれど楽しい日常を過ごしていた
でもやっぱり戦争は続いていると思い知らされる
「陸上型深海棲艦?」
「あぁ、この間静岡の方に上陸した化け物の様な姿をした怪物だ」
提督に差し出されたその用紙を不知火さん、五月雨さん私でそれを確認するとその姿はまるでト級に酷似しているが四足歩行で背中に数え切れないほどの高角砲に足にも主砲が付いており肩にとんでもなくデカイ主砲が二門に口の中にも巨大な主砲が喉から伸びていた
「何ですか……これは」
「こんなの見たことありません……」
「海上ではほとんど役に立たないらしくてな
水上移動を犠牲にしているため何人かで護送しないといけないがこいつが陸上に立った瞬間
街は簡単に壊滅したらしい
異常に硬い装甲、圧倒的な火力、図体の大きさに見合わない程の俊敏性
正に化け物だ」
聞いてるだけで相手にしたくないしこれがどれほど脅威なのか分かる
でも可笑しい点が一つだけある
「でも、提督この深海棲艦は倒されているですよね?
一体誰が?」
「それが分からないんだ」
「分からない?どういうことですか司令」
「それがな?これを撃破するときに空軍、陸軍、海軍が協力したんだけど直接トドメをさしたのが誰かは分からないんだ」
「艦娘ではないんですか?だって深海棲艦は艦娘しか倒せないはずだから……」
「んー……そうなんだけどそれを大本営に聞いても答えてくれないんだよ」
大本営が隠しているその化け物を倒した人……
一体誰なんだろう?と思いながらも提督の話を聞いていく
「一応この話しは三人だけの秘密にしておいてくれ
下手に皆に話すと混乱するからな」
「「「了解!!」」」
話が終わり部屋から出ようとすると私だけ提督に止められた
「あ、そうだ古鷹だけは残ってくれ」
「え?あ、はい!」
何故か私だけ残されてしまい二人が出ていくと提督と二人きりになるのだが提督が落ち着かない様子だ
「どうかされましたか?提督?」
「え!あ……あぁ……実はな?
今度映画を見に行こうと思って…さ?
来週休み被るだろ?だからどうかなってさ?」
「うーん……構いませんよ!
特に予定もありませんから?」
「本当か!よっしゃぁ!!!」
提督がガッツポーズを取りながら喜んでいるのだが正直何故かは分からなかった
この時は
(……皆で…だよね?)
次回
デート
少しずつ変わりつつある彼女の生活に戸惑いつつも楽しんでいく
戦争をしていることを忘れながらも
因みに余談ですが陸上型深海棲艦を倒した人は既に作中に出てます
分かる人は分かるはず…
そしてやっとE2突破…疲れた…
己れフラグル級×3