艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

374 / 594
重巡(古鷹)の記憶 九

三人が廊下の奥に消えるのを確認すると私は目の前のタ級に集中する

お互い全く動かずに鎮守府はゆっくりと焼け落ちていく

 

 

「……ヘェ?モシカシテ貴方ガ古鷹カシラ?」

 

 

 

「……」

 

 

タ級が話しかけてくるが下手に話すと危険と判断した私は主砲を構えたまま動かずに警戒していた

 

 

「ンー?通ジテナイ?

ジャア、What's your neme?」

 

 

「………」

 

 

「アレェ?可笑シイナ……

英語モ通ジナイ?

ココ日本ダヨネ?」

 

 

(…何なのこの深海棲艦

やけに話すし友好的?でも鎮守府を攻撃してるし……)

私が少しだけ警戒を解いた瞬間砲弾が真横を通り抜け私の真後ろの天井を破壊し退路を断つ

 

 

「っ!退路が!!」

 

 

「ア、ヤッパリ日本語ジャナイ!

無視ハ良クアリマセンヨ?折角今日ノ為二勉強シタンダカラ!」

 

 

その瞬間タ級に向き直ると再び警戒するがタ級は笑っていた

 

 

「アーゴメンゴメン!

話ガシタイノ今ノハ話シテルトキニ逃ゲラレタラ悲シイカラヤッタノヨ

ダカラソノ物騒ナノヲ下ロシテ?」

 

 

(このタ級……普通じゃない…

話すことと言い今の砲撃とも言い…もしかして今回の事件の司令塔それなら隙を伺って…)

 

 

私はゆっくりと主砲を下ろすとタ級は微笑みながら自らの艤装を解除するのだが

 

 

「熱!ヤッパリ付ケテヨ……」

 

 

鎮守府内は焼け落ちているためかかなり高い温度になっておりそれを嫌がり再び艤装を付ける

 

 

「ナニカ聞キタイ顔ネ

ソレト隙デモ伺ッテルノカシラ?」

 

 

(読まれてる!!)

 

 

「マァ良イワ質問ドーゾ?」

 

 

「……貴方が今回の主犯?」

 

 

「イイエ違ウワ私ハ艦娘ト話ガシタクテ参加シタノ」

 

 

「私達と話?」

 

 

そう言うと同時にタ級は勢いよくこちらに走り警戒し右腕を構えるのだが右腕の主砲を蹴り飛ばされると両肩を掴まれる

 

 

「ソウヨ!貴方達ノ作ッテルヲ菓子!

アレドウヤッテ作ルノ?

後!友情トカ仲間トカ何?

連携ハドウ取ッテルノ?

ドウヤッテ貴方達ハ出会イソコマデ戦エルノ!?

私ハ貴方達ヲ知リタイ!身体ノ隅々マデ!!!」

 

 

そう純粋にグイグイ聞いてくるタ級にびっくりしながらもその姿がどうしても駆逐艦が何かを聞いてくる姿に似ており警戒を解いてしまうのだが

 

 

「ン?何ヨ『アナザー』

……ハァ!?マダ私ハ何モ出来テナインダケド!

……チェ、折角勉強シタノニ」

 

 

そう言うとタ級はガックリと肩を落とし私の肩から手を離す

 

 

「残念ナガラ時間切レ見タイヨ

貴方ノ提督ガ仲間ヲ呼ンダラシイワ」

 

 

タ級は艤装を構えると少し私から離れると指を指す

 

 

「一ツダケ質問二答エテクレナイ?」

 

 

「……なんですか?」

 

 

「貴方達ハ何故戦ウノ?」

 

 

「それは、貴方達が敵対し海を奪ってるから……」

 

 

「ジャアモシ、モシモヨーーー」

 

 

 

 

そして、私はそのタ級からとんでもない話を聞いていた

それはこの先の未来で私が経験する事だったのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私達ガ貴女達ト和平ヲ結ビタイト言ッタラドウスル?」

 

 

 

「………え?」

 

 

その言葉は私の未来で出会う空母棲姫(エア)と同じ言葉だった

 

 

 

 

 





次回

穏健派

突然タ級に言われた言葉に困惑する古鷹
そして、タ級からある真実が伝えられる


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。