艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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時は流れ佐渡達は夕飯の時間になり全員で食事を取っていた

 

 

「長門ー、明日の朝はどうするの?

走る?」

 

 

「い、いや勘弁してくれ…叢雲……」

 

 

「それがいいと思うデースよ長門……

叢雲の訓練は下手をすると動けないほどに苛められますからね……」

 

 

「あら失礼ね、ちょっと島一週するだけでしょ?」

 

 

「「どこがちょっとだ(デース)」」

 

 

「その後、腹筋背筋腕立て100回程度よ?」

 

 

「「どこが程度だ(デース)」」

 

 

「普通じゃない?」

 

 

「「どこがだ!!(デース!!)」」

 

 

長門はこちらに来てから叢雲の力の秘密を知りたくなったらしく叢雲からトレーニングを受けたのだが次の日倒れていた

どうやら筋肉痛で全身をやられたらしい

 

 

「あはは……叢雲、程ほどにしてあげてね?」

 

 

「何言ってるのよ古鷹、これぐらい普通よ?」

 

 

「いや待て叢雲、普通ではない」

 

 

「そうよ、普通の艦娘はそこまで身体を苛めないわよ!!」

 

 

「確かにな、普通はそこまでやらねぇと思うぞ叢雲さんや?」

 

 

 

くだらない話をしながら全員で楽しく食事をしているのだが大井だけは暗い顔をしており佐渡を見ていた

 

 

「……?どした大井、何かあったか?」

 

 

「……いいえ、何でもありません…

いえ、提督少しよろしいですか?」

 

 

「お、おう?」

 

 

珍しく大井が佐渡を食堂から連れだしてしまい全員が困惑するが叢雲がわざとコップを割りその場静かにする

 

 

「……あ、ごめんやっちゃった

片付けるわね」

 

 

「珍しいデースね?叢雲?」

 

 

「あ、叢雲手伝うよ!」

 

 

だが、それを皮切りに叢雲を心配したり割れたコップを片付けたりとで空気が変わったのを確認すると叢雲は拳を握りしめる

(……まぁそうよね

大井、これが佐渡のやり方よ覚えておきなさい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで、俺を連れ出したのは何でなんだ?

大井?」

 

 

食堂から連れ出された佐渡は誰も居ない外に連れ出され大井は拳を握り締めている

 

 

「……何故ですか、何故あの艦娘をここに?」

 

 

「……あぁ、あの娘か

彼女が鍵だからだ

古鷹の物語を終わらせる最後のな」

 

 

「…彼女は裏切りましたよね?

私達の仲間である古鷹さんを」

 

 

「…まぁなだがあの娘にも色々あったんだろ」

 

 

佐渡の説得に大井は舌打ちをしながら佐渡の首元を掴むと睨み付ける

 

 

「何ですかその曖昧な返答は……

古鷹さんは苦しんでいたんですよ!!

確かに貴方はあの人を助け出した!ですが!またあの人を!古鷹さんを絶望に突き落とすつもりですか!?

何を考えているのですか!佐渡提督!!」

 

 

強目に佐渡へ対し反抗をすると佐渡は微笑みながら大井の頭を撫でる

 

 

「ありがとうな大井、古鷹の事をそんなに大切にしてくれて

嬉しいよ、流石は我が秘書艦様だ」

 

 

「当然ですよ!私は!私達は貴方達三人に救われました!

一人が欠けてもいけないんです!だから私はーー」

 

 

「なぁ大井、過去って何だろうな?」

 

 

「……は、はい?」

 

 

掴みかかる興奮する大井に対し佐渡は冷静に大井を見つめながら首元の手を離させる

 

 

「だから過去って何だろうな?」

 

 

「……過ぎた後の事じゃないですか?

私達が生きてきた追憶、足跡ですかね?」

 

 

「そうだな

そして同時に自らが起こしてきた軌跡

結果だ、自分達が苦しんで選択した結果だ」

 

 

「…どう言うことですか?」

 

 

「過去と言うものはどうやっても消せない

そりゃそうさ自分が選び選択した道筋

過去とは自らの存在であり、記憶であり全てだ

自分そのものだ、過去なんだからな

トラウマも傷も絶望も嫌なことも乗り越えて新しく明日へ歩いていくために行くものだ

 

そして、その過去と言うものは他人にはどうにも出来ない

それに関係しそれに関わる者達でしか乗り越える事は出来ない

 

古鷹はまだ過去に囚われている

それが、あの発作が原因だ

 

アイツを前に進めるためにはこうするしかない

俺達が古鷹に出来ることは傷を癒し、和らげること

消すことは出来ない

乗り越えさせることは出来ない

乗り越えさせる様に背中を押すことしか出来ない

 

俺達はその時のきっかけにしかなれない

だから俺達は最後に出来ることはこれだけなんだよ」

 

 

佐渡に言われると大井は悔しそうに唇を噛み締めながら佐渡の袖を掴む

 

 

「どんなに苦しくても、どんなに辛くてもいつかは乗り越えさせるしかない

俺達はそれを見てることしか出来ない

さぁ、今日それを見送ろう

俺達にはその資格がある」

 

 

佐渡は震える大井の手を握るとゆっくりと歩き始める

 

 

「………古鷹さんは乗り越えられると思いますか?」

 

 

「大丈夫さ、俺達はやれることはやった

後は最後に背中を押すことだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、終わらせるぞ

天使の絶望を

俺達の手で、彼女を前に進めさせるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督?私に会わせたい人が居るって……」

 

 

「あぁ、ちょっとな?本島から来てもらってたんだけどサプライズで会わせたくてな!」

 

 

「誰でしょうか……あ!陸奥さんとかですか!?」

 

 

「さぁな~?」

 

 

佐渡は笑いながら古鷹と叢雲を連れて屋上へ向かっているのだが叢雲も微笑みながらその背中を見ていた

 

 

「長かったなぁ……ここまで来るのが…」

 

 

「はい?」

 

 

「嫌さ、一年前を思い出しててな?

最初の頃ここら辺も穴だらけだったし酷かったじゃん?」

 

 

「そうね、屋上なんてボロボロだったしね」

 

 

佐渡と叢雲は一年前この鎮守府に来たことを思い出しながら屋上へゆっくりと向かっていた

 

 

「そうですね……はじめの頃は何も無くて私達三人だけでしたね…

今は増えましたよね…

大井さん、金剛さん、イムヤさん、グラーフさん、エアさん、ソラさん、そして長門さん

随分と大所帯になりましたね!」

 

 

「……あぁ、そうだなぁ

古鷹、一年前の約束を覚えてるか?」

 

 

不意に言われるのだが古鷹は瞳を閉じながらしっかりと言う

 

「生きていれば辛いことも苦しいことも絶望することもある

だから俺は、俺達が君の生きている良いことになりたい

君が精一杯楽しみ、毎日笑顔に成りながら休める場所を作ることを約束しよう

決して後悔はさせない君を必ず幸せにしてみせる

 

ですよね!」

 

 

「うわぁ、恥ずかしい台詞

良く覚えてたな古鷹」

 

 

「忘れませんよ、貴方に貰った言葉ですからね!」

 

 

「じゃあ私の約束は?」

 

 

「貴女は私達が守るわ、どんな奴からとどんな大きな力からも絶対に

何を捨ててでも、何を失ってでも私達は貴女を助けるわ

だよね!!」

 

 

「凄いわね、良く覚えてるわね古鷹」

 

 

「えへへ!そりゃあ二人は私の英雄(ヒーロー)だもん!」

 

 

そして、そんな話をしていると屋上に着き窓から人影が月明かりに照らされ見える

 

 

「……古鷹、俺達が出来る事はここまでだ」

 

 

「…提督?」

 

 

「……私達に出来ることは貴女の傷を癒し

前へ進めさせること」

 

 

「……叢雲?」

 

 

二人の真面目な面持ちをしており古鷹が焦っていると佐渡は屋上の扉を開く

寒い冬空の下厚着をしながら少女は屋上の真ん中で待っていた

古鷹はその人影が誰か分からずに少しずつ歩いていくとその人影は物音に気付き古鷹へ振り返る

その顔は月が雲に隠れており見えなかったが次第に雲が消え顔がハッキリと見える

 

 

 

「「そして、俺達(私達)に残された最後の役割はお前(貴女)を未来へ歩かせるために背中を押すだけ()」」

 

 

 

「…………嘘…何で………何で居るの……」

 

 

古鷹はその人影が…嫌艦娘を見たことが

嫌、会ったこともあり話もしていたこともあった

その艦娘は彼女を裏切った者の一人

そして、佐渡と叢雲に認められこの鎮守府への許可が降りた

最後の鍵にして古鷹の過去を乗り越えるための者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ………お……ば…………?」

 

 

「……お久しぶりです

古鷹さん

はい、青葉です

貴女の『元』友人の」

 

 

 

 




次回

青葉

佐渡と叢雲が認め古鷹を救うための最後の鍵として古鷹を裏切った佐世保鎮守府所属にして影から古鷹を思い続けてきた青葉だった
そして時は少し戻り大演習会後に戻る


にしても密告者が青葉って簡単にバレてた……
んまぁA何て彼女しか居ないですからね
大演習会最後のフラグ回収!

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