「ほほう……?『お前』も死を願うのか?」
佐渡は聞いたことあるような言葉を耳にすると溜め息を付きながら長門を見上げる
「あぁ……こうするしか方法は無いんだ…
私はずっと考えてきた
この命を最後まで戦争に使い、戦場で散らせる為に私は生きてきた
だがそれも出来なくなりつつある
こんな状態で私が沈めば私は深海棲艦となりこの力を仲間達に振るうことになる
それだけは嫌なんだ!!だから!!」
「アホか駄目に決まってんだろうが」
さも当然の事の様に佐渡は言うと長門は佐渡の側に近寄ると自らの姿を良く見せる
「この姿を見て何とも思わないのか!?
こんな!こんな化け物の姿を見て!!」
「何言ってるんだ?そんなに変わらないじゃねぇか?」
「は、はぁ!?」
先程深海化していた手で殴られた故に右手は痛む為に左手で長門の身体を触っていく
「元々綺麗だった黒髪が純白に変わっただけ
角は無かったがそれでも二本の綺麗な角だねじ曲がってなく真っ直ぐ上に向いているまるでお前の性格みたいだな
腕も真っ白な雪見たいに綺麗だ
手に傷があるわけではなく綺麗だぜ?」
「な、な、な、な、な!!何を言っているんだ!?」
そこまで純粋に褒められたことがない長門は不意に佐渡から距離を取ると顔を赤くしながら後ろに下がる
「何って……素直な感想だけど?」
「そ、そうじゃない!私は深海化してるんだぞ!
もう一人居るんだ!私の中に!
そんな奴が居たら恐いだろ!おぞましいだろ!!
今すぐにも爆発する爆弾を持ってる奴なんて!!」
「嫌?全く?」
「な、何故だ!?」
「だって、長門は長門じゃん?」
佐渡は起き上がると長門に近付いていくとデコを軽く叩き溜め息混じりに話していく
「お前さ、ちょっと真面目過ぎないか?
少しは緩くしたらどうだ?グラーフ見たいだぞ?」
「嫌!私は普通だ!
艦娘は提督や人間の為に戦いーーー」
「あーそこそこ、うちは出撃とかやってないって言ったじゃねぇか?
俺はお前達を
お前達は所詮
「…………何だと?聞き捨てならないな!!」
佐渡の発言に怒りを覚えた長門は佐渡の首元を掴むと睨み付ける
「私達がごっこ遊びをしているだと!?」
「あぁ、俺から見てればな」
「ふざけるな!私達は自らの誇りと成すべき事をーーー」
「なぁ、お前達のその誇りと成すべき事って何だ?」
佐渡に問い掛けられた長門は更に苛ついたのか佐渡の首を掴む力が強くなる
「そんなこと決まってる!!私達は深海棲艦を殲滅し!平和や海を!!」
「じゃあ何でここは平和なんだ?」
「………何が言いたい、貴様」
「だから、うちには深海棲艦のしかも歴戦種の姫が居る
その側近や部下達もな
なのに平和だぜ?
争いも無く轟沈艦も無くただただ平和だ」
「そんなの!いつまでも続くわけ!」
「続くさ絶対にな」
「何故だ!何故言い切れる!?」
「俺がさせないからだ
この
それに分からないのか?お前達に心があるように深海棲艦にも心がある」
佐渡は戦争を経験してきたからこそ分かる
どれだけ人間が醜いかを
「戦争に誇り?成すべき事?
そんなもんはねぇんだよ
良いか?戦争何てもんはただの欲求を満たすためのに引き起こされるもんだ
戦場に誇りも成すべき事なんてそんなもんはないんだよ
どっちがが死んで奪われるか、どちらかが生きて奪うかそれしかない
ただの奪い合いだ、どうしようもなく下らないことだ
相手を殺して成すべき事を成す?
死ぬことが誇り?
ふざけるなそんなもんクソくらえだ
そこにお前が求める正義はあるのか?
人から奪っているのにそれは正義なのか?
良く考えろ長門
お前達がやってる行為はただの『略奪行為』何だよ」
「……違う…違う!奴等は私達から全てを奪ってるんだ!!だから!!」
「だから奪い返すのか?
奪われた物を取り返すために
命をか?土地をか?海域をか?
果たしてそこに正義はあるのか?
……俺はそうは思わない」
「なら!私は…私達は!!
何の為に……作られ…生きているんだ…」
佐渡に言われた言葉が長門の心に突き刺さる
本当は分かっていた、深海棲艦を撃沈する度に向けられる殺意と怒り
自分達が向こうから見れば悪であると言うこと位
「さぁな?俺の知った事じゃない」
「何故だ!だって貴方は提督だろう!?」
「それ以前に一人の人間だ
そしてお前も一人の少女だ」
佐渡は長門の掴む手をほどくとデコをつつき不意に笑う
「正義も悪もこの世界には存在する
だが、正義が全て正しい訳じゃない
悪が全て正しい訳じゃない
それを理解しておけ艦娘長門
ここではお前達は兵器じゃない
ただの小娘だ」
「…………なら聞かせてくれ
貴方の『正義』とは何だ?」
佐渡はその言葉に頭を悩ませるがしばらくした後に笑いながら答える
「『俺自身』だ
俺が正義なのさ
だから、俺はやりたいようにやらせてもらう
深海棲艦も艦娘も俺に取ってはただの小娘だ
異論は認めねぇ
俺は提督だからな!」
「……無茶苦茶だ、そんなこと…」
「そうでもないと思いますよ?」
いきなり聞こえたその声に驚き佐渡と長門は声をする方角へと向くとそこには屋上の扉付近に叢雲と古鷹、そしてエアが立っていた
次回
各々の正義
鍵をかけた筈の屋上に突然現れた三人
佐渡の説得を聞かない長門に呆れながらも三人は自分達の事を話し始める
アンケートご協力感謝いたします!
意外と投票してくださる人が多く驚いてる作者です……
アンケートは本日の2200までやってその時結果を決めたいと思います!
……まぁ書かないとは思いますけどね!!(フラグ)