「連れていけ」
憲兵さんが指示を出すと他の憲兵さんが私を捕まえようとしてくるが青葉や木曾さん達がそれを防ごうとしてくる
「待ってください!古鷹さんはそんなことしてません!!」
「そうだ!何かの間違いだ!!」
だがそんな二人の制止も聞かずに憲兵さん達は私を捕らえようとしてくるがその間に日向さんが立ち塞がる
「退け、戦艦日向」
「出来ないな、彼女は仲間を助けるため一人鎮守府に残り最後まで戦ったんだ
そんな嫌疑を掛けられる事自体が可笑しいではないか?」
憲兵さんに立ち塞がるその姿を見て他の憲兵さんが萎縮する中一人の憲兵さんが銃を取り出し日向さんの頭に当てる
「……退け、私もこんな手を使いたくないんだ」
「退かぬさ
彼女を守る為ならこんなもの怖くない」
全く譲らない日向さんと憲兵さんに場が凍りつくが次の瞬間提督に向けて銃を発砲する
「っ!提督!」
「どうしても退かぬと言うならその藤谷提督を殺す
貴様らの選択一つで簡単に死ぬぞ?」
「貴様!!」
「日向!構わない!古鷹を守れ!!」
提督も恐れずに憲兵さんに立ち塞がると他の憲兵さんからも銃を構えられる
「何故古鷹何ですか?彼女は今身体を火傷しています
それなのに何でそんな嫌疑が?」
「匿名でな通報があったんだ
佐世保鎮守府襲撃事件犯人は内部の人間それも艦娘が深海棲艦を招き入れたとな
そして、それを聞いた大本営の指示でその古鷹を捕らえに来たわけだ
貴様達今やってることの意味が分からないわけがないだろ?」
そう、今提督達がやってることはかなり危険な行為であり憲兵さん達は言わば軍の警察
しかも、普通の警察と違い彼等は犯罪者を捕らえたりするだけなのだがその場合実力行使しても良いと言われている
(このままだと皆が!!)
「全員退けさもないと」
憲兵さん達が武器を構えると全員完全な攻撃体制に入ってしまいその場の空気が凍りつく
「死人が出るぞ?」
「全艦隊!古鷹を守れ!!」
「「「はい!!」」」
「ま、待ってください!!」
私が声をあげ日向さん達をかき分け一番前に出る
「私が付いていけば良いんですよね!なら連れてってください!」
「駄目だ!古鷹!!」
「そうだ!君はなにもしてないんだから!」
後ろでは提督達が言っているが私は微笑みながら振り返る
「大丈夫ですよ提督、皆
私はそんなことしてません、だからちょっと憲兵さん達と話をするだけですから」
「古鷹……」
提督達がそれ以上何も言わなくなると私は大人しく憲兵さん達に付いていこうとすると全員武器を下ろし私を連行していく
皆を病室に残し私は静かに廊下を歩いていると一人の憲兵さんが私の肩を掴み耳元で囁く
「良い提督と仲間だな、すまない荒っぽい真似をしてしまい」
「はい!私の自慢の仲間と提督です!」
私が笑顔で答えると他の憲兵さん達も顔を反らすのだが肩を掴んでいる憲兵さんの力が増す
「すまない……本当にすまない………」
「え?」
その言葉を聞くと他の憲兵さん達も何故か悔しそうな顔をしており私はこの時言葉の意味を理解できなかった
これから起きる地獄を暗示するとも知らずに
次回
尋問
自らを差し出し何とか場を納めるのだが古鷹と提督達はこの行為を後に後悔する