それから私の日常が変わった
死にたい…死ねば皆が喜ぶ
その気持ちだけが大きく膨れ上がりそれ以外はどうでも良くなっていった
だから様々な事をしようとした
拷問中に拷問器具で喉を切ろうとした
帰ってきては壁に頭を打ち付けて脳を破壊しようとした
トイレと見せかけて洗面所に水を張り溺死しようとした
それでも皆が私が自殺しようとするのを止めてくる
どうして?私は死ぬべき艦娘なんだよね?
どうして止めるの?
どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?
今日も独房に帰ってくるや否や何か死ねる道具が無いか探す
食べ物はあれだけなのが辛い
だってスプーンがあれば死ねるから……
最初の頃に言われた憲兵の言葉が憎く感じる
死にたいのに死ねないこれがどれほど辛いのか彼は分かっていない
だから今日こそは死のう
私はベッドを切り裂き紐を作り出すとそれを自分の首に巻き付け塀の一番上にくくり付けそのまま首をつる
苦しい…でもこれが今出来る精一杯の死ねる努力
「何してるんだ!古鷹さん!!」
憲兵が慌てて私の自殺を止めようとしてくると直ぐ様紐を切り落とし私は苦しさから解放されると同時に憲兵の懐から拳銃を盗み出す
「あ、おい!返せ!!」
私はおもむろにそれを額に当てると思い切り引き金を引くのだがカシャンと言う音しか出ず
何回も引き金を引いても弾が頭に当たらない
「どう……して?」
「……前にね同じことがあってね
彼女は拳銃のセーフティを解除出来なくて済んだから死ななかったんだ
でもそれから僕はここでの仕事時に弾は込めないんだ」
呆然とする私から格子の隙間に手を通し拳銃を取り返すと再びホルスターにしまうとここを去ろうとする
「……私はいつ死ねるんですか?」
「……さぁねまだ検討中らしいよ」
「………殺してください」
「…許可は得ていないから無理だ」
私はそう言われると格子を何度も叩きながら狂ったように叫ぶ
「殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して!!!!
死なせてよ!!死にたいの!!私はもう生きていたくないの!!!
だから殺して!殺してぇぇ!!!」
憲兵さんは私を横目に見ながら冷徹にそして無慈悲に私に言い放つ
「……君は報われない
救われない
…諦めなさい、誰も君を助けてはくれない」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
殺してよぉ!!助けてよぉ!!何で皆で私を捨てるのぉぉぉ!!
もう生きていたくないのぉぉぉ!!!」
私は泣き崩れながらボロボロの心と叩いた拍子で両手を自分の血で濡らしながら叫ぶ
誰にも届くわけがないのに
「以上が古鷹一番艦古鷹の罪状と犯行記録になります」
「ほほぅ……艦娘が提督を裏切ったか…
そんなことがあるとはなぁ驚いた」
藤谷元帥 信吾は大元帥たる東雲に今回の事件の事を報告しており東雲もそれをマジマジと見る
「となるとこいつも裏切るかも知れねぇな矢矧」
「かもしれませんね
今は裏切りませんのでご安心を」
「言うじゃねぇか艦娘の癖に」
「それよりも東雲大元帥、この艦娘の処刑を一週間後の一二○○にしようと思うのですが如何でしょうか?」
東雲は手元にある資料と古鷹の罪状今回の告白を兼ねてチェックしていると一つの紙を持ち上げる
「いや、三日後だ
急いで準備をしておけ」
「はい!三日後ですか!?
また何でそんな唐突に……」
「そうですよ大元帥
あまりにも早すぎます」
だが東雲はある資料と言うよりは履歴書を持ち上げると頬を吊り上げながら笑う
「三日後、俺がヘッドハンティングした新人が来るんだ
そいつに見せてやりたいのさ
艦娘の処刑をな」
履歴書には陸軍特殊任務部隊と言う肩書きとこちらを睨み付けてきている写真だけが貼られていた
次回
死刑執行
迫る古鷹の死刑執行
彼女には願ってもない日であり心待ちにする
最後の救いを求めて