艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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長門の一件から一週間が経過した小笠原鎮守府

あの後叢雲は長門の加入を認め晴れてこの鎮守府所属になったのだが意外と大変だった

まず、長門の深海化に関しては四人だけの秘密にしておくことにし下手な事は他の娘達には言わないことにした

混乱やパニックを避けるためではあるが多分大井達も快く受け入れてはくれるが長門自体がそれを嫌がってるために秘密にすることにしたのだ

 

次に唐澤と話を付けるために本島に行ったのだがまた陸奥、磯風、唐澤から土下座されながら隠していたことを謝られた

その時叢雲と古鷹も同伴したのだが叢雲は呆れながら怒り古鷹は「秘密は誰にでもありますが提督にはキチンと言ってくださいね?」と釘を刺された

 

 

そしてその時と同時に古鷹の過去を先に聞いていた唐澤は古鷹の手を取りある約束をしてくれた

 

 

「君の過去は佐渡から聞いた

すまなかった、我々が君にしたことは取り返しのつかないことである

君が望むなら我々はどんな罰でも受ける」

 

 

と再び土下座をしながら謝られたのだが古鷹は気にしていなかった

と言うよりは長門の事があったからと言うのもだろうが許していた

 

 

「大丈夫ですよ、私は佐渡提督と叢雲に救われています

だから謝ってくださるだけで充分ですよ」

 

 

「……罪滅ぼしになるかどうかは分からないが私なりにこれからは君達に協力する

必ず君達が助けが欲しいときは呼んで欲しい

何を捨ててでも駆け付けると約束する

長門の事もある、すまない本当にすまなかった」

 

 

と唐澤の誤解も解け新しい協力者を手に入れ佐渡達は再び小笠原に帰り仕事をしていた

そして、長門にはしばらくの出撃禁止処分が言い渡されしばらくはここでの家事などをやることになった

 

 

それで現在の長門は…

 

 

「古鷹、その籠は私が持とう

イムヤ、そちらも私が持っていくよ」

 

 

「ありがとうございます長門さん」

 

 

「ありがと!長門!」

 

 

「なぁにこれくらいは余裕さ

戦艦何だしな力仕事は任せておけ」

 

 

「長門、工廠で親方が金剛と一緒に機材運んでくれとの事だ」

 

 

「分かった!これを運び終えたらすぐに行こう!」

 

 

今では力仕事を全般にやっており他の人達の手伝いと言う形で色々な所に呼ばれている

かといって佐渡達見たいに食材調達は行けないためほとんど鎮守府内での事ばかりであるがかなり助かっている

 

 

「……意外と早く馴染んだな、長門」

 

 

「そうね、驚く位」

 

 

「そもそもそんなに悪い人ではないですからね…

少しコミュニケーションにギクシャクはありますが頼りにはなるみたいですよ?」

 

 

そんなことを呟きながら叢雲と佐渡と大井は古鷹達の洗濯を干している姿を眺めていた

 

 

「んで、エアはどこ行ったんだ?」

 

 

「話によると少し北方に用と大本営での調査らしいです

北方の用に関してはソラさん達も引き連れてなので今近辺には居ないみたいですよ?」

 

 

「大本営の調査って……」

 

 

「いえ、拷問官では無いみたいです

どうやらある人を潰すために何かやるだとか」

 

 

「ほほう?って一体何するつもりだアイツ」

 

 

「でも『私は殺さないから安心なさい』って言われましたよ?」

 

 

「……信じとくか一応」

 

 

佐渡はその言葉を信じ持っていたお茶を一口飲むと不意に携帯が鳴り出し電話に出る

 

 

「はいはいー小笠原鎮守府提督佐渡さんだよ~?

……あぁ、君か

分かった、今から迎えを寄越すねちょっと待ってて」

 

 

それだけを言うと佐渡は大井と叢雲の頭を撫でる

 

 

「悪い、二人ともお客さんが小笠原付近に来てるから迎えに行ってくれないか?」

 

 

「……流された人ですか?」

 

 

「うんにゃ、ただのお客さん

多分誰かはすぐに分かるからな」

 

 

「分かったわ行ってくるわね」

 

 

叢雲と大井はそそくさとその場を後にすると佐渡は洗濯物を干しながらイムヤ達と笑っている古鷹を見て微笑む

(………さてと、吉と出るか

凶と出るか…ちょっとした賭けだな

勝てるか分からんけどな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても誰なんですかね?

お客さんって?」

 

 

佐渡に言われた通り大井と叢雲は二人で海上に出ておりお客とやらを迎えに行っていた

 

 

 

「………そうね、私は分かるわよ

アイツの考えてること位はね」

 

 

叢雲にはその正体を理解していた

その上で佐渡に従いここまでそのお客とやらを迎えに行っていた

そして、しばらく航行した後に正面にその人影が見えるのだが

 

 

「っ!!貴女は!!」

 

 

「やっぱりねよく来たわね

まぁそう言うことよ」

 

 

ゆっくりと航行しながらその人影に近付くと大井はその人を睨み付けているが叢雲は溜め息をつく

 

 

「………叢雲、撃って良いですか?」

 

 

「駄目よ?お馬鹿

久しぶりね、覚悟は良い?」

 

 

「……はい、お待たせしてしまい申し訳ありません」

 

 

「別に良いわよ、覚悟ってのそう簡単に出来ないもんね分かるわ

付いてきなさい

覚悟が出来ているならね」

 

 

叢雲に言われた人はその後ろを付いていこうとしながら大井はその人を睨み付ける

 

 

「叢雲!!この人は!!」

 

 

「良いから連れていくわよ

彼女も覚悟を持ってここに来たのよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、終わらせるわよ

一つの物語を」

 

 

叢雲は拳を握り締めながら佐渡の狙いを理解する

 

 

 

 

 

 

 






次回

押された背中

佐渡がある人を小笠原に招き入れた
その人物は佐渡と叢雲が唯一認めこの小笠原へ入るのを許可した人物であり一人の物語を終わらせる為の人だった


天使の罪編終盤!
二人は古鷹を本当の意味で救うことが出来るのか!?



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