「よっしゃ!!やんぞおらぁ!!!」
「うるさいわよあんた……」
佐渡は誰も居ないその廊下で突然叫び出すと隣で叢雲が耳を塞ぎながら溜め息を付く
現在古鷹を一階の備品室?に休ませており二人は二階の廊下に移動し箒とチリトリを片手に掃除を開始しようとしていた
叢雲は艤装を付けているが耳型の電探だけは古鷹預けており何かあったら連絡するようにしている
「にしても……酷いわね……」
「んまぁ二年放置されてたしな、しゃーない」
「と言うか白骨ばっかり……」
二階は軋んでおりそれと同時に廊下には白骨が転がっている
「取り敢えず俺は骨とかを集めるから叢雲は廊下の掃除を頼むわ」
「分かったわよ
まさか来て早々掃除とはね」
佐渡と叢雲は分担しながら二階の掃除を始め佐渡は手際良く骨をビニール袋に入れ叢雲は箒で埃等のゴミを取り始める
「と言うか、あんた良く平気よね」
「何がだ?」
「白骨よ、普通は騒ぐんじゃない?」
「んー……まぁ死、には近いところに居たしなぁ
白骨なんて普通にあったぞ」
「あんたの出生がほんとワケわからないわ……」
佐渡はある程度袋に骨を集めるとまとめていきそれと同時に部屋の確認もしながら綺麗にしていく
「にしても、何でこんなに骨があるんだろうな
普通逃げてるとか戦ってるからこんなに多いとは思えないんだよな」
「……奇襲されたとか?」
「可能性は高いが部屋にずっといる状態なんて普通ないぞ
廊下に白骨があるなら納得するけどな!!」
部屋にあると言うことは逃げなかった
又は逃げる暇がなかったと言うことなのだがここは鎮守府
警報の一つは鳴るほどであり普通ではあり得ない
「んま、良いか
とりあえず程々には出来たかなぁ
叢雲、ちょっと外で薪焚いてくれないか?
骨を燃やしたいからさ」
「わかったわ、後は任せるわよ」
叢雲は一人先に下りていくと骨を集めたビニール袋を端に置く
「……にしても酷い有り様だな
これじゃ妖精とかも居なさそうだな…」
佐渡は掃除をしながらそんなことを呟きあることを思い出す
「…そいや、工廠ってどうなってるんだ?
後出撃場も…」
工廠や入渠施設には一応妖精が居るはずなのだが入渠施設があんなに酷い状態であることを確認するに工廠も酷いことになってると違いないと佐渡は思いながら二階にあった骨を全て集め終える
「こんなもんかな!さてとんじゃ下に……」
そう言い降りようとした瞬間にカタンっと何かが落ちる音が聞こえ廊下を振り返るとそこには一つの頭蓋骨が落ちていた
「……………んん?あんなところにあったか?
可笑しいな…あんな目立つ所にあったら分かるはずなのにな…」
佐渡は急いで戻ろうとすると何かの気配を天井から感じ上を見上げるが何もおらず少しばかりの穴が空いていた
「……ネズミか?もしかしてかじってたのを落としたとかかね?
んま良いか、これで最後だな行くか」
その最後の頭蓋骨を拾うとビニール袋に詰めのんびりとした足取りで二階を後にする
「人間だねー」
「提督と艦娘だねー」
誰も居ない廊下で屋根裏と穴が空いた壁の隙間から小さな人影が姿を見せる
「…新しい人?」
「分かんないー」
その小さな人影が続々と姿を表し去っていった佐渡と叢雲達を考えていると全員顔を合わせ頷く
「「「「親方に報告だー!」」」」
次回
工廠管理妖精 親方
鎮守府内の遺骨を集め叢雲は灰にするために燃やしだす
そして、佐渡は工廠妖精が居るであろう工廠へと歩み始めるのだが洗礼を受ける
今朝やっと阿武隈を改二に出来ましたぁ……
これで軽巡枠は完璧ですな!
後は重巡部隊をなんとかしないとな……