艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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前に進む覚悟

「はぁ…………勝てなかった……

ごめんなさい…………古鷹さん……ごめんなさい……」

 

 

青葉は一人静かに呟きながら一枚だけしか無いくしゃくしゃの写真を見ながら涙を溢していた

 

 

「でも……良かった…古鷹さんが笑ってた……

強くもなってたなぁ………アハハ……それだけで嬉しいよ……ごめんなさい古鷹さん……私は貴女を……」

 

 

「あっれぇ?お嬢ちゃんどうしたの?」

 

 

 

「なぁんでこんな人気の無い所に居るのさぁ?」

 

 

 

一人泣いているとその近くに二人のチャラついた男が近付いてくると青葉は急いで涙を拭くと立ち上がる

 

 

「ちょっとちょっと~?逃げなくても良いじゃんかよぉ?」

 

 

「そうだぜー?あんた艦娘何だろ?

ならさ、『人間様』逆らえないんだろ?

ちょっとさ俺達と遊ばないー?」

 

 

「離してください!私は!」

 

 

 

「良いじゃんかよ!って何持ってるの?」

 

 

「み、見ないでください!」

 

 

「よっと……何この娘!可愛いじゃーん!

何友達?」

 

 

「返してください!それだけしか無いんですから!!」

 

 

チャラついた二人は青葉から古鷹の写真を取り上げると二人でマジマジと見ていると青葉を囲む

 

 

「へいへーい?お嬢ちゃん?この娘呼べるー?

四人で楽しいことやろうぜぇ

んま、その前にさ?」

 

 

一人の男が青葉の腕を持ち上げると後ろから羽交い締めにするともう一人が青葉の胸を触る

 

 

「は、離して!!」

 

 

「おぉ……これは中々にデカイな…

艦娘っての皆こうなのか?

へへ、やりがいがあるねぇ!」

 

 

「嫌!誰か!助けーーー」

 

 

「ちょっとお前うるせぇよ!」

 

 

男はガムテープを取り出し青葉の口を塞ぎ次に脚を縛りに取りかかり写真をポケットにしまう

 

 

「へへへ!艦娘の誘拐ってのも初めてだけど案外楽勝だな!」

 

 

「まぁ、こいつらは艤装ってのを着けてなければただの女だからな!

ほらほら!ちゃっちゃと終わらせようぜ!」

 

 

二人は誘拐しなれてるのか手際良く青葉を捕まえるとその姿を見ながらニタニタと笑っている

 

 

「んー!んー!!」

 

 

「よし!じゃあ車回してちゃっちゃと行くか!」

 

 

「おう!まさかこんな可愛い娘が居るとはねぇ

いやーこんな艦娘を好きに出来る提督とやらが羨ましいぜ!

さてとじゃあ電話を……」

 

 

男の一人が電話を取り出しどこかに電話をかけようとしながらもう一人が辺りを警戒する

(誰か…助けて!……嫌、違う…か……因果応報…なのかな?

……そうだよね……私達は…古鷹さんを……見捨てたんだもん……

助けてなんて……古鷹さんの苦しみに比べたら!)

 

 

 

そう思いながら涙を溢していると男の一人が電話を始める

 

 

「あー、もしもしー?

艦娘一人確保~!ちょー可愛くて胸大きい娘!

いやー当たり引いたねー、車回してくれね?

そそ、屋台の近くの国道

オッケー頼むわ!」

 

 

そう言いながら電話を切ると青葉を見下ろしながらニタニタと笑う

 

 

「いやー……本当に胸大きいなぁ……

俺も先に触っておこうかな……」

 

 

そして男が青葉の胸を触ろうと手を伸ばすと青葉は眼を瞑り仕方ないと頭で考えながら涙を溢す

 

 

「コラコラ、女の子を泣かせるとは男の恥だと思わないのかねぇ?」

 

 

「……うわ!何だお前!いつ接近してきたんだよ!!」

 

 

突然聞こえた別の声に驚き涙を流しながら顔を上げるとそこには

 

 

「全く、やっと見付けたと思ったらこんなところに居るとはね~

やっほー青葉ちゃーん!探したよ~会場に居ないんだもん探すの疲れちゃったぜぇ……」

 

 

佐渡が微笑みながら青葉にしゃがみこむと頭を撫でる

 

 

「おい!てめぇ!何してやがーー」

 

 

「それはこっちの台詞だよ」

 

 

その瞬間佐渡の拳が男の頬に当たりそのままぶっ飛ばされるとそのままゆっくりと歩いていくと頭を鷲掴みする

 

 

「おーおー?良くもまぁうちの知り合いをやってくれたな社会のゴミ共ぉ?

艦娘を泣かせる奴はお兄さん許さないよぉ?」

 

 

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」

 

 

「て、てめぇ!何してやがる!!」

 

 

警戒していたもう一人が佐渡に襲いかかるが持っていたもう一人を投げ付ける

 

 

「うわ!おい!大丈夫ーーー」

 

 

「人の心配してる場合かよ

クズ共」

 

 

次の瞬間佐渡は二人に対し踵落としを食らわせると気絶し二人の頭を鷲掴みにしながらズルズルと引きずると近くのゴミ箱に頭から突っ込ませる

 

 

「ゴミはゴミ箱にってね

エア!車は頼む!ほどほどに痛め付けておけ!!」

 

 

「分かったわ~

じゃあ骨の二、三本は折るからねー?」

 

 

 

「おーこわ…流石だなアイツ」

 

 

 

そう言うとエアは隠れていた木の影から消えると佐渡はため息をつくと青葉を持ち上げベンチに座らせる

 

 

「大丈夫か?青葉ちゃん、今切って上げるからね?」

 

 

佐渡はポケットナイフでガムテープを手際良く切ると口のガムテープをゆっくりと剥がす

 

 

「身体は…大丈夫?何かされてない?

正直に言えよ?追加であのゴミを燃やすとかはやるからね?」

 

 

「……何で」

 

 

「うん?」

 

 

「何で……助けてくれたんですか?

私は…」

 

 

「何でって、そりゃ助けるでしょ?

別にそれに君の罪ややったことは関係ないよ」

 

 

その言葉を聞いた青葉は理解する

(……そっか古鷹さんはこんな人に助けられたんだ…

ハハ……凄いな…本当に

私の事憎いはずなのに

貴方が助け出した古鷹さんの敵なのに

古鷹さんをあんな風にした原因なのに)

 

 

そう思うと自然と涙が溢れ声を殺して泣くと静かに佐渡は青葉の頭を撫でながら空を見上げる

 

 

「……そう、君がどんな人でもな

助けない理由にはならない

俺は助けを求める奴に手を差し伸ばすんだからな」

 

 

 

 




次回

最後の一人

佐渡が古鷹を助け出す為に青葉に協力を依頼する
だが、彼女も問題を抱えていた


青葉の胸を触った男を八つ裂きにしようかと一瞬思いましたが佐渡さんそこまで残虐じゃ……ない…かな?


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