艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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古鷹過去編最終話!

かなり長いです……ごめんなさい……





果ての地にて少女は何を見る

とある部屋のベッド

一人眠りに付いていたが不意に夜中だと言うのに目が覚める

 

 

「……まだ暗いわね…もう少し…」

 

 

時間は真夜中、静まったはずの鎮守府

叢雲はベットに寝転びながら自分がどうすれば古鷹の力に馴れるのか悩んでいた

 

 

「……絶対助けるわ貴女を」

 

 

そう呟くと再び睡眠に付こうとするが艤装の電探がピカピカと光っておりそれに気付くと起き上がる

 

 

「…電話?この電探の番号を知ってるのは佐渡だけ…あれ?古鷹さんは?」

 

 

ベットから起き上がり周りを確認すると隣で寝ていたはずの古鷹が居らず佐渡も居ないことに気付いた叢雲直ぐ様電探で佐渡に電話を掛ける

だが反応がなく嫌な予感が頭を過る

 

 

「……まさか!古鷹さん!佐渡!!」

 

 

叢雲は急いで艤装を装着すると消えた二人を探しに鎮守府内を走り回ると声が聞こえる

 

 

「叢雲ぉぉぉぉぉ!!!!居ないのかぁ!!!」

 

 

「佐渡!?どこにいるの!?」

 

 

いきなり聞こえた声に驚きながら声がした方角へと走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、ヤバい……いくら俺でもコイツは…耐えられるか…?」

 

 

佐渡は片手で古鷹を掴み何とか屋上にしがみつき落ちないように力を振り絞っていた

(古鷹だけなら持ち上げられなくはないが……)

 

 

古鷹を見ると力を抜き下を向いており佐渡も何とかしようとするのだがそれに反して苔で手が滑り今にも落ちそうになっていた

(不味い…!これ以上はヤバイ!どうする!どうすれば良い考えろ!!)

 

 

思考を巡らせるが全く良い考えが思い浮かばない

もし手すりや窓があれば古鷹を投げ入れ自分は何とか這い上がれるかもしれない

だが、生憎そんなものはない

佐渡がぶら下がっている所は丁度窓も手すりもない壁

どうしようにも一直線に下に落ちるしかない

次に木々や垣根に落ちるように行けば何とかなるかも知れないと思うがそれもない

合ったところで冬で枯れている為使えない

 

 

「…絶対絶命とはこの事か…ハハハ……」

 

 

そんなことを呟くと古鷹が手を広げ佐渡の手から逃げようとする

だがそんなこと佐渡が許すわけもなく強く握り締め返す

 

 

「放してください!このままだと二人とも落ちちゃいますよ!!」

 

 

「嫌だね!約束したろ!

君を死なせやしないって!」

 

 

「でも!」

 

 

「でもじゃない!俺は約束した!君を守るって!

俺が死んだとしても必ず君だけは助けるからな!!」

 

 

古鷹はその言葉に声を失い再び俯くのだがそんな事をしている間にも佐渡の掴む手の力は弱まっていく

(や、やべぇ……そろそろ限界…!)

だがその瞬間佐渡の携帯が不意に鳴り初め身体を震わせるが着信音で一つの希望が沸いてくる

 

 

「叢雲か!この着信音は!やっと起きやがったなあのやろう!」

 

 

それと同時に佐渡は息を大きく吸うと鎮守府中に聞こえるように叫ぶ

 

 

「叢雲ぉぉぉぉぉ!!!!居ないのかぁ!!!」

 

 

そう叫ぶと廊下の方角からバタバタと走ってくる音が聞こえるのだが流石に佐渡も二人分の体重を片手で支えることが出来なくなりそうになる

 

 

「なぁ、古鷹ちゃん俺のお願い聞いてくれるか?」

 

 

「………ぇ?」

 

 

「もしも俺が死んだら叢雲に言っといてくれ

後は任せたってな!!」

 

 

それと同時に佐渡は最後の力を振り絞り古鷹を屋上に投げるとその身体は宙を浮き何とか屋上の端に登らせる事が出来た

しかし

 

 

「嘘!駄目!!!」

 

 

その反動でもう片手が苔で滑り佐渡だけ屋上から落下する

その姿を見て急いで古鷹は手を伸ばし佐渡を掴もうとするが寸前の所でその手は空をきる

だが落ちる寸前佐渡は古鷹に笑い掛ける

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらな、約束守ったろ?

生きろよ古鷹」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

空をきった筈の手を掴む為古鷹は屋上から佐渡へ向けて飛び降り佐渡の手を取り引き寄せると抱き締める

そして二人は屋上から落ちていく

落ちていく最中古鷹は涙を流しながら佐渡は強く抱き締めながら叫ぶ

 

 

「貴方が死ぬなんて駄目です!!

貴方は生きてください!次の私を作らないで!!!

貴方達なら誰でも救えるんです!私の心にある鎖を貴方は壊してくれた!!

貴方は素晴らしい人です!私何かの為にここまでしてくれる人なんて居ませんでした!

だからお願い生きて!!私も生きますから!おねがいです!!佐渡さん!!

もし駄目なら私も死にます!貴方と共に死ねるなら本望です!!」

 

 

「……はは…その思い受け取った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして遅かったじゃねぇかよ相棒(バディ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「佐渡ぃぃぃぃぃぃ!!!古鷹ぁぁぁぁぁ!!!

手を伸ばしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

古鷹はその声に驚き落ちている中屋上を見上げると真上から艤装を展開させた叢雲がこちら目掛けて落ちてきていた

その両手を広げ佐渡と古鷹の手を取ろうとする

 

 

「古鷹!!叢雲に手を伸ばせ!!」

 

 

「はい!!!」

 

 

古鷹と佐渡は抱き締めあいながら叢雲に手を伸ばすと叢雲は身体を風の抵抗が無いように縮めると二人に近付き何とか落下しきる前に二人の手を掴み自分へと寄せる

 

 

「二人とも!!絶対に私を身体を放すんじゃないわよ!!!」

 

 

「頼むぞ!!叢雲!!」

 

 

「お願いします!叢雲さん!!」

 

 

叢雲は腰に展開されている二門の主砲を地面へと向ける

刻一刻と地面が近付き叢雲はぶつかる寸前のギリギリを狙う

迫る地面に恐怖し古鷹は目を伏せ佐渡は叢雲を掴む手が強くなる

そして地面が直ぐ目の前に迫ると叢雲が叫ぶ

 

 

「主砲二門!一斉射!吹き飛べぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

実弾が入った主砲が地面に直撃すると爆発が起き叢雲達に重力と砲撃の反動が上下に掛かりそれと同時に爆発の熱が三人を軽く焼く

だが、落ちる重力と叢雲の主砲による反動で掻き消され何とか三人は無事に地面へと着地した

 

 

 

「………生きてるのか俺達?」

 

 

「……えぇ…そうみたいよ……あんたたちねぇ!

こんな夜中に何してるのよ!?

あんたの声が屋上から聞こえたから急いで向かったら古鷹さんが飛び降りててそれを助けようとしたらあんたも落ちてるとか……もう!ワケわからないんだけど!!!」

 

 

そう言う叢雲の顔は怒りと焦りに満ちており額にはうっすらと汗も掻いている

主砲が直撃した地面は抉られており座りずらかったがそれでも三人はその場にへたりこむ

 

 

「紐無しバンジーやべぇ……」

 

 

「…今これ以上ふざけた事言ったらもう一度落とすわよ佐渡」

 

 

「生きてるの……私…」

 

 

九死に一生を得た三人はしばらくその場を動けない状態で居ると古鷹が自分が生きていると言うことを実感すると少しずつ涙を溢し始め佐渡と叢雲に土下座しながら謝る

 

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!

私のせいで!私のせいで!二人を危険な目に会わせてしまって本当にごめんなさい!」

 

 

「おーう……もうやるなよ…」

 

 

「えぇ…次は助けられるか分からないからね…

本当に……」

 

 

古鷹が謝っているが緊張と恐怖から解放された佐渡と叢雲脱力してしまい返答も適当になっていたが叢雲が古鷹を抱き締める

 

 

「でも良かったわ……貴女を助けられた…間に合って本当に…」

 

 

「ごめんなさい……ごめんなさい!」

 

 

「違うわよ古鷹さん、こう言うときは謝らないで

『ありがとう』でしょ…全く」

 

 

「うん……うん!ありがとうございます…叢雲さん!

佐渡さん…!」

 

 

古鷹は涙が流しながら叢雲に抱き締めておりその姿を見た佐渡は微笑みながら古鷹の手をとる

 

 

「これで……信じてくれるか?俺達を」

 

 

「っ!……はい!…信じます…二人を…『二人だけを信じます』!

もう疑いません、死のうともしません!ごめんなさい……そしてありがとう…ありがとうございます…佐渡さん叢雲さん

 

恐かったよぉぉぉぉ!!!」

 

 

古鷹は号泣すると二人に抱き付きワンワン泣き出し叢雲と佐渡は笑いながら泣いている古鷹を慰め続ける

 

 

「バーカ、絶対に死なせねぇよ

お前の命は俺の物だ

俺が居る限り絶対に死なせない」

 

 

「そうよ、私達が貴女を海軍から奪ったんだからね

貴女は死なせやしないわ絶対に」

 

 

「ありがとうぉぉ!二人ともぉぉ!!

ごめんなさいぃぃ!ごめんなさいぃぃ!」

 

 

古鷹はその言葉に更に声を上げながら泣いてしまう

その声は鎮守府中に響き渡るが佐渡と叢雲は古鷹の頭を撫でられ更に大きな声で泣いてしまう

改めて二人の優しさに触れた古鷹は今まで自分がしてきたことに後悔しそして二人に感謝した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……落ち着いたか?」

 

 

「……ふぁい(はい)…」

 

 

しばらく泣いていた古鷹だったが二人に撫でられている内に次第に泣き止む

だが、それでもまだ泣き続けておりそれがどれほど溜め込んでいたと言うことを物語っていた

 

 

「にしても、まさか飛び降りるとはね……

あんたも良くやるわね佐渡」

 

 

「ははは……我ながら本当に良くやったと思うよ……

右手いてぇ……」

 

 

「ごめんなざい……」

 

 

「いや怒ってないからな大丈夫だよ古鷹ちゃん?」

 

 

そう言うと佐渡はまた優しく古鷹の頭を撫でていると再び泣き出してしまい叢雲が呆れた様子で続ける

 

 

「あーあ、古鷹さん泣かせたー

あんた後で覚えときなさいよ?」

 

 

「はぁ!?俺のせいなの!?

違うよね!俺頭撫でただけだよね!?」

 

 

「ほら!古鷹さんこっち来てこんな獣野郎何かに触れてたら貴女が酷い目に合わされるわよ?」

 

 

「おい待てや!!俺何もしてねぇだろ!

何で俺が悪人になってるんだよ!!」

 

 

「べーだ!古鷹さんは渡さないわよー!」

 

 

「あんだとゴルァ!」

 

 

「あはは!もう二人とも!」

 

 

二人は古鷹を取り合い喧嘩をしていると古鷹は涙を流しながらその光景を見て笑っていた

そしてその古鷹を見ながら佐渡と叢雲も顔を合わせ笑っていた

 

 

「うん?あちゃー……悪いな二人とも朝になっちゃったな」

 

 

佐渡がそう言うと水平線の果てが少しずつ明るくなってきており古鷹と叢雲も水平線を見る

 

 

「全く、とんでもない夜だったわ」

 

 

「ごめんなさい……でも綺麗ですね……」

 

 

佐渡と叢雲は立ち上がり古鷹へ手を差し出すと古鷹は微笑みながらその手を取り三人は立ち上がる

 

 

「……なぁ、古鷹ちゃん俺達がまだ怖い?」

 

 

「…いいえ、全く

何せ貴方達は私を助けてくれたじゃないですか!」

 

 

「……まぁ助けたのは佐渡だけどね」

 

 

「はぁ?お前だろ?俺は何もできてねぇよ」

 

 

「あんたよ!私は後から駆け付けただけよ」

 

 

「お前が居なかったらぺちゃんこだったんだけど?」

 

 

「あんたが居なかったら私起きてないわよ?」

 

 

「やんのかおらぁ?」

 

 

「やってやろうじゃないの!!」

 

 

「もう!二人とも!!」

 

 

再び喧嘩になりそうになるが再び三人は顔を見合せ笑い出すと佐渡がとんでもないことを言い始める

 

 

「良し!決めたぞ

二人とも聞いてくれ!俺の鎮守府では一切の出撃を禁止とする!!」

 

 

「「はぁ!?(はい!?)」」

 

 

突然のとんでも発言に叢雲と古鷹は驚きながら佐渡へ苦言を漏らす

 

 

「あ、あんたバカなの!?

そんなことしたら大本営に何言われるか!」

 

 

「そ、そうですよ!そんなことしたら更に!」

 

 

「うるせぇ!俺が今決めた!

異論は認めん!」

 

 

二人の静止を振り切り佐渡はその理由について話し出す

 

 

「だって、お前らを出撃させた所で海域攻略なんて出来ないしなぁ……と言う建前を大本営に言っておくから問題ないさ

多分雑務は増えると思うけどなぁ」

 

 

「そ、そしたら佐渡さんが!」

 

 

「俺は良いんだよ、別に命掛けて海域に行くわけじゃないし

まぁ本当の理由は別にあるけどな」

 

 

「何よ、本当の理由って?」

 

 

叢雲に聞かれた佐渡は笑みを浮かべながらこの鎮守府の運営方針を決める

 

 

 

「この鎮守府を!休息所にする!!」

 

 

「……はぁ?」

 

 

「……え?」

 

 

二人の言葉に佐渡は全く屈せず二人に向き直ると笑みを浮かべながら更に続ける

 

 

「今日!この時からこの鎮守府はお前達の為に

艦娘やここに来た奴等が戦いから疲れ休める為の場所にする!!

人間関係に疲れた者、拒絶された者、捨てられた者、裏切られた者、人間を嫌う者、戦いに疲れた者達が集まりゆっくりと休息を取れる鎮守府に俺はしてみせる!」

 

 

二人に笑いかけながらその言葉を言うと叢雲が不意に笑い出す

 

 

「アハハ!言うじゃない佐渡!

まぁ出来るとは思えないけど良いわ手伝ってあげる!

その鎮守府作りを!

戦うための場所ではなく休むための場所ねぇ

良いじゃない!気に入ったわ!」 

 

 

叢雲は笑いながら佐渡の横に立つと唖然とする古鷹に佐渡は手を差し出す

 

 

「だから古鷹ちゃん

嫌、古鷹その第一号として君をこの鎮守府に迎え入れたい」

 

 

「…ぇ?」

 

 

「君に死ぬなとは俺は言った

そして生きていればいつか良いことがあるとか誰かは言った

だが俺はそうは思わない

生きていれば辛いことも苦しいことも絶望することもある

だから俺は、俺達が君の生きている良いことになりたい

君が精一杯楽しみ、毎日笑顔に成りながら休める場所を作ることを約束しよう

この命に掛けて佐渡 満と言う人間がここに誓う

決して後悔はさせない君を必ず幸せにしてみせる

今までの絶望何か忘れてしまうほどに」

 

 

その言葉は古鷹の心を縛り頭の中に響く声を掻き消していく

死ねと言う言葉が生きろと言う言葉に

お前のせいでと言う言葉が君だから助けたという言葉に

お前なんか必要ないと言う言葉が君が必要だという言葉に

 

 

『死んでしまえ!古鷹!!』

 

 

「だから、俺達と共に生きてくれないか?古鷹?」

 

 

古鷹の頭の中に響いていた負の言葉がいつの間にか消され佐渡と叢雲による希望の言葉に変わっており古鷹は口を抑えながら再び涙を溢す

 

 

「貴女は私達が守るわ、どんな奴からとどんな大きな力からも絶対に

何を捨ててでも、何を失ってでも私達は貴女を助けるわ

約束する、いえ誓うわここで

だから私達の手を取って

ここで共に生きていきましょう?

佐渡と私達が作る休息所と言う鎮守府で」

 

 

そして叢雲も古鷹へ手を差し出すと古鷹は更に大粒の涙を流しながら震えながら手を凝視する

 

 

「私は……私は……生きていて良い……の?」

 

 

「もちろん!生きてくれ!

必ず俺達が君の良いことになってみせる!」

 

 

「えぇ!ノアの方舟並みにしっかりとした大船に乗った気持ちで任せておきなさい!

貴女を絶対に助けるわ!!」

 

 

その言葉は古鷹はずっと待ちわび欲しかった言葉

見捨てられ何もかもから裏切られた艦娘(古鷹)は果ての島で希望を見た

そしてその二人の手を古鷹は泣きながらゆっくりと取る

 

 

「こんな……こんな……役に立つか分からない……重巡で良ければ………お願い…致します……!」

 

 

「違うぜ古鷹!」

 

 

「貴女だからよ!貴女だからこそ私達は欲しいのよ!」

 

 

 

「……うわぁぁぁぁぁぁん!!!佐渡ざん!!叢雲ざん!!!ありがとう……ありがとう!!!

苦しかったよぉぉぉ!!悲しかったよぉぉぉ!!」

 

 

二人に笑顔を向けられながら言われると古鷹は更に我慢出来ずに二人の胸に飛び込みながら号泣する

その姿を見ながら二人は優しく古鷹を包み込みながら頭を撫でる

 

 

「おう!じゃあこれからよろしくな古鷹!」

 

 

「よろしくね!古鷹さん!!」

 

 

「はい!よろじぐ!お願いじます!!!!」

 

 

 

古鷹は涙を流しながら二人の顔を見上げぐしゃぐしゃになった顔で満面の笑みを浮かべる

 

 

「全く可愛い顔が台無しじゃねぇかよ、ほら拭きな?」

 

 

「はい!はい!ごめんなざい!ごめんなざい!!」

 

 

「もう!泣きすぎよ古鷹さん!」

 

 

すると水平線から朝日が昇り三人を照らし始める

その朝日は冬の影響もあってかとても美しくそして三人の門出を祝福するかの様に島全体を綺麗に照らしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仲間に捨てられ

信じてきた提督に捨てられ

海軍の勝手な理由から切り捨てられた艦娘は

こうして二人の裏切り者によって拾われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分達の信念を通し一人を助けるために全てを捨てた二人

このあと彼等には一つの試練が待っている

だがそれはまた別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回

真実を知った者達へ

古鷹によって伝えられた過去
それは誰の心の傷より深く大きな物であった
そしてその真実は一人の艦娘を大きく傷付ける


長くなってしまい申し訳ありません…
古鷹過去編が終わりです!
次回から元の時間軸に戻ります!



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