艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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鎖はまだ壊れない
彼女を縛り苦しめ続ける







古鷹 一十

時を同じくして佐渡が真実を知り叢雲と古鷹は眠りについていた

古鷹と叢雲は同室に寝ており二人とも同じベットに寝ていた

 

叢雲は熟睡するなか古鷹だけ苦しんでいた

笑顔を取り戻したばかりの彼女の夢には悪夢が付きまとう

 

『お前は犯罪者何だよ!!』

 

 

『死ねば誰もが喜ぶ!君は誰にも必要とされていない!

さぁ死になさい!死ね!死ね!死ね!死ね!!』

 

 

「違う!私は!!」

 

 

古鷹はガバッと起き上がり周りを確認すると辺りにはさっきまでしていた声が聞こえなくなる

だが身体中に汗をかいており息も苦しそうにしていた

 

 

「私は……私は…そうだよね……ハハハ…私は

 

犯罪者だもんね……」

 

 

そう呟くと古鷹は夜中であることにも関わらずフラフラと出ていき廊下に出ると頭を抱えながら歩いていく

 

 

頭の中では声が鳴り響く

 

 

『お前は犯罪者だ!』

 

 

『アイツがやったんだ!』

 

 

『お前が招いたんだ!奴等を』

 

 

『全て全て全て!!』

 

 

『『『お前が生きているのが悪いんだよ!!』』』

 

 

「私が生きている…のが悪い……?

ハハ…そうだよね…私が…」

 

 

一人廊下を歩いていると目の前から誰かが歩いてくる

 

 

「……あれ?古鷹ちゃん?どったのこんな時間に?」

 

 

それは屋上から戻ってきていた佐渡だった

一人廊下を歩いている古鷹に違和感を覚えるとその様子が可笑しいことに気付く

 

 

「退い……て私は…」

 

 

「…だぁめ、今は寝る時間だよ?

また明日ね

今日は寝なさい」

 

 

佐渡の言葉に古鷹はイラつき走り出そうとすると不意に床が抜けてしまいそのまま佐渡に抱き付くように倒れてしまう

 

 

「おっと!大丈夫か?古鷹ちゃん?」

 

 

「私は……私は…違う…よ……」

 

 

だが古鷹はそこで意識を手放してしまいそのまま深い眠りに付いてしまう

流石に意味がわからない状態になっている古鷹だったが何となく初めて来たときにそっくりだった為佐渡は古鷹を抱えながら寝室へと行く

 

 

寝室に着くと叢雲が爆睡しており古鷹を横に寝かせるとその頭を優しく撫でる

だが、それと同時に古鷹は涙を流す

 

 

「…助けて……誰か……私は…やってないのに……」

 

 

その声にやはり手紙の内容が事実であると佐渡は確信し古鷹の耳元で囁く

 

 

「安心しろ、お前は犯罪者何かじゃないからな」

 

 

声が古鷹に届いたのか涙を流しながら佐渡の手を取って静かに眠りについてしまう

 

 

「あちゃー……こりゃー逃げられんわ」

 

 

手を振りほどこうとしようにもかなり強く握られており溜め息を付きながら仕方無くその場で寝ることにした

と言っても布団で寝るわけにはいかない為近くの椅子を取り座りながら寝ることにした

(…久しぶりだな誰かに手を握られながらってのも…

やっぱり落ち着くのかね?分からんなぁ)

 

 

そう思いながらも眠気が襲ってきてしまい佐渡も眠りに付いてしまう

 

 

(……絶対お前を救って見せるからな…誓おう我が死神の名に掛けて)

 

 

 

 

 

 

 




次回

死を願う

古鷹と少しずつ距離を詰めていき親睦を深められたと思った矢先それは降りかかる
古鷹に付けられた鎖は幸福を許さないそして事件が引き起こされる


果たして佐渡と叢雲は彼女を救うことが出来るのか?
古鷹過去編もラストに近付いてます!


あ、題名は間違えてないですよ!
これで良いんです……これでね

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