艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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もうヒトリ 二

「……おい…長門…その姿……お前まさか……」

 

 

「見るナァァァァァ!!!」

 

 

長門はねじ曲げたフェンスを掴むとそのまま佐渡へ投げるが何とかそれを避ける

 

 

「私は……ワタシは!!正義…ダァ!!

私…ハ……私が!!正義……何ダぁ!!

分カらナい!!正義とは……何ナンだぁ!!」

 

 

「……長門、落ち着け

とりあえず深呼吸を……」

 

 

苦しみ頭を押さえながらその場をフラフラとしている長門に近寄ろうとすると長門がこちらを睨み付ける

 

 

「来ルなァァァァ!!」

 

 

近寄ろうとする佐渡に叫ぶと右手まだフェンスを千切ると握り潰し佐渡へ投げ付けてくる

だが佐渡はそれを交わすとその様子を見ながら唐澤が佐渡に彼女を預けた理由が判明する

 

 

「……深海化…だがまだ半分

乗っ取られては居ないがもうそちらに傾きつつある…か

おいおいとんでもないのを預けてくれたな唐澤さんよ」

 

 

佐渡は溜め息を付くと未だ苦しんでいる長門を見ると自らの腰に手を伸ばし武装を確認する

(手榴弾系は無し

ハンドガンとナイフはあるが長門を傷付けるわけにも行けないしな……やるしかないか…

全く!何でこんな鎮守府に着任しちゃったかなぁ!)

 

 

苦しむ長門を見ながら少し後退りをし屋上の扉に鍵を閉めるとゆっくりと長門に向かって歩いていく

 

 

「来るナと言っテルんだァァァ!!」

 

 

「断る!お前をこのまま放置するほど俺は出来た人間じゃなくてな

悪いが元に戻ってもらうぞ、長門」

 

 

深く溜め息を付くとゆっくりとした足取りで長門に近付き長門の動きを観察する

その行動は叢雲のアレと同じではあるが佐渡のは叢雲のとはレベルが違う

 

 

「近づクな!殺スゾ!!人ゲン!!」

 

 

「無理だお前に俺は殺せない

お前は叢雲すら倒せなかったんだ

アイツを倒せないなら俺も不可能だ

お前は『何も出来ないさ』」

 

 

 

「来ルナァァァァァ!!!」

 

 

長門は右手の爪を振り上げ佐渡に襲いかかるが意図も容易く佐渡は交わし長門のデコに軽く人差し指でつつく

それに怒りを覚えた長門は回し蹴りをしようとするがそれと受け止められる

 

 

「無駄だ、お前は俺には勝てない」

 

 

「………何故ダ、何故お前ハ強イ?」

 

 

まだ長門の意志が残っているのか不意に問い掛けてくる長門に佐渡は溜め息混じりに答える

 

 

「強くねぇよ、強くありたいだけだ

全く見た目だけだなお前が大人なのは!!」

 

 

その言葉と共に佐渡は長門の脚を引っ張り無理矢理自分に抱き寄せる

だが長門はそれから逃れようと暴れ始める

 

 

「離セ!!ワタシは!! 」

 

 

「嫌だよ~、あー長門の身体柔らかいなぁ…!!」

 

 

「っ!変タイ!!」

 

 

佐渡の拘束から無理矢理抜け出し突き飛ばすと佐渡は体勢を崩しかけるが何とか持ち直していると長門が身体を押さえながら睨み付けてくる

 

 

「はっはー!こーんな変態さんにも負けちゃう長門さんは対したことないですねぇ!!」

 

 

「こんノォ!!人間風情がァァァァァ!!」

 

 

右手の拳を振り上げ佐渡を殴ろうとするが佐渡はそれを受け止める

だが、仮にも深海の艤装佐渡は激痛を感じるがそれでも受け止め続ける

 

 

「離セ!!!」

 

 

「やーだよーだ、にしても深海の腕ってのもそんな変わらないんだな?

普通に長門のもう片手と変わらないじゃねぇか」

 

 

「っ!コノ!!」

 

 

「だからお前はお前だよ長門」

 

 

殴ろうとする長門の拳がいきなり止まる

その拳は佐渡の目の前で止まり長門の瞳は真っ直ぐ佐渡を捉えているが佐渡は全く動じていない

 

 

「何ヲ…言っテ……」

 

 

「ずっと隠してたんだろそれ

深海化、艦娘の一部にそんな風になる奴等が居るのは聞いたことがあるのは知ってた

今まで良く隠しきれていたな

お前の暴走はその初期段階に過ぎない

だが、お前は自分の中にある信念が何だか分からなくなり今そんな状態だ

『近づくな』とは俺を傷付けないためだろ?」

 

 

佐渡が一歩踏み出すと長門は一歩後退する

 

 

「く、来ルナ!!」

 

 

「自分でも少しずつ自らの意思に反して身体が動いていく

仲間を、提督を、傷付けなくないのに殺そうと頭の中で声がする

そしてそれが抑えられなくなっていく」

 

 

「辞メロ!……来ルな…!!」

 

 

「お前は充分苦しんだ

長門、教えてくれお前の心を思いを、俺は知りたい

任せろお前がどんな奴であろうと俺は見捨てない」

 

 

「来るナ!来ルナ!来ルナ来ルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナ!!!!」

 

 

頭を抑えながら近付いてくる佐渡から逃れようと後ろに下がりフェンスに腰が当たると後ろを振り返り屋上から下を見る

 

 

「隙あり!!」

 

 

佐渡は屋上から下を覗いていた長門の手を引っ張るとその場に押し倒し馬乗りの状態になる

 

 

「辞めロ!降リロ!!人間!!

殺スゾ!!」

 

 

「お前には出来ないさ

お前に俺は殺せない諦めろ」

 

 

「………頼む……退イテくれ…私ハ……」

 

 

「お前はお前だ長門

深海棲艦じゃないしそうはならない」

 

 

佐渡に押し倒されながら長門の拳は少しずつ開きその場に力なく倒れると顔を手で抑える

 

 

「……私は…お前達二酷いことシテキタのに助けるノカ?…」

 

 

右手が少しずつ元の長門の手に戻っていき髪は元の黒色に戻っていくのを確認した佐渡はゆっくりと馬乗りから退くと横に座る

 

 

「まぁ今はされてないし良いんじゃねぇか?」

 

 

「………貴方は……何ナンだ……」

 

 

「ただの呑気な提督さんだよ」

 

 

佐渡は微笑みながらそう言うと長門もそれに釣られて少しだけ微笑み呟く

 

 

「………ハハ…これガ…貴方なのか…」

 

 

 

 





次回

私は何だ?

深海化した長門であったが佐渡の愚行?によって観念し自らの事を話始める
そして彼女は悩み答えを見つけ出す


え?前回と同じ様な次回予告?内容思ってたのと違う?
……気にするな!!
あ、榛名改二になりました
パーカー榛名好き

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