艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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二度目の選択 ー選べ歩む道をー 六

 

 

佐渡の質問に再び大井は黙り、俯いてしまう

特にこの後やることないし、のんびり待つか

…殴られる訳じゃないし

 

 

「………ください」

 

 

大井の言葉をしばらく待っていると、静かだが声が聞こえた

佐渡は、それを聞いたのだが何と言ったの分からずに聞き返す

 

 

「ん?何だって?聞こえんかったが」

 

 

大井は、意を決したように立ち上がりすぅと息を吸い、叫ぶ

 

 

「抱いてください!!!!」

 

 

「……………………………はぁ?

 

 

 

はぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

 

流石に意味不明…と言うわけでは無いが、全くの予想外過ぎる発言に珈琲の入ったカップを床に落としてしまう

幸い、壊れても誰も怪我を良いようにとプラスチックのカップ為中身だけが溢れただけだった

 

 

「だ、だから!!抱いてください!!」

 

 

「いや、ちょ、まてまてまてまてまて!!!

何でそうなる??

え?待って待ってワケわかんない??

どゆこと?え?分かんない?

ちょっっっと大井さんんんん??

どうしてそうなったんですかねぇ!?」

 

 

「だ、だから!抱いて……

あっ……ちがうぅぅぅ!!!」

 

 

 

「何がぁ!?

わけわかんないよぉ!?」

 

 

 

流石の爆弾発言に、何を言っているんだと言う顔をしながら完全にパニック状態になる佐渡

その一方大井は、座り込み今にも火が出るんじゃないかと言うばかりに顔を真っ赤にしている

 

 

「と、とりあえず落ち着こう

wait、sitソファーオケ?」

 

 

 

大井は、佐渡の言葉に頷きソファーに座るが、顔が真っ赤にしながら俯いている

そして、再び二人の間に沈黙が流れる

頬をかきながろ、「あー」等佐渡が言っているが大井は膝にかかってるワンピースをぎゅっとしながら俯き続けてる

 

 

「……とりあえず、珈琲飲みな?

落ち着くよ?」

 

 

その言葉に、大井は頷き珈琲を一気に飲み干し、一息付き何度か深呼吸をすると再び話し出す

 

 

「…………抱き締めて欲しいんです」

 

 

「………はい?」

 

 

「だから!抱き締めて欲しいんです!

提督に!」

 

 

さっきとは違うけど、いややはり可笑しい大井に首を傾げる佐渡

大井は意を決したように、佐渡の瞳を真っ直ぐにみる

 

 

「どうした?何かあったのか?やっぱり」

 

 

「良いから……お願いします」

 

 

大井は立ち上がり、佐渡の前に移動すると両手を広げる

 

 

その、光景に唖然としながらも微笑み大井の目の前に立つ

 

 

「やっと、俺を見てくれたな」

 

 

「……ごめんなさい、見れなかったのよ」

 

 

「殴るなよ?」

 

 

「…………善処します」

 

 

佐渡は緊張しながらも、大井に近付き抱き付こうと腕を広げその手が腰を通り過ぎる瞬間大井が身震いする

その瞬間を見逃さず

 

 

 

「なぁ?無茶しなくても……」

 

 

「良いから!!」

 

 

「お、おう…?」

 

 

 

 


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