「どうやら……撒けたみたいですね…」
「本当ですか!?流石ですね!佐渡提督!」
「流石ね司令官」
「……あぁ」
佐渡は先程見逃してくれた旗艦リ級の事が引っ掛かっているがそれよりも古鷹を守れた事の方が大切と思いながら忘れることにした
「…見えてきましたよ、小笠原諸島です」
大淀が言うと全員が正面を向くと前方に島が見えてくる
早朝と言うだけあって暗いのだが街灯すら付いておらず漁港には沈没仕掛けている船や半壊している防波堤等もある
「……あれが小笠原…か」
鎮守府は海に近いところにあるのだが遠くから見て分かる様に半壊しており当時の様子が良く分かる
しばらく航行していると足場が安定している防波堤に着きボートを繋ぐ
「やっと……着いたぁ!!」
「はぁ……本当に疲れたわ…」
佐渡と叢雲は防波堤に上がると毛延びや欠伸をしながらやっと着いたことを喜んでいると大淀と大和もその姿を見て微笑む
「では、私達はこれで失礼します!」
「お二人をご無事にお届け出来て良かったです!」
「ありがとうございます!大淀さん!大和さん!
本当に助かりました!」
「ありがとう二人とも本当に助かったわ
貴女達が居なかったらここに着けなかったしね」
佐渡と叢雲は二人と握手を交わしながらたどり着けた事を喜んでいるが大淀は眼鏡を直しながら強く手を握りしめる
「貴女達はこれからですよ
ここは捨てられた者達の最果て
二人はこの劣悪な環境と酷い状況で何とか生きていかないと行けません
これは私の連絡先です
いつでもご連絡ください!精一杯二人を支援致します!!」
「ありがとうございます……
にしても何でそこまでしてくれるんですか?
誰か分からないですがその人の命令とは言えどここまで……」
佐渡が困惑していると大淀は眼鏡を直しながら微笑む
「応援したくなったんですよ
最初貴方に近付いたのは提督の命令でしたが古鷹さんを守ろうとする意思、その度胸と実行力に私は賭けたいと思ったんです
それに先程の戦闘で貴方の指揮は少し無茶もありますが優秀なのも良くわかりました
これだけでは足りませんか?」
「……いえ、ありがとうございます
本当に助かります!」
佐渡が大淀に頭を下げると次は大和が佐渡の手を取る
「佐渡提督頑張ってくださいね!
私も二人に協力出来ることがありましたら何でもしますからね!」
「ありがとうございます大和さん!」
「では、私達はこれで」
大淀が防波堤を離れようとしたとき何かを思い出したかの様に艤装から手紙を取り出す
「そう言えば佐渡提督!
こちらを」
「……手紙?」
「はい、ある艦娘から貴方に必ず届けてほしいと
差出人の名前は言えませんが彼女は嘘はつかないと思いますよ
それと必ず一人でお読みくださいと言われております」
「はい?分かりました?」
誰からか全く分からないがその手紙は可愛い便箋になっておりポケットにしまうと大淀達と別れを告げる
「では!お二人ともご武運を!
古鷹さんをよろしくお願いいたします!!」
「佐渡提督ー!叢雲さーん!お元気で!!
また会える時は提督と一緒にご挨拶させて貰いますね!!」
「はい!任せてください!
古鷹ちゃんは俺が守って見せます!!」
「えぇ!その時を楽しみにしてるわ!!また会いましょう!
本当に二人ともありがとう!!」
大淀と大和に別れを告げ水平線から見えなくなると佐渡はボートから色々と運び出そうとする
「よし!叢雲行くぞ!
荷物運び出すから手伝ってくれ!」
「分かったわ!」
早朝5時
佐渡達は持ってきた物資や食べ物を運びながら自らが着任する予定の小笠原鎮守府へと歩き始めていた
「にしても酷い状態だな」
「そりゃそうよ
深海棲艦からの攻撃を受けてそのまま放置された島だもの」
まずは物資を運び小笠原鎮守府の前に置いての繰り返しをしながら最後に二人はゆっくりと古鷹が入った医療ポッドをボートから運びだすと二人で運んでいく
「鎮守府もボロボロだな
こりゃ酷い」
「そうね、本当にここに来たことある奴が居るのかしらってレベルよね」
小笠原鎮守府
かなり大きく三階建ての建物でありコンクリートと木造の建築になっており正面には海が見える最前線基地
だが、窓ガラスは壊れ鎮守府の所々には砲撃で空いた穴があったり等酷い状態である
入り口のネームプレートも雨の酸化により見えなくなっており地面も弾痕等が残っている
幸いしたのが現在冬と言うこともあり雑草等は生い茂って居なかったと言うことだけ
「さてと……じゃあその前に鎮守府を……」
佐渡が鎮守府の入り口を見ると何かの違和感を感じる
確かに鎮守府の入り口扉は壊れているが何故か半開き状態であり風や動物が入ったなら分かるが明らかに何かが入った後がある
「何してるのよ司令官?」
「ちょっと待ってろ叢雲」
佐渡は叢雲を鎮守府正面に待たせると扉にそっと近付いていくとその違和感の正体に気付く
地面は昨日の雨によりぬかるんでいるが少しだけ削れている
しかも入り口には石の屋根があるのだがそこには何もなく丁度屋根の中にあるものがべったりと付いていた
それは鎮守府の中に続いており床を這いずった後があった
「………叢雲艤装を構えろ」
「は?あんた何言って……!」
叢雲も佐渡に近付くとその意味を理解し艤装を構える
「血痕だ、誰かこの鎮守府に侵入したらしい」
それは傷付いた身体を這いずった後であり床に広がる血痕は鎮守府内に続いており侵入者が居ると言う意味だった
次回
先住者
何とか小笠原鎮守府にたどり着いた佐渡と叢雲
だが鎮守府内に続く血痕に二人は困惑しながらもその正体を掴みに行く
最近赤城さん、蒼龍が改二になりまして
航空戦力が充実してきました!
次のイベントも完走してやるぜ……