「………はぁ…」
私は鎮守府に先に帰ってきておりそのまま提督と会わない状態でお風呂や夜ご飯を済ませ溜め息混じりに夜間の任務に就いていた
私の夜の任務は左目の探照灯を使った鎮守府内の警戒任務
この任務は私か川内さんしかやっておらずいつも夜になると静かに鎮守府内を見回っている
あの後帰ってきた後青葉や加古にどうだったか迫られ真実を話すと怒られたり不思議がられたりしたけれど私の思いを話すと納得してくれた
明日提督にそっとフォローを入れておいてくれるらしいけれど
「………はぁ…」
私の気分は凄く落ち込んでいた
確かに提督の事は嫌いじゃないむしろ好意的ではある
優しいしいつも助けてくれたりしてくれていたから初めて会ったときも覚えてる
それでも今は戦争中
そんなことに浮かれるわけにはいかないと私の心は揺れていた
「……私は皆のお姉ちゃんなんだから頑張らないといけないのになぁ…」
そんなことを呟きながら窓を眺めたりしていると近海から探照灯がこちらに向けられており何だか分からないが一応振り向くと夜間の海上任務に就いている浜風さんの物であることが分かった
月は雲に隠れ真っ暗になっている
どうかしたの?
そう左目を押さえたりして探照灯を光らせると向こうからも返ってくる
皆さんはどうですか?
全く異常なく寝てるよ?そっちは?
こっちも特にありませんよ
大丈夫だと思います
私は大丈夫だと思いますと言う曖昧な信号に疑問を抱きつつも再び信号を送る
そう!夜は辺りが見えないから気を付けてね
分かりました、古鷹さんも気を付けてくださいね
そう合図をすると私はぐるんと廊下へと向き直り再び歩いていくだが次の瞬間窓から勢い良くパッパッ!と光が瞬き疑問に思い再び海上を見ると探照灯が無くなっている
(あれ?浜風さんどこいったんだろ?
しかも、さっきのはSOS……まさか!!!)
私は探照灯を消すとしばらく海を睨み付けていると雲が晴れ海上が見えてくるそこには
「嘘!深海棲艦!!!」
ここからでは良く見えないが海上を埋め尽くすほどの多くの深海棲艦がこちらを向いており背筋が凍りつく
私は焦りながら全速力で走り出すとそれと同時に大量の探照灯が鎮守府へ向けられると状況が良くわかった
浜風さん率いる今晩担当していた夜間任務の娘達が全滅しており捕まっている
そしてその真ん中に普通とは違いかなり大きい主砲を身に付けた戦艦ル級が居る
「何あれ!!何でこんな夜に!!」
浜風さん達のこともあるけれどそんなことよりあれはどう考えても不味いと思い放送室に走る
だが、海上では深海棲艦の親玉である戦艦ル級が全員に指示を出している
「今回ノターゲット!戦艦日向、重巡古鷹、駆逐艦不知火、駆逐艦五月雨
必ズ仕留メロ!!
全艦隊砲撃用意!!!」
それと同時に深海棲艦達は全員佐世保鎮守府に向けて主砲を構える
私が警報装置に手をかけ思い切り押した瞬間
「撃テェェェェェェェ!!!!」
鎮守府内に警報が鳴り響くと同時に深海棲艦の砲撃が命中し爆音と爆炎が上がりその衝撃で鎮守府が揺れる
次回
強襲
突然夜に現れた深海棲艦達
平和だった日常が終わりを告げる