「ふざけんな!!
あの娘が何をしてくれたのか分かって言ってるのか!?」
「さぁ?私は知らないし知るつもりもない」
信吾は立ち上がり珈琲を入れると一人で飲み始めながら藤谷を睨み付ける
「あの娘は最後まで鎮守府に残って一人深海棲艦と戦いそして俺達を助けてくれたんだぞ!!
そんな娘を何でーーーー」
「そう、そこだよ私が目をつけたのは」
「…………は?」
信吾は珈琲を置くと今度はソファに座ると近くにある茶菓子を食べながらのんびりと話し始める
「都合が良かったんだよ
そしてお前が惚れている艦娘であり最後まで鎮守府に残ったと言う所がね今回の事件で犯人にしやすかったのさ」
「どういう意味だよ!」
「決まってるだろ?あの艦娘は最初からお前達を騙す目的で鎮守府に来た
だから提督であるお前と仲良くし艦娘共分け隔てなく付き合い機会を伺った
そう鎮守府を破壊するな
だが、作戦は失敗に終わったあの艦娘はお前達に情が移り深海棲艦を裏切ってしまった
それを最後に深海棲艦達に伝えるために残り何とか生き残った
と言う筋書きさ分かりやすいだろ?」
その意味が分からない話を聞きながら藤谷は拳を震わせていた
「まさか……あんたのそれが本当に通ったのか?」
「ハッハッハ!通るに決まってるだろ?
もし貴様が不祥事を起こしたらこうするつもりだったしな!
別に良いじゃないか所詮
その言葉に我慢が出来ずに藤谷は信吾の胸ぐらを掴みながら怒りを露にする
「ふざけるな!!彼女達は物何かじゃねぇ!!」
「ほう?お前が言うか馬鹿息子
お前も昔は艦娘を物だって言ってたじゃないか
人間の形をしたおぞましい兵器だってな」
「違う!彼女達と生活して分かったんだよ!!
彼女達は賢明に生きて!そして俺達を信じ戦ってくれている!!」
「それはそうだ
戦うのがあれの生きる理由だからな
そうじゃなきゃ造る価値も……嫌人間の精処理や観賞、ペットとしてもあるかな?」
「あんたって人は!!」
そうこの男信吾も艦娘を物としか思っておらず自らの利益の為にしか使っていない
それを見て育ってきた藤谷は最初の方こそそう思っていたが艦娘達を見てきてその気持ちが変わり家を飛び出したのだ
「まぁ、そう言うことだ
古鷹と言ったか?あれはどうやっても無理だ
良かったなぁ、お前の身代わりになってくれる奴が居て
話は終わりだ」
「ふざけるな!俺は古鷹の提督だ!
古鷹は俺が守るんだよ!」
「貴様……家と艦娘どっちが大切なんだ?」
「艦娘だ!!」
「………そうか…分かった」
そう言うと信吾が手を叩くと藤谷が入ってきた扉から憲兵が現れ藤谷を拘束する
「何しやがる!!」
「そいつを懲罰房に入れておけ
後しつけなおしだ」
「「「了解!」」」
憲兵に取り押さえながら何とか抵抗して逃げ出そうとするが憲兵の数が多く無理矢理連れていかれてしまう
「息子よ、少しは反省しろ
貴様の不祥事が我々藤谷家に多大な損害をもたらすと言うことを
そして、それがただ一つの兵器を捨てるだけで無くなると言うことをな」
「クソ親父がぁぁぁぁ!!!」
次回
海軍の闇
捕らわれた古鷹と藤谷、彼等を襲う運命は残酷な物だった……