艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

399 / 594
協力者 三

「では!彼女の事は任せてください!」

 

 

「はい、お願い致します」

 

 

佐渡と叢雲は明石の工廠を後にしようと外に出ると一人の女性が待ち構えていた

 

 

「話は終わったみたいですね、佐渡提督」

 

 

「……えっと…貴女は?」

 

 

佐渡は突然現れたその女性に驚きながら後ろから現れた明石と夕張が声をあげる

 

 

「あ、大淀さん!」

 

 

「あ、大淀来てたんだ?何か用?」

 

 

「えぇ、そこの佐渡提督と少しお話がしたくてここに来たのよ」

 

 

「……え?もしかして貴女も?」

 

 

佐渡がまさかとも思いながらも返事を待つと大淀と呼ばれた女性は眼鏡を直し自己紹介を始める

 

 

「初めまして佐渡提督

私は大淀型一番艦 軽巡洋艦 大淀と申します

ある人の代理で貴方を訪問させて頂きました」

 

 

「ある人の代理……?」

 

 

佐渡が疑問に思っていると大淀は工廠の中にある椅子に座り佐渡も対面するように椅子を持ってきて座る

先程まで作業していた妖精達も今は作業を停止していた

 

 

「はい、誰とは言えませんが私はある元帥の秘書艦を勤めておりその代理です

今回、貴方達を秘密裏に助ける様にお願いされ明石と夕張さんに協力を依頼したんです」

 

 

「貴女が!」

 

 

二人が大淀の隣に移動するとお辞儀をする

 

 

「で、どうだったの?明石、夕張さん」

 

 

「問題ないよ、この人なら彼女を任せられると思うよ」

 

 

「うん、この人は元帥の予測通り艦娘を大切にしてる人だよ」

 

 

大淀はその話を聞くと頷くと佐渡へこれからの事を話していく

 

 

「分かりました

でしたら、佐渡提督これからの事を話していきます

よろしいですか?」

 

 

「は、はい!」

 

 

「では改めて確認させてもらいますね

元陸軍特殊任務部隊『存在しない者(unknown )』所属

コードネーム『死神(Death)

通り名もあり他の仲間から『戦闘の天才』とも呼ばれていた

そして東雲大元帥にその功績を認められ海軍にヘッドハンティングされてきた人ですよね」

 

 

「…………へぇ?随分と知っているみたいですねぇ?

だが無闇に言って良いことと悪いことあるの分かるか?」

 

 

佐渡の過去を掘り下げた大淀はその瞬間後悔する

確認するためとは言えど彼の事は大元帥から気を付けろと言われていたのを忘れていた

 

 

「……………すみません言い過ぎましたね」

 

 

大淀の喉元にサバイバルナイフを佐渡が突き付けもう片方の手にピストルを大淀の心臓を捉えていた

 

 

「大淀!!!」

 

 

「動くな

動けばお前から殺す」

 

 

佐渡のドスが効いた声に明石は寒気を感じその場に凍り付く

 

 

「悪いがその昔はあんまりバレる訳には行かないんだ

頭が良いお前なら分かるな?大淀とやら」

 

 

「は、はい……」

 

 

大淀も深海棲艦と戦ったこともある何度も死にかけた事もあったが目の前の佐渡はそれよりも怖かった

その瞳は冷たく冷酷に大淀の命を狙っていた

 

 

「俺の過去を次話したらお前を殺す

これ以上の情報漏洩は避けなければならないんだ分かるな?」

 

 

「誠に申し訳ありませんでした

佐渡元『元帥』」

 

 

「げ、元帥!?」

 

 

「佐渡提督って元帥だったの!?」

 

 

 

「………まぁ良い二人とも?この事は秘密だよ?」

 

 

佐渡はサバイバルナイフとピストルを仕舞うと二人に対し人差し指を指すとニカッと笑う

 

 

「「は、はい…」」

 

 

「はぁ……佐渡を怒らせるからよ

私でもコイツが怒ったら手をつけられないのよ?」

 

 

叢雲が呆れていると大淀は彼が何よりも命を大切にその重さを理解していることを知る

そして、その事を嬉しく思い笑う

 

 

「フフ、成る程貴方なら心配無さそうですね

先程は申し訳ありませんでした貴方を試してみたくて」

 

 

「あんた、Mか何かなのかい?

アハハ、悪いなあんまりそう言うのは勘弁してもらいたいな」

 

 

「ち、違いますよ!

貴方の実力なら彼女を任せられると思ったんですよ!?」

 

 

大淀は必死に弁明するが佐渡は首を横に降りながら呆れている

 

 

「と!とりあえず!今貴方の海軍で置かれている現状をお伝えします!!」

 

 

「お、そうでしたな、忘れてた忘れてた」

 

 

 

 

 

 




次回

裏切り者達の立場

大淀との接触で佐渡達が海軍で置かれている立場が説明される
古鷹を助けただけで彼等はほとんどの物を失っているとも知らずに

今回はちょっと佐渡さんの過去を話していきましたね
彼の過去話はいつか叢雲との出会いとして書いていきたいかなと思ってます



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。