艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

403 / 594
小笠原へ 二

その声と共に全員が走りだし四人は防波堤を離れ水平線へと消えていくと明石も夕張は落ち着かない様子だ

 

 

「大丈夫かな……」

 

 

「大丈夫ですよ!絶対に…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく航行していると明石達が見えなくなり佐渡は不意に大淀に尋ねる

陣形は佐渡を囲うように大淀が先頭、叢雲が右側、大和が左側に展開している

 

 

「で、大淀さん

何でさっきあんなに心配されたんですか?俺達」

 

 

「………実は貴方達が行く小笠原とはかなり危険な所なんです」

 

 

「そんなに?でも本島から近いわよね?」

 

 

「はい、それでもかなり危険な海域なんです

私も提督から聞いておりますが下手に艦隊を動かせば壊滅させられるほどらしいです」

 

 

 

大和も頷きながら答え艤装を前に構えながら辺りを警戒している

 

 

「小笠原には昔栄えていた鎮守府がありました

島だと言うことを良いことにブラック鎮守府でしたが戦果はきちんと上げており大本営も強く言えない程に強かったんです

そのおかげか島自体も活気に溢れ多くの人が住んでいました

ですが、二年程前に突然南方棲戦姫の歴戦種が指揮する艦隊によって壊滅させられました

鎮守府はほとんど破壊され街も大空襲によって壊滅

そのあと大本営が奪還作戦を開始したのですが時に遅し

鎮守府に所属していた艦娘共々提督も町民皆殺しにされたそうなんです」

 

 

「………また何でそんなことに…」

 

 

「分かりません、ですが奪還作戦の時に気になる資料を見つけまして……」

 

 

「一体何を見つけたの?」

 

 

叢雲が聞くと大和がその疑問に答えていく

 

 

「深海棲艦を使った新しい燃料、電力の生成らしいです」

 

 

「……なによそれ…」

 

 

「恐らく深海棲艦の実験の一つでしょう

ですが、それしか見付からず生存者も居なかった為訳も分からずにその資料は大本営に預けられることになりました

問題はここからなんです」

 

 

大淀は辺りを警戒しながら眼鏡を直すと続ける

 

 

「奪還した小笠原には深海棲艦の影も無く当時は簡単に通れたらしいんです

それこそ深海棲艦の目的が小笠原鎮守府の破壊と島の破壊を目的にしていたらしく

そこまでは良かったんです

一年程前に再び小笠原に向かった艦隊が居たのですが深海棲艦と出くわしたそうなんです

しかもかなり練度が高い艦隊と」

 

 

「何でまた……深海棲艦は居なかったんだろ?」

 

 

「はい、そのはずですが小笠原をぐるっと一週するように艦隊が配備されておりしかもそれ全てが並みの深海棲艦とは違うほどに強いらしいんです

お陰さまで下手に小笠原へ艦隊は行かせられずになり小笠原鎮守府の修繕や復興は断念せざることを得なくなりました

 

ですが大本営はそこに目を付けました

それなら左遷や使えない者達の処理に使おうと」

 

 

「………成る程な、自分達は手を汚さずに深海棲艦を使って処理しようってか

上手いこと考えるじゃねぇか」

 

 

「はい、ですのでこれから向かう小笠原にはどんなルートを使おうと必ず深海棲艦とぶつかります

でも、私が何とかして見せます

私は他の艦娘より遥かに高い索敵能力があります

出来るだけ深海棲艦と遭遇しないルートで通ります

奴等は早朝の数は少なく更に私がルートを選択すれば戦闘にならずに済むはずです

任せてください!」

 

 

「そいつは頼もしいな!叢雲さんや!」

 

 

「そうね、私は戦闘ぐらいしか出来ないしね」

 

 

「大丈夫ですよ!例え戦闘になっても私が皆さんを守ります!

戦艦ですし戦闘経験もあります!必ずやりきりますから!!」

 

 

「マジか!嬉しいねぇ!

今度大和さんの提督にもお礼言いたいなぁ」

 

 

そう楽しく話していると大淀が何を見付けたら指示を出し始める

 

 

「左舷前方敵艦隊確認

右に迂回します、付いてきてください!」

 

 

「了解!」

 

 

佐渡はボートを右に動かしまだ見ぬ深海棲艦から離れるように航行していく

 

 

「やはりまだ居るみたいですね

ドーナツの輪っか見たいに警備されてます

何とか隙を付いて入りたいですね……

次!右舷前方敵多数!

進行ルートは左ですから右に迂回します!」

 

 

「あいよ!」

 

 

大淀に言われるままに航行する

水平線からは全く敵も影も見えないが大淀は集中しながらその先を見ながら佐渡を何とか小笠原に届けようとする

 

「不味い!予想より艦隊数が多い!!

佐渡提督!直角に曲がり様子を伺います!付いてきてください!」

 

 

「分かったよ!」

 

 

大淀が焦っている間佐渡はボートを片手に双眼鏡で水平線を覗くと水平線の端に何か六つの物影が見えるがそれをきちんと見えている大淀には驚きを隠せなかった

(すげえな、あんなの普通見えないぞ

これが艦娘か)

 

 

「良し!間を見つけた!!

佐渡提督!直進します!全速力!!」

 

 

「よっしゃ!行くぜ!!」

 

 

大淀を先頭に全速力で走り出すと叢雲と大和が辺りを警戒しながら走っていたのだが徐々に速度を落としていく

 

 

「大淀さん?どうしたんですか?」

 

 

「…………やられました

奴等、ここまで知能が高いなんて…」

 

 

その言葉の意味は目の前の水平線から来る五つの影が証明していた

 

 

「まさか……」

 

 

「奴等、私達が小笠原に向かうことを最初から分かっていたのかこちらが向かっていたのを察したのか分かりませんがあの艦隊に私達をぶつけるように他の艦隊を動かしていました……

後ろ、右、左全方向に奴等の艦隊があります 

囲まれました……」

 

 

「嘘でしょ…」

 

 

「やるしか無さそうですね…」

 

 

大和と叢雲が構えると佐渡も双眼鏡を取り出し前方からくる五体の深海棲艦に目を向ける

大淀は歯を食い縛ると三人に戦闘の合図を伝える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵艦隊……見ユ」

 

 

佐渡の双眼鏡には重巡リ級を筆頭に戦艦ル級 雷巡チ級 重巡リ級 空母ヲ級の五体が映し出されていた

 

 

 

 

 

 




次回

突破せよ小笠原防衛網!

小笠原周辺に配備されている深海棲艦隊
大淀の力によって何とか複数戦は避けられたものの囲まれてしまい前方から来た艦隊と衝突する


この五艦編成どこかで見覚えはありませんか?
答えは次回!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。