艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

40 / 594
二度目の選択 ー選べ歩む道をー 二

古鷹は、クッキーと紅茶をテーブルに置くと叢雲が離れ大井の身体をくまなく見ていると小さく「うん!」と頷くと机の側に座る

 

 

「身体は大丈夫みたいだね!

それにしても、ビックリしたよ……

哨戒任務の結果報告に、提督室に行ったら大井さん、ソファーに眼を腫らして寝ているんだもん

何か嫌なことでもあったの?」

 

 

「っ!ご、ごめんなさい!私あんなところで寝てしまってたんですね!」

 

 

その発言に、叢雲が大井の頭をコツンと叩く

そこまで、痛くは無いが叢雲を見上げる

 

 

「敬語、ここでは使わなくて良いのよ」

 

 

「でも」

 

 

「でもも無し、良いわね?」

 

 

叢雲はそう言うと、古鷹が持ってきたクッキーと紅茶を食べようとテーブルに向かう

頭を押さえながら大井は、唖然としていると古鷹が手招きをする

 

 

「大井さんもこっち来なよ!

今日は美味しく焼けたんだよ!」

 

 

「うん、美味しいわね

大井、食べないなら私が全部食べちゃうわよ?」

 

 

「あー!叢雲駄目だよ!

今日は大井さんの為に焼いたんだから!!」

 

 

叢雲はお構い無しに、クッキーを食べ、古鷹がそれを阻止しようとクッキーの皿を取り上げる

先程、大井が夢に見ていた光景では絶対にあり得ない現実

これが夢なんじゃないかと不安にもなり同時に

 

 

「北上さんも居れば良いのに」

 

 

と呟いてしまい、それを聞いた二人は大井に向き直る。

視線に気付いた大井は慌てて口を抑え、頭を下げる

 

 

 

「ご、ごめんなさ…」

 

 

「ねぇ?その北上さんってどんな人?」

 

 

「……え?」

 

 

叢雲は、食べる手を辞め紅茶に切り替えるとと次は古鷹が聞いてくる

 

 

「私も聞きたい!

夢の中で北上さんって言ってたから知りたいな!!」

 

 

 

二人の視線に、大井は照れながらも立ち上がり、テーブルの側に座る  

 

 

「長くなるけど良い?」

 

 

「構わないわよ、どうせ暇だし」

 

 

「聞かせて聞かせて!!」

 

 

「良いわよー!なら聞かせてあげる!!

北上さんはね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐渡は、三人が居る部屋の扉の横に立っており、内容を聞いていた

実はと言うと、古鷹と叢雲には既に彼女が男性恐怖症なのと佐世保鎮守府で起きた話をしており相談したところ

 

 

「なんだ、そんなこと?

と言うかそれならあんたが近づかなきゃ良いじゃない?」

 

 

「提督!それなら私達に任せてください!!」

 

 

二人に力強く言われ、佐渡は二人に任せることにした

正直、自分が手を出せないのは何か歯がゆいが、部屋の様子を聞くに大丈夫だなと思い、部屋を後にする

 

 

『へぇ?あいつ大井のパンツの写真を撮ったのぉ?』

 

 

 

『えぇ!全くありえないわ』

 

 

 

『ふーん?へぇ?ほぉ?』

 

 

佐渡が居なくなった、部屋の中で叢雲は携帯を取り出し、ある人へ電話をかける

 

 

『あー、もしもし、ちょっとよろしいですか?』

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。