艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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真実 二

「嘘だ嘘だ!あり得ない!海軍が……そんな事!あり得ない!

古鷹が嘘をーーー」

 

 

「それ以上話すな長門

怒りますよ?」

 

 

古鷹を疑おうとする長門に金剛はいつもの口調ではなく

冷たくそして怒りを込めながら話すのだが長門は止まらない

 

 

「だってあり得ないだろ!何で!何で!!大本営が!そんなことを!!」

 

 

「ねぇ、あんた知ってる?間引きって」

 

 

不意にエアがそんなことを言われるとため息混じりに長門を睨み付ける

 

 

「植物とかを栽培する際、苗を密植した状態から、少数の苗を残して残りを抜くって事よ

つまり彼女は間引かれた艦娘、捨てられたのよ海軍から

でも佐渡はそんなことをしなかった

捨てられた艦娘を見捨てずに、自らの全てを犠牲にして古鷹を助けた

それをあんたが否定することが出来る?」

 

 

エアに言われ長門は自らがしてきたことの意味が分からなくなる

 

 

「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!

海軍が…私が信じてきたものが……あり得ない!!

海軍は正しいのだ!正義なのだ!あり得ないんだ!!」

 

 

「長門……貴女……

いい加減に……しろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

その言葉と共に金剛の怒りが頂点に達してしまい長門を思い切り殴り飛ばす

殴り飛ばされた長門はそのまま壁に激突し頬を押さえる

 

 

「金剛!」

 

 

「辞めてください!金剛さん!!」

 

 

二人の静止を聞かずに金剛は長門に詰め寄ると睨み付けながら見下ろすと長門の襟を持ち上げる

 

 

「何ですか!?貴女は古鷹が嘘をついてると思うのですか!?

古鷹は私達に一度として嘘をついたことはない!海軍何かよりずっと信じられます!

何故まだ分からないのですか!海軍が私達を殺そうとしていたのに!この鎮守府に!小笠原に捨てていると言う真実から何故目を反らすの!

いい加減目を覚ませ!戦艦長門!!」

 

 

金剛に言われ長門はハッキリと理解させられる

自らもここに捨てられてきた艦娘の一人であり問題を持った古鷹と同じだと言うことに

だが

 

 

「認めない……私は…私は……」

 

 

認められなかったその真実を自らが信じてきたものが全て嘘で塗り固められてきた物であり自分が何をしてきたのか分からなくなっていた

 

 

「……長門、私言ったわよね貴女に無知は罪

貴女がやったことは正義でも何でもない

ただの自己満足だって」

 

 

「…………私は………」

 

 

「貴女は、古鷹の事を何も知ろうとしなかった

知る方法もやり方もあったはずなのに

貴女にはそれを知る事が出来たはずなのに

貴女は調べず真実に辿り着こうとしなかった

だから私がお前を殺そうとする理由はこれ以上いらないわよね?」

 

 

そう冷たくいい放つエアの瞳には怒りと憎しみが混じっておりそれが殺意として長門に向けられる

 

 

「……何が正義の戦艦ですか

何が海軍のエースですか!お前達はただ自分達の都合の良いように私達を(艦娘を)使ってるだけじゃないですか!?

どうなんですか!正義の戦艦(海軍の犬)長門!!!」

 

 

金剛に言われるとその場に居る大井、イムヤ、グラーフにも同じ様に睨まれてしまい長門は頭を抱えうずくまってしまう

 

 

「……私は……私は………」

 

 

「そこまでだお前達」

 

 

その流れを立ち切ろうと佐渡はため息混じりに立ち上がると金剛を退け長門の頭を撫でる

 

 

「提督!長門から離れてください!」

 

 

「お前が離れろ金剛

言い過ぎだ」

 

 

「で、でも!」

 

 

「二度は言わないぞ、黙れ」

 

 

佐渡は少し強い口調で言うと金剛はそれを察したのか少し後退りをする

それと同時に叢雲も立ち上がり金剛の頭を殴る

 

 

「お馬鹿、あんたの気持ちも分かるけど追い詰めてどうするのよ」

 

 

「む、叢雲……」

 

 

「あんたがやってるのはただの八つ当たり

古鷹を助けられなかった怒りを長門にぶつけるんじゃないわよ

あんたもよエア」

 

 

「……悪かったわ、ごめんなさい」

 

 

エアと金剛は反省していると古鷹が二人の頭をコツンと優しく殴ると微笑む

 

 

「二人ともありがとうございます

こんなに思ってくれているのはとても嬉しいです

でも長門さんも知らなかったんです

エアさんが言うとおり知ろうとしなかったのかも知れません

ですが、彼女は今私の過去を知り後悔してくれています

それだけで私は充分なんですよ?」

 

 

古鷹に言われた言葉が長門の心に突き刺さったのか長門は不意に立ち上がりその場から逃げてしまう

 

 

「長門待て!!すまん叢雲!古鷹!この場は頼む!!」

 

 

「分かったわ」

 

 

「はい、彼女をお願い致します」

 

 

二人にこの場を任せ逃げていった長門を追い掛けるように佐渡はその場を後にする

 





次回

戦艦長門

真実を知ってしまった長門
自らの行いが正義か悪か
間違いか正しいか分からなくなり混乱する彼女
そして彼女が抱える最大の問題に佐渡は直面する

最近榛名を育成してましてね?
嫌、実は他にも居るんですよ?育てないといけない艦娘が
でもね?あれは反則じゃない?
何あの白パーカー
見たいやん?めっちゃ欲しいやん?
でも、改二じゃないと見れないじゃん?
やるしかないやん?
んでそれがバレて友人にめっちゃ怒られた欲深提督がこちら()

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